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02月26日-一般質問-04号

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  1. 新潟県議会 2019-02-26
    02月26日-一般質問-04号


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    最終取得日: 2023-06-14
    平成31年  2月定例会 本会議平成31年2月26日(火曜日)  議事日程 第4号    午前10時 開議第1 県政に対する一般質問本日の会議に付した案件日程第1 県政に対する一般質問(皆川雄二君、横尾幸秀君、青柳正司君、笠原義宗君、中村康司君、斎京四郎君)   ――――――――☆――――――――出席議員(50名)          石坂  浩 君  斎京 四郎 君  中村 康司 君  松原 良道 君          笠原 義宗 君  高橋 直揮 君  宮崎 悦男 君  青柳 正司 君          矢野  学 君  石塚  健 君  横尾 幸秀 君  皆川 雄二 君          小林 一大 君  冨樫 一成 君  佐藤 卓之 君  楡井 辰雄 君          小島  隆 君  佐藤  純 君  桜井 甚一 君  西川 洋吉 君          岩村 良一 君  沢野  修 君  金谷 国彦 君  早川 吉秀 君          尾身 孝昭 君  中野  洸 君  小野 峯生 君  帆苅 謙治 君          渡辺 惇夫 君  石井  修 君  三富 佳一 君  星野伊佐夫 君          藤田 博史 君  佐藤 伸広 君  小島  晋 君  秋山三枝子 君          高倉  栄 君  上杉 知之 君  大渕  健 君  長部  登 君          小山 芳元 君  安沢 峰子 君  志田 邦男 君  渋谷 明治 君          青木太一郎 君  佐藤 浩雄 君  片野  猛 君  小島 義徳 君          佐藤 久雄 君  重川 隆広 君議員以外の出席者 知事            花角 英世 君 副知事           高井 盛雄 君 副知事           溝口  洋 君 副知事           益田  浩 君 知事政策局長        笠鳥 公一 君 総務管理部長        佐久間寛道 君 県民生活・環境部長     本間由美子 君 防災局長          熊倉  健 君 福祉保健部長        藤山 育郎 君 産業労働観光部長      橋本 一浩 君 農林水産部長        山田 治之 君 農地部長          緒方 和之 君 土木部長          中田 一男 君 交通政策局長        水口 幸司 君 会計管理者兼出納局長    山田富美子 君 病院局長          岡俊  幸 君 企業局長          稲荷 善之 君 教育長           池田 幸博 君 人事委員会事務局長     関原  貢 君 警察本部長         花岡 和道 君 労働委員会事務局長     田村 定文 君 監査委員事務局長      髙橋 和已 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(沢野修君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 県政に対する一般質問 ○議長(沢野修君) 日程第1、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、皆川雄二君の発言を許します。皆川雄二君。   〔皆川雄二君登壇〕(拍手) ◆皆川雄二君 おはようございます。自由民主党の皆川でございます。通告に従い、一般質問を行います。 本日、私からは、魚沼基幹病院の諸課題、県立高校の取り組みと成果、駐在所の安全対策、中山間地域の活力維持、そして県政の諸課題について、順次質問してまいります。 まず初めに、魚沼基幹病院の諸課題についてお伺いをいたします。 平成27年6月に開院をした魚沼基幹病院は、魚沼地域に不足する3次救急や高度医療などの拠点的な医療を担い、また、併設する新潟大学医歯学総合病院魚沼地域医療教育センターと連携した医療人材の育成を行っていると承知をしております。 当初は、開院初年度の平成27年度に354床で開院し、平成29年度には454床とする計画でありましたが、開院から3年以上が経過した現在においても、病棟稼働のおくれから、当初計画における初年度の病床数354床を下回る308床しか供給をできておりません。 その結果、圏域内の病床数は再編時の計画に対して約150床不足し、地域の医療需要に十分応えられていない状態にありますが、魚沼基幹病院の病棟稼働の大幅なおくれが地域医療に与えている影響についてどのように考えられておられるのか、知事の所見をお伺いいたします。 魚沼基幹病院は、周辺病院との機能分担・連携のもと、地域で一つの病院として、地域完結型の医療を目指して取り組んでおられるようですが、魚沼基幹病院の病棟稼働のおくれにより圏域全体の病床数が不足している現状において、地域完結型で周辺病院との機能分担が十分にできていると考えておられるのか、知事の所見をお伺いいたします。 次に、魚沼基幹病院の経営状況について、3点ほどお伺いをいたします。 魚沼基幹病院の平成29年度の決算は、事業報告によれば、純損益が約4億円の赤字、開院以来の累積赤字は約24億円となっております。 開院時の当初計画では、平成29年度の累積赤字の見込みは約26億円であったことから、当初計画よりも累積赤字が抑えられているようでありますが、現時点での魚沼基幹病院の経営をどのように評価しておられるのか、知事の所見をお伺いいたします。 救急や精神、周産期医療等、不採算部門を政策的に実施するため、県では魚沼基幹病院に対して政策医療交付金を交付しておりますが、各年横ばいと見込んでいた当初計画時と比較して、交付実績は右肩上がりに増加をしている状況にあります。 政策医療交付金が増加している要因をお伺いするとともに、今後の見込みについてお伺いをいたします。 先ほども申し上げましたが、魚沼基幹病院の累積赤字は平成29年度決算で約24億円となっており、現在の年4億円のペースで単純に赤字が積み上がっていけば、数年で基本財産の30億5,000万円を超過してしまう状況にあります。 法律によれば、純損失が基本財産から300万円を引いた額、つまり30億4,700万円を2年連続で上回った場合は解散事由に該当するとされており、危機的な状況が目前に迫っているのではないかと感じております。 そのような事態に陥らないためにも、病床の早期拡大はもちろんのこと、収益の確保と費用の圧縮が必要と考えますが、財団では経営改善にどのように取り組むこととしているのか、お伺いをいたします。 次に、看護職員確保についてお伺いをいたします。 魚沼基幹病院の赤字については、開院当初の赤字は織り込み済みであるにしても、看護職員不足による病棟稼働のおくれから、病院収益の柱である入院診療収益が伸びず、赤字が継続しているものと認識をしております。 看護職員の確保については、開院前から取り組んできていたにもかかわらず、いまだ病床のフル稼働に至っておらず、魚沼地域の拠点的な医療を担う基幹病院としての機能が100%発揮できていないことは大変残念であります。 7対1の看護体制に必要となる看護職員の確保が想定どおりに進まなかった原因はどこにあると認識しているのか、お伺いをいたします。 病棟稼働のおくれは看護職員の不足によるものであり、昨年3月に改定をした魚沼基幹病院事業計画書では、2018年度の看護職員395人、病床数308床を段階的に増員、増床し、2022年度には看護職員504人、病床数454床のフル稼働とする見通しが示されております。 間もなく計画改定から1年が経過しようとしているところですが、改定事業計画では2019年度に稼働することを目指している328床から356床の病床数確保に向けて、現時点での看護職員の採用見込みについてお伺いをするとともに、その全てが採用された場合に新たに稼働する病床数はどの程度を見込んでおられるのか、お伺いをいたします。 現在、魚沼基幹病院で看護を担っている看護職員のうち、約4割を県や大学などから派遣された職員が占めております。 開院当初から派遣されていた看護職員は、来年度末で5年間の派遣期間が終了することとなり、来年度中に何らかの手だてを講じなければ、さらに看護職員の不足が拡大するのではないかと懸念をしております。 改定後の計画では、引き続き100人以上の派遣職員を想定しているようでありますが、派遣期間終了に伴う看護職員不足を補うため、どのように取り組んでいくこととしているのか、お伺いをいたします。 現場の看護職員の方々は、現在の利用者に対し、精いっぱい、献身的に看護サービスを行っていただいておりますが、より多くの方々にそれらのサービスが提供できる機能を持っていながら、生かし切れていないことは繰り返し残念であります。 魚沼圏域の医療需要に応え、医療を必要とする地域住民が安心して医療サービスを受けるには、一刻も早いフル稼働が必要であります。 そのためにも、2021年度から2022年度に454床でフル稼働することを目指している看護職員採用計画を前倒しで実現するよう、看護職員の採用をスピードアップさせる必要があると考えますが、所見をお伺いいたします。 魚沼基幹病院の平成30年度事業計画では、南魚沼市及び魚沼市と連携をしてホームページやパンフレットの充実を図り、U・Iターンによる看護職員の確保・定着を推進することとされております。 また、平成29年3月に策定された新潟県地域医療構想の魚沼構想区域の施策の方向性においては、自治体のU・Iターン関係の事業と連携した中で、医療・介護等への就労を目的とした県外者の移住促進などを検討するとされております。 県外に勤務をしている看護職員や修学している看護学生に働きかけ、県内に呼び込むことは、定住人口の増加につながるとともに、喫緊の課題である魚沼基幹病院看護職員不足の解消につながることから、積極的に進めるべきと考えますが、県の取り組みについてお伺いをいたします。 看護職員の確保・定着に当たっては、充実した福利厚生やワーク・ライフ・バランスが実現できる労働環境など処遇面での配慮も重要であり、その実現が看護職員の確保や離職防止につながり、さらには、地域に必要とされる医療サービスの提供につながっていくものと考えます。 一方で、赤字決算が継続する中で、病院管理者として独自で看護職員の処遇面での配慮を行うことは難しい状況にあるのではないかと懸念をしております。 経営資源が限られる中、看護職員の確保という当面の喫緊の課題に対応するため、基幹病院独自のさまざまな取り組みを県として支援することも必要ではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。 また、看護職員に魅力ある病院として認識していただき、ほかの病院ではなく、魚沼基幹病院を選んでいただくためには、福利厚生や勤務環境等の向上だけではなく、看護職員としてキャリアを磨ける場でもあることが重要と考えます。 看護職員に選んでいただくとともに、水準の高い看護を提供するためにも、認定看護師や専門看護師など資格取得を支える教育体制が必要と考えますが、所見をお伺いいたします。 魚沼基幹病院は、平成30年度に基幹型臨床研修病院の指定を受け、初年度は、2名の募集に対し2名の初期臨床研修医を受け入れ、フルマッチであったと聞いております。 臨床研修医は県内に定着する可能性が高いことから、引き続きフルマッチを目指して、県内を初め全国から医師を集め、地域医療を充実していただきたいと考えますが、来年度の臨床研修医の受け入れ見込みを伺うとともに、今後の受け入れ数増加に向けた取り組みについてお伺いをいたします。 魚沼基幹病院については、昨年、一時、循環器内科の常勤の先生が離職し、循環器の急患受け入れが停止されるといった事態が生じました。 医師や看護職員の確保に向けて、財団法人も人材紹介会社等を活用して対策を講じていると伺っておりますが、特に医師については、医師みずからのキャリアアップにつながる魅力ある病院であることはもちろんのこと、給与を初めとする諸条件について合意することが重要と考えます。 しかしながら、赤字が継続し、県の支援フレームを踏まえて経営している現状では、財団として、みずからの判断だけで希望に見合う条件を提示することが難しいのではないかと考えますが、支援フレームの範囲内であれば、医師の給与水準等について財団は自由に経営判断することができると考えていいのか、お伺いをいたします。 先月末に公表された新潟県人口移動調査結果報告によれば、本県の人口は前年から2万1,064人、率にして0.93%減少し、減少幅、減少率とも過去最大となったとのことであります。聖籠町以外の市町村は全て人口が減少し、魚沼基幹病院を有する地域もまた、その例外ではありません。 人口減少により症例が減少し、高齢化により症例が偏れば、若手医師のキャリア形成にとって魅力ある病院であり続けることが困難となり、医師の確保がより一層難しくなるのではないかと懸念をしております。 楽観することなく将来を見据え、地域の3次救急や高度医療を担い続けるためにも、症例数の確保を含め、今から対策を考えていくべきではないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 現在の魚沼基幹病院の看護師不足の状況や赤字が継続している状況を見ておりますと、開院準備が続いている県央基幹病院についても同様の事態になるのではないかと心配をしております。 県央基幹病院については、指定管理者に運営を委ねる公設民営方式をとるとされておりますが、医療スタッフの確保が難しく、運営主体となり得る者があらわれない可能性もあるのではないかと懸念をしております。 医師・看護職員等の医療スタッフの確保に向け、魚沼基幹病院の反省を踏まえた取り組みを早期から行う必要があると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、県立高校の取り組みと成果についてお伺いをいたします。 教育委員会では、平成28年に策定した県立高校の将来構想に基づいて、毎年、県立高校等再編整備計画を策定し、これまでも、県内各地の県立高校において、卒業後の進路を想定した特色ある学科やコースとして音楽科や日本建築科、海外大学進学コースを設置し、生徒一人一人の夢をかなえられるよう取り組んでいるものと承知をしております。 入学した生徒は、それらの学科・コースに興味や関心を持って選択し、学科の履修後、進学や就職などそれぞれの道を歩み始めることとなります。 進路選択時に生徒の希望を踏まえる必要はありますが、卒業後に関連する分野への進学・就職が可能となるよう、在学中に業界や専門家と接する機会をふやし、希望を後押しすることが必要と考えますが、現在行っている取り組みと、関連する進路に進んだ実績をお伺いするとともに、その実績をどのように評価されるのかをあわせてお伺いいたします。 また、それらの学科やコースのほかにも、本県の喫緊の課題である医療従事者の育成に対応するため、新潟高校など3校にメディカルコース、私の地元である小出高校を初めとした3校に医療専攻が設置されております。 生徒の夢の実現にとっても、医師や看護職員等が不足する本県にとっても、非常に意義のある取り組みであり、本県の医療を支える人材が育成されることを期待しておりますが、それぞれのコースにおいて関連する進路に進んだ実績をお伺いするとともに、その実績をどのように評価しているのか、あわせてお伺いをいたします。 メディカルコースと医療専攻の卒業生には、たとえ県外に進学したとしても、みずからを育んだ、そして住みなれた本県にできるだけ戻ってきていただき、地域で医療に従事してほしいと願っております。 卒業生の就職先や定住先は、もちろん御本人の選択が最優先でありますが、高校時代に自分の目指す職種の方が地元で生き生きと働いておられる姿を在学中に見ておくことは、将来、新潟県内で働くことを選択してもらうために重要と考えます。 本県の喫緊の課題である医療従事者不足の解消にもつながるため、地域医療機関と連携した取り組みをより充実させることが必要と考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、駐在所の安全対策についてお伺いをいたします。 富山県では、昨年の6月に交番で警察官が刺されて死亡し、拳銃を奪った犯人が小学校付近で発砲し、一般市民の方が亡くなられる痛ましい事件が起こりました。その後、9月には宮城県で交番が襲われ、同じく勤務中の警察官が死亡し、さらには先月末には富山県の駐在所でも警察官が襲われ、軽傷を負う事件が発生いたしました。 地域に溶け込み、地域の治安を守るはずの交番や駐在所が襲撃される事件が相次いだことについて、県警本部長の見解をお伺いするとともに、県警察における対応をあわせてお伺いいたします。 報道によれば、交番や駐在所の襲撃事件は、いずれも拳銃を奪うことが目的であったこととされており、拳銃を携帯する警察官であれば、誰でも標的になり得ることから、警察官がみずからの体を守るための対策も必要ではないかと考えますが、県警察における取り組みについてお伺いをいたします。 先月、駐在所を襲った容疑者は、昨年6月の富山県の交番の事件を参考に拳銃を奪おうとしたとのことであります。 駐在所は、警察官としての職場であるとともに、家族とともに暮らす生活の拠点でもあります。 富山県の駐在所の事件発生時には、幸い家族が不在であったと報道されておりますが、家族がいるときに襲われた場合、重大な事態になっていた可能性があります。 駐在所における家族の安全確保について、県警察の対応をお伺いいたします。 次に、中山間地域の活力維持についてお伺いをいたします。 先ほどの質問でも触れましたが、本県の人口減少幅は過去最大になったとのことであり、人口減少のスピードがより一層加速していると感じております。 特に中山間地域など条件不利地域では、高齢化と人口減少が進み続け、より深刻な状態となっている中で、中山間地づくりに着目した施策を新年度予算で講じたことは、地域の活力を生み出すことにつながるのではないかと評価をしております。 新年度からは、地域振興局職員サポートチームが中心となって、市町村とともに各地域の支援をするとのことであり、中山間地域の活力が維持されることを大いに期待するところでありますが、新たにサポートチームを設置した背景と期待する効果について、知事の所見をお伺いいたします。 中山間地域の活性化には、地域みずからが主体的に活動を始めることが重要であり、地域によってはみずからが地域運営組織を設立し、活発に活動している地域もありますが、高齢化や活動の仕方がわからないなどの理由により、動きが見えない地域もまた存在します。 地域みずからが危機感に気がつき、活動し始めるためには、県や市町村など行政からの働きかけや支援メニューの周知などのきっかけが必要であり、サポートチームにはぜひそういった役割も担っていただきたいと考えますが、どのようなきっかけが必要と考えられているのか、知事の所見をお伺いいたします。 中山間地域で生活をしている方々のなりわいは、主に建設業と農業であると考えます。 特に農業については、高齢化などにより担い手が引退し、残っている担い手も人手不足などから、条件がよくない農地を引き受けられず、結果として耕作放棄地の発生につながる状況も見受けられます。中山間地域で農業を営む方々が、地域で暮らし続けるための基盤が徐々に失われてきているこの現状を改善することが必要であると考えます。 また、中山間地域の農地は、中山間地域の生活の基盤であるだけではなく、河川の上流域に位置し、傾斜地が多いなどの立地特性から、農業生産活動による国土の保全や水資源涵養等の公益的な機能を持ち、中山間地域のみならず、平野部も含めた生活基盤を守る重要な役割を担っております。 新年度予算において、農業をベースとしたなりわいづくりに取り組む地域を支援することとしておりますが、その狙いと支援方針について、知事の所見をお伺いいたします。 もう一方の中山間地域の主ななりわいである建設業については、地域住民が安全に暮らせるよう道路の補修や河川の改修などを行うとともに、冬季には昼夜を問わず除雪作業を行い、交通の確保に取り組むなど、地域にとって欠かせない存在であり、また、地域経済を循環させ、支える存在でもあります。 官公庁からの受注が多い中小建設業にとって、公共事業は中山間地域の経済に大きな影響を与えると考えますが、中山間地域の建設業の維持に今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いいたします。 また、人口減少が進む地域では、路線バスも減便や廃止となり、住民の生活の足が失われており、さらに高齢化により自家用車の運転もままならない状況が生じております。 地域の移動手段を確保するため、これまでの乗り合いタクシーコミュニティーバスの導入支援に加え、バス路線の延伸や複数市町村が連携したバス運行を支援する新たな取り組みを始めるとのことでありますが、地域の交通手段の選択肢をふやすためにも、貨客混載や自動運転の実証などの支援に取り組んでいくことも必要ではないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、県政の諸課題についてお伺いをいたします。 まず初めに、農業に関する質問であります。 今月8日に、知事が主宰する新潟県農業改革基本戦略推進会議が開催され、園芸振興基本戦略について検討がなされました。国内の主食用米需要が減少している中、米に続く新たな経営の柱として導入・拡大を図るとのことであります。 このたび園芸振興基本戦略の策定が必要となった背景をお伺いするとともに、今後の園芸振興の方向性について、知事の所見をお伺いいたします。 これまで、本県は自他ともに認める米の主要生産地として、魚沼コシヒカリを初めとした新潟米を全国の食卓へお届けしてまいりました。 園芸の導入促進により農業経営の多角化を図り、新たな経営の柱を目指すといった趣旨は理解できるものの、現在でも独自のブランド米で安定した売り上げを上げている産地や、今後も米一本で勝負しようと考えている産地もあり、そういった産地に園芸導入を促すことは難しいのではないかと考えますが、どのように取り組むこととしているのか、知事の所見をお伺いいたします。 県では、新潟米基本戦略に基づき、主食用米・非主食用米をあわせた需要拡大を推進しておりますが、一方で、園芸の導入や拡大を進めるには、現在の米を作付している農地を園芸用の農地とする必要があります。 園芸振興基本戦略を進めた場合、農地の利用形態において、新潟米基本戦略と競合することもあり得るのではないかと考えますが、どのように整合を図っていくこととしているのか、知事の所見をお伺いいたします。 来年度から森林環境譲与税が地方自治体に譲与され、県に対しても、市町村の支援等に関する費用に充てることとして譲与されることとなります。 人工林の私有林のうち、条件が不利な森林が対象となっていると聞いており、市町村による森林整備が進み、森林の有する災害防止機能や水源涵養等のさまざまな公益的機能が十分に発揮されることと期待をしているところでありますが、市町村の支援に向けて、県に対する森林環境譲与税をどのような考え方で活用することとしたのかお伺いをするとともに、来年度どのような費用に充当することとしているのか、あわせてお伺いをいたします。 次に、再生可能エネルギーについてお伺いをいたします。 洋上風力発電の導入促進に向け、新たに県内各地域の自然条件や社会的条件を評価し、導入促進エリア環境保全優先等のエリアを設定するための調査が行われるとのことであります。 ゾーニングの結果、適地とされたエリアについて導入促進を進めていくこととなると考えますが、本県は電力系統の課題があり、県内全域で発電設備の接続が難しいと伺っております。 せっかく適地があっても、電力系統の制約があっては、事業者も進出を判断できないのではないでしょうか。 洋上風力発電事業者への導入の働きかけと電力系統接続の制約といった課題の解消を同時に進めなければ、導入は促進されないのではないかと考えますが、どのように進めていくのか、知事の所見をお伺いいたします。 本年度、新潟市に水素ステーションが設置され、燃料電池自動車の普及に向けたインフラ整備が整うこととなります。 来年度は、燃料電池自動車の普及拡大に向け、FCVタクシーの実証運行やバス導入支援を行うとのことでありますが、十分な台数のFCVが利用されなければ、水素ステーションの経営が困難となり、運営事業者が撤退してしまうリスクがあります。 水素ステーションの運営が可能と見込まれる台数と来年度以降の普及見込み台数をお伺いするとともに、企業や個人への普及に向けてどのように取り組むこととしているのか、所見をお伺いいたします。 最後に、財政運営計画を踏まえた新年度当初予算案についてお伺いをいたします。 新年度当初予算においては財源対策的基金が大きく取り崩され、同時に公表された財政運営計画によれば、今後の財政運営も交付税措置の減少などにより、昨年度の見通しよりも厳しいものになることが示されました。 昨年の9月の定例会で、来年度予算について、私から、持続的な県民サービスの提供を可能とする財政運営を実現しつつ、県勢発展につなげていくための予算を編成していただきたい、と申し上げたところでありますが、新年度当初予算案は持続的な県民サービスの提供を可能とする予算となっているのか、知事の所見をお伺いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 皆川議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、魚沼基幹病院の病棟稼働のおくれが地域医療に与えている影響についてでありますが、魚沼基幹病院の開院により、がん医療などの高度医療の実績は着実に上がってきているものの、経験のある看護職員の不足などにより病棟稼働がおくれ、一部の診療科で入院待ちが生じているほか、救急対応においても、地域の医療需要に十分応えられていない状況にあります。 このため、運営財団では昨年3月に事業計画を改定し、2021年度から2022年度の病棟フル稼働を目指し、看護職員の確保や育成に取り組んでいるところです。 今後、順次病棟が稼働していくことで地域に必要な医療が提供されていくことから、県としましても、引き続き財団の取り組みを支援してまいります。 次に、周辺病院との機能分担についてですが、議員御指摘のとおり、魚沼基幹病院は、周辺病院との機能分担・連携のもと、地域が一つの病院として地域完結型の医療を目指しているところです。 魚沼地域については、魚沼基幹病院の病床稼働がおくれたことや、周辺病院の病床数が減少したこともあり、医療機能の分担・連携を図る体制整備は途上にあるものと認識しております。 地域の住民が安心して医療を受けられるよう、魚沼基幹病院には、病床拡大を着実に進めながら、周辺病院と連携した医療提供体制の構築に向けて取り組みを進めていただきたいと考えております。 次に、魚沼基幹病院の経営に対する評価についてですが、第三者評価機関である、魚沼基幹病院指定管理者評価・審査委員会からは、病床が308床にとどまったことから全体の収支は当初計画を下回っているが、収益の増と費用の減に継続して取り組んでおり、改定事業計画に基づき病床を稼働させていくことで収支の改善が期待されると評価されたところです。 県としましては、病棟稼働のおくれはあるものの、来年度から順次病棟を稼働していくことで収支改善が図られることから、早期の病棟稼働に向け職員の確保に引き続き取り組むとともに、さらなる経営改善に取り組んでもらいたいと考えております。 次に、若手医師のキャリア形成についてですが、魚沼基幹病院には、新潟大学医歯学総合病院魚沼地域医療教育センターが併設されており、総合診療医とそのマインドを持った専門医の養成を行っております。 優秀な指導医のもと、初期医療から高度医療まで学べる病院として、全国から地域医療を志す医師を集めるためにも、必要な症例を学ぶ機会を確保していくことは重要と考えております。 運営財団には、周辺病院との連携による症例数の確保に努めるなど、将来を見据え、若手医師に魅力のある病院となるよう取り組みを進めていただきたいと考えております。 次に、県央基幹病院医療スタッフの確保についてですが、病院の運営に当たり、医師・看護職員等の医療スタッフの確保は重要な課題であると認識しております。 議員御指摘のとおり、医師・看護職員等の確保は容易ではないことから、県といたしましても、遅くとも開院3年前までには運営主体を決定し、運営主体とともに確保に取り組んでまいりたいと考えております。 また、医療スタッフの確保に当たりましては、県央基幹病院の魅力を高めていくことが重要であり、キャリアアップ支援や働きやすい勤務環境の整備にも取り組んでまいります。 次に、中山間地域の活力維持についてお答えします。 まず、サポートチームを設置した背景と期待する効果についてですが、人口減少、高齢化が進み地域づくりの担い手が不足する中、地域では集落機能の低下、生活サービスの減少などさまざまな課題が生じており、地域住民からは課題解決に向けた取り組みを行いたいとの声も出てきております。 このような地域の主体的な取り組みを後押しするため、サポートチームを各地域振興局に設置し、市町村と連携して地域に入り対話を重ねながら、地域の実現したいビジョンを形にする取り組みを支援することといたしました。 より地域に近い地域振興局が積極的に現場に入ることによって、住み続けることができる活力ある地域の実現につながることを期待しております。 次に、地域づくり活動の開始に必要なきっかけについてですが、議員御指摘のとおり、行政の働きかけや支援メニューの周知もきっかけとなるものと承知しておりますが、近隣の地域で成功した事例が存在していることも地域づくりの取り組みの大きなきっかけの一つとなるものと考えております。 サポートチームの対象地域は、取り組みたい内容がある程度定まっている地域を想定しておりますが、サポートチームによる地域づくりの支援を通して、先行事例となるような取り組みを一つでも多く生み出し、広く周知を図っていくことが必要であると考えております。 次に、農業をベースとしたなりわいづくりに取り組む地域への支援についてですが、生産条件が不利な中山間地域における農業は、産業として捉えるだけでなく、なりわいを通じて地域を維持していく観点も重要であると考えております。 県といたしましては、過疎化・高齢化が進む中山間地域で、営農をベースとした地域の活性化に必要な人材の確保・定着が進むよう、市町村と連携して、地域が主体となった計画づくりや新規事業の立ち上げなどを支援してまいりたいと考えております。 次に、中山間地域の建設業への取り組みについてですが、議員御指摘のとおり、建設業は、除雪や災害対応など地域の安全・安心の確保や社会資本の整備などを担うとともに、地域の経済と雇用を支える重要な役割を担っております。 地域の建設業が、この役割を将来にわたって安定的・持続的に果たしていくためには、安定的な収益の確保や、人材の確保・育成を進めることが必要と考えております。 そのため、中山間地域において、除雪や災害時の応急対応等地域に貢献する企業を指名する地域保全型工事により、地元の中小建設業者の受注機会の確保に努めるとともに、地域の建設業が適正な利益を得られるよう低入札対策を推進するほか、人材の確保・育成に向けた取り組みを積極的に進めてまいります。 次に、貨客混載や自動運転の実証などへの支援についてですが、貨客混載については、過疎地域等における人流・物流サービスの持続性確保が期待されるところでありますが、事業者間の調整や採算性等の課題もあることから、地域において関係者と検討していく必要があると考えています。 また、自動運転については、新たな地域の移動手段の一つとして期待をしておりますが、安全技術の開発や事故時の責任の所在の明確化といった課題整理が必要であり、国等の動向を見守ってまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、市町村や民間事業者と連携し、それぞれの地域にふさわしい移動手段の確保に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、園芸振興基本戦略についてですが、国内の主食用米の減少が続く中で、米が中心である本県の農業産出額は減少傾向にあり、農業者の所得向上を図るためには、園芸生産に取り組むことで経営の幅を広げていく必要があると考えております。 また、推進会議での御意見などを踏まえますと、園芸を導入しやすい環境整備や、作業の省力化や共同化による生産効率の高い産地形成を進めていくことなどが今後の方向性として考えられ、こうした認識を関係機関・団体と共有しつつ、園芸振興基本戦略を策定し、一体となって取り組んでまいります。 次に、米主体の産地への園芸導入についてですが、議員御指摘のとおり、独自ブランドや消費者への直接販売、実需者との契約栽培など、地域特性や販売戦略に基づき付加価値の高い米づくりを実践している産地や経営体が数多くいらっしゃることは承知しております。 一方、人口減少局面を迎え、主食用米の需要はこれまで以上に減少することが見込まれる中、農業経営が持続的に発展するためには、米だけに依存せず園芸など経営の幅を広げ、経営基盤を強化することが重要であると認識しております。 そのため県といたしましては、ノウハウ習得から本格導入、販路の拡大も含め総合的に支援策を講じることで、関係機関・団体と一体となって園芸産地の成功事例を創出し、さらにその成果を県全体に波及することで、米主体の産地においても取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、米と園芸の基本戦略の整合についてですが、園芸を新たに導入する場合には、水田から畑地に転換する利用形態もありますが、稲作主体の本県ならではの手法としてこれまで進めてきたように、わせを収穫した後に野菜を生産することなど、稲作を維持したまま園芸拡大を図る水田フル活用の取り組みも継続して推進してまいりたいと考えております。 また、砂丘地や遊休化している農地の活用なども進めることで、園芸の拡大を図ってまいります。 これらの取り組みにより米と園芸をあわせて経営の幅を広げ、双方の基本戦略に基づき農業者の所得の最大化を目指してまいりたいと考えております。 次に、洋上風力発電の導入に向けた課題についてですが、電力系統の制約については、既存系統をより有効に活用する取り組みにより改善してきてはいるものの、議員御指摘のとおり、洋上風力発電の導入を進めるに当たっては、なおこの課題解決が不可欠であると認識しております。 県といたしましては、本県における早期の系統接続の課題解決に向けて、来年度設置する洋上風力発電の導入に関する研究会において検討するとともに、電力系統の強化や既存系統の最大限の活用について、引き続き国や電力会社へ要望してまいりたいと考えております。 次に、新年度予算案における持続的な県民サービスの提供についてですが、新年度予算案においては、厳しい財政状況を踏まえ、選択と集中をこれまで以上に徹底することを基本に、部局枠予算に対する10%のマイナスシーリングなどにより財源の確保に努めるとともに、国庫補助金や有利な地方財政措置が見込まれる地方債を活用することにより、後年度を含む県負担を抑制するなど、今後の財政運営を見据えた対応を行ったところです。 今後、持続可能な財政運営に向けては、さらなる歳入歳出改革が必要であるため、庁内一丸となって検討を進め、県として策定する具体的な行動計画を踏まえ、その実現に全力で取り組んでまいります。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 順次お答えをしてまいります。 まず、魚沼基幹病院に対する政策医療交付金についてですが、公設民営の県立病院として、救急医療や高度・専門医療など不採算医療を行うため、対象となる医療の収支差額等に基づいて交付しております。 魚沼基幹病院は、病棟フル稼働に向けた体制整備の途上にあることから、高度医療を維持するための経費が増加しているものです。 今後、順次病棟が稼働し、病院の収益が改善すれば、政策医療交付金は減少していくものと考えております。 次に、経営改善の取り組みについてですが、運営財団では、来年度の増床を計画していることから、収支においても一定程度の改善が図られるものと考えております。 また、病院内の各部門の代表者で構成した経営戦略ミーティングを設置し、外部コンサルタントを活用した、患者の確保や新たな施設基準の取得、DPC制度の運用改善など収益の確保に努めているほか、材料費の値下げ交渉等による費用の圧縮に取り組んでいるところです。 県といたしましても、引き続き経営安定化に向けた財団の経営改善の取り組みを支援してまいります。 次に、看護職員の確保が病床拡大に結びつかなかった原因についてですが、運営財団では、看護職員の確保に努めてきたものの、当初の想定よりも重症度の高い患者が多数を占め、看護体制を厚くする必要が生じたことや、育児休業取得者の増加などにより経験者が不足したことから、患者の安全を最優先に、病棟稼働がおくれたものであり、やむを得ない面もあるものと考えております。 改定事業計画では、2021年度から2022年度の病棟フル稼働を目指して取り組むこととしており、来年度に向けておおむね計画に沿った看護職員を確保できていることから、今後の取り組みに引き続き期待しているところです。 次に、現時点での看護職員の採用見込みと新たに稼働する病床数についてですが、1月末現在で、新卒は23人、経験者は今年度の中途採用を含めて20人の計43人を確保したところであり、ことし4月から1病棟20床増床し、328床稼働する予定で準備を進めているところです。 次に、派遣期間終了に伴う看護職員不足への対応についてですが、議員御指摘のとおり、多くの看護職員が来年度末で派遣期間を満了します。 魚沼地域において安定的、継続的に医療を提供していくためには、現行の病床数を維持拡大していくことが必要であり、運営財団には、職員確保に一層の努力を求めるとともに、当面は県からの派遣の継続や新たな派遣により、一定の職員数を確保する必要があることから、引き続き関係部局と調整を進めてまいります。 次に、看護職員の採用計画の前倒しについてですが、改定事業計画では、病棟フル稼働までの間、新卒25人、既卒25人、毎年度合わせて50人を目標に採用することとしております。 新卒については、財団では院内研修体制を整備し新人看護職員の育成に取り組んでいるところですが、患者の安全を確保しつつ育成できる人数には限りがあることから、計画以上に新卒を採用することは難しいと聞いております。 一方、経験者については、即戦力での活躍が期待されることから、前倒しで採用できるよう、引き続き財団の採用活動を支援してまいります。 次に、県外の看護職員等の確保についてですが、議員御指摘のとおり、県外の看護職員等に対する県内就業促進の取り組みは、本県の看護職員不足の解消につながることから重要であります。 このため、県では、首都圏等において、看護職員や看護学生を対象に就職相談会や看護系大学への個別訪問を実施するとともに、ホームページにより県内の求人情報等を提供しております。 また、今年度新たに、首都圏在住の看護学生と魚沼基幹病院を含む県内病院との懇談の機会を設け、学生と病院間のネットワークの構築を進めており、引き続き、積極的に取り組んでまいります。 次に、看護職員の確保に向けた病院の取り組みに対する県の支援についてですが、看護職員の確保に当たっては、キャリア形成を図れる環境の整備とともに福利厚生の充実やワーク・ライフ・バランスが実現できる勤務環境も重要と考えております。 運営財団は、診療報酬と政策医療交付金を財源として自由度の高い経営を行っており、職員の意見を聞きながら環境整備や処遇改善に取り組んでいるところです。 県としましては、看護職員の確保に効果のある院内保育についても、支援しているところであり、財団の創意工夫により、看護職員確保に向けて効果の高い取り組みを実施していただきたいと考えております。 次に、看護職員の教育体制についてですが、高度医療を担う病院として医療の質を高める上で長期的な視点に立った職員の育成は重要と考えております。 運営財団では、今年度から認定看護師や専門看護師などの資格取得に対し、研修先の住宅費用を全額補助するなど、他病院に比べ充実した支援を行っているところです。 また、県としましても、魚沼地域における看護職員の人事交流の取り組みを通じ、みずからの病院では経験できない幅広い看護業務の体験や看護技術の向上を図ることなどにより、職員のキャリアアップに努めているところです。 次に、臨床研修医の受け入れについてですが、魚沼基幹病院では、今年度は基幹型研修病院として6名の研修医を募集しておりましたが、応募者がなかったと聞いております。このような結果になったことは、魚沼地域の基幹病院としての役割を果たしておらず、極めて残念であります。 運営財団では、一時的に循環器内科医が不在となった影響が大きいと考えており、来年度に向け、他病院と連携するなど、研修環境の充実に取り組んでいるところです。 県としましても、研修病院合同説明会等の機会を通じ、財団の研修医確保の取り組みを支援してまいります。 次に、医師の給与水準等についてですが、先ほどの答弁でもお答えしたとおり、運営財団は、診療報酬と政策医療交付金を財源として自由度の高い経営を行っており、医師の給与についても財団の経営判断で独自に決定できることとなっております。   〔産業労働観光部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働観光部長(橋本一浩君) お答えいたします。 燃料電池自動車の普及拡大に向けた取り組み等についてですが、自動車メーカー、エネルギー関連事業者等で構成されている燃料電池実用化推進協議会の普及シナリオによれば、2020年代後半以降の水素ステーションの運営自立化には、1カ所当たり900台の燃料電池自動車が定期的に訪れる必要があるとされているところです。 また、将来的な普及見込みにつきましては、さまざまな条件により変わり得るものですが、本県が平成29年度に策定したFCV・水素ステーション普及ビジョンにおいて、新潟市中央区に水素ステーション1基が整備された場合にカバーできる人口や、県内の自動車ユーザーを対象としたアンケート結果などをもとに試算を行ったところ、燃料電池自動車の累計販売台数が、10年後には900台を超えるとの結果を得たところです。 これらを踏まえ、県といたしましては、新潟市や自動車メーカー等と連携し、まずは展示会や試乗会の実施などにより、燃料電池自動車の普及啓発を図ってまいりたいと考えております。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 森林環境譲与税の活用についてですが、県に譲与される森林環境譲与税については、新たな森林経営管理制度のもとで、市町村が円滑に森林整備を進められるよう、市町村に対する支援等に活用することとされております。 県といたしましては、市町村において、森林・林業部門の専門職員が不足し、実施体制の強化が喫緊の課題となっていることから、市町村職員の資質向上に向けた研修会の開催や、専門知識を有するアドバイザーの派遣に重点的にこの譲与税を活用してまいりたいと考えております。 また、この財源を活用し、森林整備を実施する事業体等の確保・育成や、森林の役割や重要性について県民の理解促進を図る取り組みなどを進めてまいりたいと考えております。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) 3点お答えいたします。 特色ある学科・コースの取り組みや実績の評価についてですが、新潟中央高校音楽科では国内外の講師を招聘し、高いレベルの個人レッスンを通して、将来のすぐれた演奏者や指導者などの育成を目指しております。例年卒業生の6割程度が音楽関連の大学等に進学しており、また、プロの演奏家も輩出していることなどから、一定の成果が出ているものと考えております。 新津工業高校日本建築科では、にいがたの名工の熟練技能者から直接指導を受けるなど、伝統的な木造建築の知識や技能を身につける実習に取り組んでおります。卒業後は、地元の工務店等に就職したり、大学の建築学科へ進学したりするなど、これまでの卒業生のおよそ8割が建築関係の進路に進んでおり、地元に定着する人材の育成にもつながっているものと考えております。 また、国際情報高校海外大学進学コースでは、グローバル社会で活躍できる人材の育成を目指し、英語によるディベートやディスカッションなどを通して論理的思考力を培い、これまで3年間で12人の生徒が海外大学に進学しており、コース設置の主旨が少しずつ浸透しつつあるものと思っております。 次に、本県の医療を支える人材の育成についてですが、メディカルコースでは、医学科等を目指す生徒が高い倫理観や使命感を実感し、進学意欲の向上を図るため、現場で活躍する医療従事者による講演会や病院見学などを実施しています。新潟高校、長岡高校における、同コースの最初の卒業生が出た平成22年から昨年までの医学科進学者数は、コース設置前の9年間と比較しますと、年平均約24人増加しており、コースの取り組みが学校全体の医学科進学を押し上げているものと思われます。 また、医療専攻は、新潟西高校、小出高校、三条東高校に設置し、医療従事者としての責任感等を身につけさせるため、看護師体験などを実施しており、3校合わせたこれまでの医療専攻卒業者のうち約8割に当たる115人が看護学科や理学療法学科などの医療に関する学科へ進学しております。 両コースの設置の成果は一定程度あったものと受けとめておりますが、今後は高い学力を身につけさせるための学習指導や個に応じた進路指導を一層充実させる必要があるものと考えております。 次に、メディカルコースと医療専攻における地域医療機関との連携についてですが、各学校では、地域医療機関と連携して、医師や看護師等の職業について理解を深め、将来、地域医療に貢献しようとする意識を高める取り組みを実施しており、例えば小出高校では小出病院と連携し、高齢化社会に必要となる地域包括ケアシステムなどについて研究をしております。 引き続き、県内で働くことを選択肢としてもらえるように、福祉保健部からの支援を受け地元の看護師等を学校に派遣してもらいながら、今後は、在宅医療などの地域医療の現状や課題について、生徒が主体的に学ぶ機会を一層充実させるなど、地域医療の魅力を実感できる取り組みを進めてまいります。   〔警察本部長花岡和道君登壇〕 ◎警察本部長(花岡和道君) お答えいたします。 相次ぐ交番等への襲撃に対する見解と県警察の対応についてでありますが、他県において、地域住民の安全と安心のよりどころである交番等が襲撃される事案が相次いで発生して、警察官が殉職をし、奪われた拳銃によって一般市民が犠牲となるなど、極めて憂慮すべき状況にあると判断しております。 県警察においては、これまでも、交番等における安全対策を進めてきたところでありますが、今後も、交番用防犯カメラの設置を進めるとともに、実戦的な訓練や施設・装備の点検等を継続するほか、警戒意識の保持と適切な職務執行体制の確保に配意し、交番等における安全確保の一層の強化を図ってまいります。 次に、警察官がみずからの体を守るための取り組みについてでありますが、県警察といたしましては、警察官に対する襲撃や拳銃奪取を防止するための実戦的な訓練を実施するなどし、本県において、警察官が襲撃され、その拳銃が奪取されることのないように努めることはもちろん、凶悪化する犯罪に的確に対応し、拳銃を使用すべきときにちゅうちょなく適正に使用できるよう、現場での対処能力の向上を図ってまいります。 次に、駐在所における家族の安全確保についてでありますが、県警察では、駐在所の安全対策として、センサー照明やカメラつきインターホン、ドアスコープを順次設置し、来訪者の様子を把握できるようにするとともに、非常ボタンを設置して緊急事態に備えております。 また、駐在所の家族に対しては、有事の際の対応要領や110番通報の活用などについて周知徹底を図っております。 今後も、駐在所施設の改善を初め、家族を対象とした研修等を充実させ、駐在所における家族の安全確保に努めてまいります。   〔皆川雄二君登壇〕 ◆皆川雄二君 それでは、魚沼基幹病院の諸課題について再質問させていただきます。 個別に1つずつということになると、なかなかですので、基幹病院について、知事に、医療への影響とか、地域への影響とか、今後について聞きましたので、再度、認識を。要望してしまうと質問になりませんので、そのことも含めて、ちょっとお話と認識をもう一回確認させていただきたいと思います。 まず1つに、基本的には財団法人がやっているということで、交付金を出していますので、県は財団を支援するという話でしたけれども、花角知事より前の前の知事のときに、県が主導して基幹病院構想を進めたわけであります。 当時は、看護師の確保も県が採用を行うという話があったそうでありますし、また、今、いろいろな問題となっている中条第二病院にあっても、当時、県立小出病院に精神病棟があったのを基幹病院に持っていって、全体を縮小するという話がありました。その中で、では補完するのはどこですかといったら、個別の名前を出して申しわけないですけれども、ほんだ病院と、中条第二病院で、精神の方は民間で受け入れますという、こういう話があった。結果として財団に受けていただいたということは、それは目的としては達成していますけれども、中条第二病院は病棟を閉鎖すると。あるいは、財団運営には赤字が続いて医師が集まっていないということがあります。ですから、そういう連携の課題が、既に生じているということであります。 それから、医師の確保です。循環器の医師がいまだに見つからないということですけれども、研究と診療は別物でありますので、一概にイコールではありませんが、魚沼地域でコホート研究をやっているのです、生活習慣と病気の関係を。そういう研究をやっている地域で循環器の医師がいないのは、どういうことだと言われるわけです。ですから、地元に帰れば、魚沼基幹病院と言う方は満足にいません。大体の方が、魚沼危険病院と言うと、わかりましたと。 ですから私は、最後に、本当に県央基幹病院をやれるのかなと。そういうことがありまして、確かに財団に交付金を出しているのだけれども、責任は全部財団にあるのです。しかし、財団の中に4割、県の看護師がいて、果たして統治ができているかどうかということ。それから、新潟大学医歯学総合病院魚沼地域医療教育センターにもかかわらず研修医がゼロとは、これはどういうことなのでしょうか。 それはやはり、これを進めてきた県に対して、もう少しきちんとやってほしいという思いがありますので、基本的には今の答弁と同じように、支えている、支援している、取り組むということで構いませんけれども、今、途上であればこそ、新潟県からしっかりやってほしいなという思いを、もう一回知事に再認識していただくということで、再質問させていただきました。よろしくお願いします。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) お答えいたします。 今ほど皆川議員から、深刻な幾つかの懸念についての言及がございました。御指摘いただいた課題や懸念につきましては、しっかりと受けとめまして、改めて地域の住民が安心して医療を受けられるように、魚沼基幹病院には、病床拡大を着実に進めながら、周辺病院と連携した医療提供体制の構築に向けて、しっかり取り組みを進めてもらいたいと思いますし、県といたしましても、引き続きしっかりと財団の取り組みを支援してまいりたいと思います。 ○議長(沢野修君) 皆川雄二君の質問は終わりました。 次に、横尾幸秀君の発言を許します。横尾幸秀君。   〔横尾幸秀君登壇〕(拍手) ◆横尾幸秀君 自由民主党の横尾幸秀です。通告に従いまして、順次質問をいたします。 花角知事は、昨年6月の知事選挙で見事当選されまして、就任されてから約8カ月間過ぎましたが、突然御自身の人生設計が変わりまして、戸惑いを感じていませんでしょうか。 知事の活動をブログで拝見していますと、分刻みのスケジュールの中、県内はもとより国内外での積極的な働きかけに対して、多くの県民の皆さんが今後の県政運営に期待を寄せているのではないでしょうか。 それにつけても、本県知事がわずか4年間に2代続けての不祥事は、県内外に想像以上の信用失墜を招き、まことに残念な出来事でございました。その責任は重く、さまざまな分野で影響が出てきているのではないでしょうか。 花角知事にとりましては、まさに信頼回復のための県政運営となりますが、これを払拭するには、他県知事の何倍もの努力が必要と思いますし、それが求められている状況を十分承知されているものと思います。 さて、本県には課題が山積しています。その中でも人口減少問題は最重要課題です。少子高齢化による自然減に加え、若者の流出による社会減に歯どめがかからず、これが働く世代の縮小につながり、県財政に影響を与えている大きな要因の一つとなっていることを再認識する必要があります。 ちなみに、本県人口ではピーク時の平成9年には249万2,000人だったものが、平成30年12月末では224万3,000人と、21年間で約1割の24万9,000人も減少しています。 なお、人口減少に関しては、本県だけでなく日本全体の問題です。人口の将来予測でも、1億人を割るのもそう遠くないことがはっきりしています。むしろ、いかにして減少幅を軽減していくか、また、このような縮小社会における持続可能なあり方をどのようにして構築していくかが問われているのではないでしょうか。 これまでも、若者のU・Iターンや婚活、移住促進など、県内市町村や関係団体などとともにさまざまな取り組みを行ってきましたが、結果に結びついていない現状だと思います。 知事は、就任後、本県の総合計画、にいがた未来創造プランの一部を見直すこととして、早速、選挙公約のかなめでありました住んでよし、訪れてよしの新潟県を基本理念に変更し、「命と暮らしが守られ、一人一人が未来への希望を持って自らの幸福を実現できる新潟県を創る~現在と未来への責任を果たす県づくり~」を掲げ、全庁的に取り組むこととしています。 これには、県民を初め県内市町村や経済界などと厳しい現状を共有しながら、官民が一丸となって対応する必要があると思っています。 知事は、就任後初めての新年度予算編成となりましたが、手応えはいかがでしたでしょうか。恐らく、これまで培ってこられた豊富な行政経験と幅広い人脈を駆使して、新しい視点で県政課題に臨んだものと思います。 この新年度予算案に関し、先に私の印象を申し上げます。 知事は、本県の財政状況を十分承知されながら、本県のさまざまな状況に対し十分配慮されたものと感じました。 また、新知事に対する大きな期待を込めた要望に応えるべく、当初予算案では対前年比プラス1.7%と、積極的な姿勢を示されたものであり、評価したいと思います。 ただし、このような状況が次年度以降も続けていけるとは思っていません。国の財政状況を見ても、年ごとに厳しさが増すでしょうし、本県の人口減少と経済活動の先行きを見ても、自主財源が50%を超えるような勢いは期待できません。今後とも厳しい財政運営が続くことは、誰でもわかることであります。 一部では財政破綻を心配する声も多くありますが、そうならないよう、今定例会の代表質問でこの問題に対し大変厳しい質疑がありましたとおり、議決機関である県議会がしっかりと執行機関である県行政をチェックしていけば、何も問題は起こることはないと思います。 知事には、最善の注意を払いながら、今後とも一層の選択と集中によります県政運営を期待いたしまして、最初に平成31年度一般会計予算案につきまして、何点かお伺いします。 1点目は、知事就任後最初の予算編成を手がけられて、手応えにつきましてお伺いしますとともに、県政課題はさまざまありまして、全てに対応するには財源的制約もありますことから、予算編成の視点でも何点かに整理されていますが、特に花角カラーを出したと思われる特徴的な政策につきましてお伺いします。 2点目は、予算編成の方式として、本県では、各部局に対し枠配分方式の手法が採用されています。これは、担当部局がみずからの権限と責任で予算編成することで、自主性と自立性、コスト意識が確保されることが極めて重要かつ有効であるとの考えが基本となっているものと思います。 一方、長期的にはマンネリ化することも懸念されますが、知事として現状の予算配分方式をどのように評価されていますか、お伺いします。 3点目は、働く者の減少は、本県にとりましては大きな課題となっています。県内各地に多様な業種と安定した働く場があれば、少しでも人口の社会減少に歯どめがかかるはずです。その対策には、県内にあります県営産業団地など3カ所、市町村団地24カ所への企業誘致が大変重要と考えます。 従来から言われていますが、県内には豊富な労働力と離職率の低い、勤勉で粘り強い人材がいます。しかし、現状では雇用環境や県民所得が他県に比べて低いことから、若者の流出はとまりません。 将来に向けて安定的な財源確保のためにも、知事が先頭に立って企業誘致を行うべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。 4点目は、国では、我が国の持続的な成長にとって、最大の課題は少子高齢化と言っています。国は、少子化への対応として児童扶養手当の増額や、ことし10月の消費税率10%への引き上げによる財源を活用した幼児教育・保育の無償化などのきめ細かな政策を導入するとお聞きしています。 若い世代が安心して結婚し、子供を産み育てやすくなれば、少子化に歯どめがかけられると考えますが、知事の所見をお伺いしますとともに、本県の対応策につきましてもあわせてお伺いします。 5点目は、知事は、県民の命と暮らしを守り、県民生活の安全と安心を最優先課題とした防災・減災について取り組むとしていますが、その中でも、多発している大規模な自然災害への対応として、現状の老朽化しているインフラ施設の維持管理、更新などが重要と考えますが、今後、どのように取り組んでいかれるか、知事の所見をお伺いします。 6点目は、知事は、防災・減災のハード対策として、これまでのような災害復旧・復興ではなく、事前対応と事前復興の両輪で取り組んでいく必要があると、大変積極的な考えを示されていますが、財源の確保策も含め、今後、どのように取り組んでいかれるのか、知事の所見をお伺いします。 7点目は、外国人観光客の誘致や魅力ある観光地づくりなどの取り組みを強力に推進するため、新年度から、産業労働観光部から独立して、観光局として業務を開始することとなりました。観光立県を目指す知事の積極的な姿勢を、高く評価したいと思います。 そこで、新しい体制とすることで、これまでと何が変わり、具体的にどのようにして観光施策を進めていこうとされるのか、お伺いします。 8点目は、本県は、他県に比べて見劣りしない、豊富ですぐれた資源を有していますが、これまでは生かし切れず、埋もれた素材が多いと言われてきました。 逆に言えば、生かし方により伸び代がある分、期待もできるわけです。これらの課題に対し、早速、知事は観光に関する有識者による新潟の魅力を考える懇談会を立ち上げられました。有意義で実効性のある提言を期待したいと思います。 特に、インバウンドの受け入れでは、日本の原風景や日常生活のありのままの姿が高評価を得ているとのことですが、新体制下で、どのような戦略を持ってインバウンド拡大の具体策を講じていかれるかお伺いしますとともに、誘客推進のためには、本県だけでなく、県境を越えた連携も必要と思いますが、現状の取り組みと、地域が取り組む他県との連携事業などへの支援策につきましても所見をお伺いします。 9点目は、知事は就任後、積極的に中国や東南アジアなどを訪問され、インバウンドなどの交流拡大を図ってこられましたけれども、その手応えと成果につきましてお伺いします。 10点目は、経済発展が見込まれています東南アジアなどにおいて、県産農産物や日本酒などの一層の販路拡大が期待できると思いますが、今後、県産農産物の輸出拡大に向けて、どのように取り組んでいかれるのか、知事の所見をお伺いします。 11点目は、知事は、当初予算案の中で、住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現に向けた取り組みを積極的に展開するとしています。 県内には都市部から多くの中山間地など過疎地域まであり、生活環境がかなり違うのが現状です。近年は、都市部でも空き家などが多くなり、この対策も必要ですが、特に中山間地在住の大半の高齢者へのきめ細かな対策が重要であります。 人口減少や高齢化が進む中山間地では、地理的条件が悪く、交通利便性も十分でないことから、買い物や医者通いなど、日常生活に不便を来している状況が散見されます。 住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現のためにも、高齢者などに対する移動手段の確保が喫緊の課題と考えますが、具体的な対策につきましてお伺いします。 次に、後継者不足対策につきまして、何点かお伺いします。 本県の生産年齢人口は、昭和60年をピークに減少が続いています。その結果、ものづくりや農林水産業、建設業やサービス業など幅広い分野で後継者や担い手不足が深刻化していることに対して、新年度予算案では、地域の産業・社会を支える人づくりを主要事業で取り上げています。これに関連した質問です。 つい最近、建築業を経営されている社長から深刻な話を伺いました。社長いわく、大工や左官など職人が高齢化のため、10年先には家を建てたくてもできなくなる可能性がある。自分の息子も8年間大工をやって、最近ようやく一人前になったと思ったら、転職してしまったと。 理由は、新築やリフォームが年々減少していて、しかも冬期間ほとんど仕事がなく、収入が不安定なことであること。そのために、結婚して子供を育てることができないこと。大工仕事は好きだが、将来性がなく、家業を継がない選択をしたとのことで、残念だが、息子の将来を考えたとき、受け入れざるを得なかったと言っておられました。 この後継者問題は、随分以前から県政の重要課題としてさまざまな対策が講じられてきましたが、改善の兆しが見えません。中には、利益が上がっているのに、直系の親族や社員などから敬遠され、やむなく閉鎖に追い込まれるケースもあるとお聞きします。抜本的な対策が急務です。 そんな中、県内各地では農業分野に女性が参入して、大変成果を上げているとお聞きします。稲作を中心に、野菜や果物などの生産から加工して販売、もしくは飲食店経営まで幅広く展開し、多くのリピーターを得て成功し、活躍している女性たちは、まさに新たな農業のあり方ですし、女性の感性がなし得るものと思っています。 他の業種でも、女性に参画していただけるような仕組みづくりも大切なことではないでしょうか。 今後、さまざまな後継者問題に対するこれまでの施策を見直して、県が中心となって、市町村や経済界、各種業界、若者世代などによる新たな検討組織を編成して、全国のモデルとなるような、将来あるべき姿を明確にして実践していけるような取り組みにつきまして、何点かお伺いします。 1点目は、農林水産業、建設業、中小製造業、商業、観光業など県内のさまざまな業種において、経営者や現場の技能者で後継者不足が深刻であります。 これまでも、後継者不足問題は県政の重要課題の一つとして、過去何回も議会の場で取り上げられてきましたが、これまでの対応による具体的な効果と、今後の課題に対する所見をお伺いします。 2点目は、いずれの業種も、若い世代の人たちには、現状では魅力を感じない者が多く、その上、体力的にも精神的にもきつい仕事を避ける傾向にあり、さらに、所得が低く生活に不安を持っている者が多いと思います。 中でも、長期にわたり経験の積み上げが必要な業種に挑戦する人は少ないと思います。経営者や現場の技能者に関する、後継者不足問題にはさまざまな背景があり、一朝一夕には解決できない難しい問題だと承知しています。 今後、将来の解決策を見出すため、県や市町村、各業種の団体などの関係者で抜本的な対策を検討する場が必要と考えますが、知事の所見をお伺いします。 3点目は、起業・創業を推進している中、本県では廃業数が開業数を上回っており、この傾向は、本県を含め青森県、岩手県、秋田県、富山県の5県だけとお聞きします。 起業・創業の現状をどのように認識しておられるか、また、今後どのように支援していかれるのか、知事の所見をお伺いします。 4点目は、昨年末に、燕市で撮影されました人気番組「下町ロケット2」では、無人自動運転トラクターの開発を主体としたロケが行われ、大勢の地元の人たちがエキストラとして参加し、大盛況とのことでした。夢のある将来の農業の姿に、多くの若者が関心を持ったとお聞きしています。 次世代農業の実現に向け、ロボット技術や情報通信技術を活用したスマート農業を、全国に先駆けて取り組む必要があると考えますが、知事の所見をお伺いします。 5点目は、少子高齢化は、さまざまな分野で多大な影響を与えています。県内各地に有形無形の伝統文化が多く存在する中、後継者不足により技能等の継承や建造物の維持が困難な地域が多くあると聞きます。 伝統文化の保存や継承に向けた対応につきましては過去にも質問していますが、これまでの取り組みと成果を伺いますとともに、今後の対策につきましてもお伺いします。 6点目は、貴重な伝統文化であっても、後継者がいないことで保存や継承が行われず、後世に残せないものがあるとお聞きします。 このため、これらにつきましては写真や公文書など記録保存、アーカイブが必要と考えますが、これまでの取り組み状況と成果、今後の対策につきましてお伺いします。 最後に、県政の諸課題につきまして、何点かお伺いします。 今冬は、年末年始にかけて県内各スキー場に雪があり、しかも週末には比較的天候に恵まれて、例年以上に、にぎわいを見せていると思います。 県民生活の面でも、昨年のような集中豪雪の被害で大混乱を招くこともなく、比較的穏やかな暮らしを送れたのではないでしょうか。 そこで、過日、地元の赤倉温泉スキー場の入り込み状況を見に行ってまいりました。昨年の状況を想定して行きましたところ、何と、ことしは外国にいるような妙な感じを受けました。町なかを歩いている若者や家族連れ、ゲレンデ付近には外国人ばかりです。 何軒かのホテルへ行きましたが、フロントで接客中の外国人に対し、おかみさんが流暢な英語で接客していたのには2度びっくりです。 ほかの旅館などに聞いてみますと、大半は身ぶり手ぶりのようでございますが、一部では通訳を頼んでいるそうでございます。 そして、たまたま温泉街で駐在さんとすれ違ったときに治安の状況をお聞きしましたら、大きな問題はないとのことで、一安心です。 このスノーリゾートブームが長く続き、地域経済が潤うことを切に願うものです。 しかし、いいことばかりではありません。ホテルや飲食店などで話を聞きますと、外国人の大半がキャッシュレスでの清算で、キャッシュレスの種類によっては現金決済に時間がかかるなど、仕入れに影響が出ているとのことでした。ぜひとも世界の潮流におくれない対策が必要です。 知事は、観光立県の大きな柱に、インバウンドなど交流人口拡大による観光産業の振興や、国内外から来県する人たちの定住促進に取り組んでいますが、これら全てが県人口の自然減や社会減に少しでも歯どめとなればとの思いで伺います。 1点目は、本県経済の動向では、昨年末の概況として穏やかに回復しているとの速報値でございました。内容は、個人消費、物価は持ち直し。設備投資も回復基調。生産は持ち直し、雇用は着実に改善。住宅投資は前年を下回り、公共投資は弱目。とのことですが、ビッグニュースとして、今月から日本とEU間で経済連携協定がスタートしたことです。 さまざまな効果が期待されているところですが、これが本県に及ぼす影響につきまして、知事の所見をお伺いします。 2点目は、人手不足対策として、昨年の臨時国会で、外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入国管理法が改正されました。現在、本県でも中国人など多くの外国人労働者が働いていますが、言葉や生活習慣などでさまざまな問題もあるとお聞きします。 受け入れる企業側と外国人労働者双方の相談や指導などに、しっかり対応していくべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。 3点目は、本県にも、AIやIoT、ロボットなど新しいイノベーション時代がやってきました。AIやIoT、ロボットなど新しいイノベーション時代に対応し、本県の産業構造を大きく変革していくためには、急速な技術革新に対応できる技術者の確保・育成が必要であり、機器材の整備も含めた先進技術が学べる環境が必要と考えますが、所見をお伺いします。 4点目は、また、AIやIoTなどに対応できる将来の担い手を育成するため、中学生、高校生などに対し、早期から学べる環境を整え、教育していく必要があると考えますが、所見をお伺いします。 5点目は、世界的にキャッシュレス化が進む中、日本は普及が大変おくれており、本県も同様の状況と思います。特に、県内各地ではインバウンドによる入り込み客が増加していて、ホテルや旅館、食堂や土産物店などでの清算はキャッシュレス化となっているため、繁盛はしているものの現金がなく、仕入れなどに支障を来しているとお聞きしています。 本年10月の消費税率10%へ引き上げに伴う国の経済対策としてのポイント還元や、2020東京オリンピック・パラリンピックに向け、県内におけるキャッシュレス化の普及促進に取り組んでいく必要があると考えますが、知事の所見をお伺いします。 6点目は、本県には上越・北陸新幹線を初め、北陸・関越・磐越道などの高速道路、新潟・直江津港など主要なインフラが整備されています。これまでは、全国的に見ても優位にあるこれら主要インフラを生かし切ってこなかったと思いますが、知事の所見をお伺いします。 また、日本海国土軸の形成の観点から、上越地域から山形-秋田-青森間の日本海縦貫高速交通体系の構築が不可欠であるとの知事の認識ですが、今後の具体的な対応につきまして、所見をお伺いします。 7点目は、しかしながら現状では、上越地域から新潟市へのアクセスは、東京へのアクセスよりも時間がかかる場合もあります。均衡ある県土の発展に向け、当面の対策として北陸新幹線開業以前に金沢から新潟までの区間を運行していました特急「北越」を再開するとともに、北陸新幹線上越妙高駅から上越新幹線長岡駅までの間の高速化に向けた整備を優先的に行うことを国やJRに働きかけるべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。 最後の8点目は、現在、妙高市内の妙高高原を初め、ロッテアライリゾートなどへ多くのインバウンドが訪れ盛況です。主にホワイトシーズンが中心ですが、妙高戸隠連山国立公園を契機に、グリーンシーズンへの誘客が見込める状況にあります。 しかし、多くは成田空港や羽田空港から北陸新幹線経由です。来訪者からは、重い荷物と何回もの乗り継ぎが大変であるとの感想をお聞きします。 最近、妙高市ではインバウンドの利便性向上などのため、市内へのLCCを主なターゲットとした空港整備構想が検討されています。現状では相当ハードルが高いと思いますが、この新空港構想に関する知事の所見をお伺いしまして、私の質問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 横尾議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、新年度予算案における手応えと特徴的な政策についてでありますが、平成31年度当初予算は、県民の安全・安心の確保や、活力やにぎわいの創出など、住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現に向けた取り組みを積極的に展開するとの観点から予算案を編成したところであり、その第一歩を踏み出す予算になったものと考えております。 具体的には、一段加速した防災・減災対策の推進、健康立県の実現、起業・創業の推進、交流人口の拡大については、特に力を注いでいきたい政策としてお示ししてきたところであり、重点的に取り組みを進めてまいりたいと思います。 また、本県にとって喫緊かつ最重要の課題である人口減少問題については、自然減・社会減にまたがる重要な課題である所得水準の向上と魅力ある多様な働く場の確保や、本県の暮らしやすさや魅力向上に向けた取り組みを初め、県政全体のあらゆる分野での政策を総動員して取り組んでまいりたいと思います。 次に、枠配分方式の評価についてでありますが、部局枠予算は、現場に身近な各部局長が、みずからの責任で最も効果的・効率的な財源配分を行えるようにするため、平成18年度から導入してまいりました。 これまで、部局枠予算という方式のもと、各部局において自主的に事業の見直しが進められ、施策の選択と集中が図られた面もありますが、平成21年度以降、対前年度と同額で予算編成してきたこともあり、事業の硬直化や部局枠予算の固定化も見られたところであります。 そのため、新年度予算編成では、厳しい財政状況も踏まえ、県全体で選択と集中をさらに徹底するため10%のマイナスシーリングを行い、その結果として、部局枠予算全体で、内部管理経費の縮減による事務の効率化やより効果的な事業への重点化が図られたものと考えております。 次に、県営産業団地等への企業誘致についてでありますが、議員御指摘のとおり、人口の社会減少の対策には、若者などが魅力を感じる多様な就労の場の創出が必要であり、そのためには、県営産業団地等への企業誘致にも積極的に取り組みたいと考えております。 県といたしましては、高度な技術を有する産業集積や整備された物流インフラ、首都圏と同時被災しない地理的特性など、本県の立地環境の優位性に関する情報を発信し、本県独自の支援制度を活用しながら誘致活動を展開していく考えであり、私自身ができるだけ機会を捉え、企業のトップや責任者に本県への投資を積極的に働きかけてまいります。 次に、少子化対策についてですが、議員御指摘のとおり、国もさまざまな政策により子供たちを産み育てやすい日本への転換を図ろうとしており、少子化に歯どめをかけ自然動態を改善していくためには、希望する人数の子供を安心して産み育てられる環境づくりが不可欠であると認識しております。 そのため、結婚、妊娠・出産、子育ての願いがかなえられるよう、それぞれのライフステージに合わせた切れ目ない支援を進めるとともに、子育てを社会全体で支える機運醸成と体制づくりに取り組んでまいります。 なお、具体の取り組みについては、福祉保健部長から答弁いたします。 次に、インフラ施設の維持管理、更新等についてですが、近年、自然災害が激甚化、頻発化の傾向にあることから、インフラ施設の機能が十分発揮されるよう、適切に維持管理等を行うことが求められています。 県といたしましては、災害から県民の命と暮らしを守るため、定期的な点検等により施設の健全度を把握するとともに、長寿命化に向けた計画的かつ効率的な維持管理や補修、更新を継続してまいります。 次に、防災・減災のハード対策の取り組みについてですが、事前対応として、人命被害・社会経済活動への深刻な被害を回避するための河川などの改修や、現状の施設能力を上回る事象が発生しても被害を最小化する対策、施設が持つ能力を十分に発揮させるための機能維持や局部的な改良などに取り組んでまいります。 また、事前復興として、人命の保護が最大限図られ、救助・救急、医療活動等を迅速に行える対策や、生活・経済活動を機能不全に陥らせない対策に取り組み、県民の命と暮らしを守る防災・減災対策を推進してまいりたいと考えております。 そのためには、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策など、国の補助金などを活用するとともに、さまざまな機会を捉えて国に対してさらなる支援を要望するなど、必要な財源の確保に努めてまいります。 次に、観光局の新たな体制による観光施策についてですが、観光局独立は、多様な地域資源を生かした交流人口の拡大に向け、魅力ある観光地づくりや外国人観光客の誘致等の取り組みを強力に推進するため行うものです。 これにより、産業政策における観光の位置づけを明確にするとともに、専属の部局長の配置による対外的なプロモーション活動の拡充に加え、庁内におけるマネジメント機能の強化による本県の観光施策の総合的な展開など、さまざまな効果が生まれるものと考えております。 新年度では、本県のアピールポイントを明確に発信するため、スノーリゾート新潟の重点的なPRや、東南アジアにおける誘致対象国の拡大に向けたプロモーションの強化を図るなど、インバウンド拡大に向けた施策を推進してまいります。 また、国内誘客においては、ことし秋のデスティネーションキャンペーンも契機としながら、キラーコンテンツの創出や首都圏などをターゲットとしたストーリー性のある観光情報の発信を強化するなど、本県観光のブランド化に向けた施策を拡充してまいります。 次に、インバウンド拡大に向けた戦略と他県との観光連携についてですが、議員御指摘のとおり、日本の原風景や日常生活は、都市部の居住者を中心として人気がありますので、今後も、本県の豊かな自然や雪国で育まれた文化などをPRしてまいりたいと考えております。 また、今後のインバウンドについては、2022年北京冬季オリンピックを控えた中国や、経済成長が著しい東南アジアをターゲットに見据えた戦略が重要と考えております。 そのため、来月、本県で開催する日中観光トップフォーラムにおいて、スノーリゾート新潟の魅力を中国大手旅行社にしっかりとアピールし、商品造成と送客を促進するとともに、スノーシーズンに特化したPR動画の作成や、中国版SNSを活用した情報発信など、官民一体により、重点的に展開してまいりたいと考えております。 さらに、東南アジアについては、新たにインドネシアなど4カ国における訪日旅行市場の調査・開拓などに取り組み、今後のインバウンド拡大につなげてまいりたいと考えております。 なお、他県との観光連携については、産業労働観光部長から答弁いたします。 次に、海外訪問の手応えや成果についてですが、知事就任以降、これまで長年にわたって交流を進めてきた韓国、中国や、経済成長著しい東南アジアなど5カ国を訪問し、それぞれの訪問目的に対して具体的な成果につなげていけるように取り組んでまいりました。 具体的には、現地政府関係者との意見交換を通じ、今後に向けて信頼関係を築き、交流を深めるための第一歩を踏み出すことができたことに加え、中国黒龍江省との共同プロジェクトの推進の方向性を確認したほか、提案のあったベトナム計画投資省内の新潟デスク設置については、来年度からの設置に向けて今定例会に予算案をお諮りしているところです。 また、航空路の増便や旅行者の増加、県産品の販路拡大に向けた関係者との協議などにより、ソウル線やハルビン線の増便、ベトナムとのチャーター便の運航等につなげることができたほか、手応えを感じた県産品の輸出拡大については、その成果を今後の取り組みに生かしてまいりたいと考えております。 国内市場の縮小が見込まれる中にあって、本県にとっても海外との人的、経済的交流は今後ますます重要性を増してくると考えており、今後もタイミングを失することのないよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、県産農産物の輸出拡大に向けた取り組みについてですが、国内市場が縮小傾向にある一方で、議員御指摘のとおり、東南アジアなどでは経済発展や日本食ブームを背景に、日本産農産物の需要が年々拡大していることから、今後、一層の販路拡大が期待できると考えております。 そのため、県といたしましては、本県産米の主要な市場である香港、シンガポール等でのさらなる需要拡大を図るため、情報発信や現地飲食店等とのマッチングに引き続き取り組んでいくとともに、東南アジアにおいて新潟米を初めとする県産農産物の認知度向上や、新たな販路開拓を進めるため、流通事業者と連携した総合的なプロモーションなどを展開してまいります。 次に、後継者不足対策についてお答えします。 まず、後継者不足の対策を検討する場についてですが、企業の経営者や技能者の後継者不足は、人口減少や少子高齢化も背景にあり、議員御指摘のとおり、一朝一夕には解決することが難しく、中長期的な観点から、より効果的な施策を積み重ねていくことが必要と考えております。 これまで、現場の人材確保の対策に当たっては、業種や産地などで課題が異なることから、それぞれの関係団体と情報交換をしながら、課題に応じた施策を講じてきております。 また、経営者の後継者確保については、市町村、商工団体、金融機関、士業団体で構成する事業承継ネットワークにおいて、課題と対応の方策の情報共有に努めているところです。 今後とも、議員御指摘の視点も踏まえ、業種団体、産地企業、市町村などとも知恵を出し合いながら、それぞれの課題に応じて、より効果的な施策を講じられるよう取り組んでまいりたいと思います。 次に、起業・創業の現状と今後の取り組みについてですが、雇用保険事業年報による本県の開業率は、直近の平成29年度が3.0%で全国46位と低い水準にあり、とりわけ開業数が廃業数を下回っていることは、地域の活力低下や雇用の喪失につながるものであることから、開業数をふやすことが県政における重要な課題であると認識しております。 そのため、県やNICOによる支援はもとより、金融機関や商工団体、市町村などの支援機関が参加するプラットホームと先輩経営者のネットワークが一体となって、起業意識の醸成から創業後のフォローアップまで一貫した支援を展開していきたいと考えております。そうした中で、資金調達、知識・ノウハウの不足、起業に対する不安といった起業の障壁の低減を図り、起業家が次々と生まれ育つ環境を整えてまいりたいと思います。 次に、スマート農業についてですが、AI、ICT等の先端技術を農業に活用することは、規模拡大が進む中での効率的な経営のほか、熟練農業者のノウハウをデータ化・自動化することで、初心者でも取り組みやすい農業の実現に寄与するものと考えております。 また、高齢化等が進む中山間地域においては、作業の省力化や安全性の向上なども進める必要があり、それらの課題解決も期待できるものと考えております。 県といたしましては、農業法人や民間企業などと連携し、スマート農業の実践に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。 また、5月開催のG20新潟農業大臣会合の視察で、先般来県された吉川農林水産大臣から、各国は日本のスマート農業に強い関心を持っていると伺っており、農業県である本県の取り組みを内外に情報発信してまいりたいと考えております。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、日欧EPAの県内に及ぼす影響についてですが、EUとの経済連携協定が機能を発揮し、自由な貿易が促進されていくことは、県内企業にとって輸出拡大の好機となり得ることから、海外展開に取り組む企業の裾野を拡大してまいりたいと考えております。 一方で、県内の農林水産物については、牛肉、豚肉等を中心に、輸入価格の低下による影響などが懸念されることから、国産市場の動向を注視していく必要があると考えております。 そのため、新年度予算案において、国が実施する国内対策を活用するとともに、にいがた和牛のブランド力強化や酪農の生産性向上のための支援策を講じるなど、畜産経営の基盤強化を図ってまいりたいと考えております。 次に、外国人労働者の受け入れ拡大に伴う、企業側と労働者側からの相談などへの対応についてですが、企業に対しては、労働局を初め関係機関と連携しながら、労働関係法令の周知徹底を図るとともに、外国人材受入サポートセンターにおいて、相談内容に応じ、制度に関する情報提供や適切な関係機関の紹介を行うなど、適正な受け入れの支援に努めてまいります。 また、今後、増加が見込まれる外国人が安心して生活できるよう、県としても積極的に取り組む必要があるため、多文化共生総合相談ワンストップセンターを設置し、外国人の生活相談等に多言語で対応してまいります。 なお、今後の相談内容等も踏まえ、双方の窓口の連携についても、検討してまいりたいと思います。 次に、キャッシュレス化の普及促進に向けた取り組みについてですが、議員御指摘のとおり、我が国は諸外国と比較してキャッシュレス決済の普及がおくれており、消費税率引き上げに伴うポイント還元や、外国人旅行客の増加に向け、クレジットカードやモバイル決済に対応していくことが重要です。 県といたしましては、昨年10月に庁内関係課によるキャッシュレス推進ワーキングチームを立ち上げ、関係者からの情報収集を行うとともに、市町村、商工観光団体等に対するセミナーを開催したところです。 引き続き、国、市町村及び関係機関と連携し、さまざまな機会を捉え、キャッシュレス決済のメリットや国の支援制度等について情報提供を行うなど、県内におけるキャッシュレス化の普及促進に努めてまいります。 次に、主要インフラの活用にかかわる所見等についてですが、本県は、早くから恵まれた交通インフラを有しておりましたが、議員御指摘のとおり、これまで、こうしたインフラを十分生かし切れているとは言えない面もあったと考えております。 今後、さらなる拠点性の向上に向けて、新幹線、道路、港湾、空港などインフラ相互の連携性も高めながら機能強化を図るとともに、利用拡大を図ることが必要であると考えております。 また、日本海縦貫高速交通体系の構築に向けた対応といたしましては、日本海沿岸東北自動車道の早期全線供用に向けて、用地先行取得への協力や関係県等と連携し国への要望などを行っているほか、羽越新幹線の整備計画の決定に必要となる調査の早期実施に向けて、国に要望するとともに、山形県等の関係県と連携した調査・検討などにも取り組んでいるところです。 今後とも、こうした取り組みを積極的に推進し、日本海縦貫高速交通体系の構築を図ってまいりたいと考えております。 次に、上越妙高駅から長岡駅までの高速化に向けた整備についてですが、金沢から新潟までの区間については、北陸新幹線長野-金沢間の開業に伴う鉄道網の再編により、上越妙高-長岡間には新たに特急「しらゆき」が運行することとなったものであり、「北越」の再開は難しい面もあると考えておりますが、糸魚川快速の再開など、優等列車の充実をJRへ要望しているところです。 また、上越妙高駅と長岡駅の間の高速化に向けた整備については、この区間を含む羽越新幹線の整備計画の決定に必要となる調査の早期実施に向けて、国への働きかけ等を行っているほか、上越・北陸新幹線と在来線の直通運転化についても、その実現可能性の検討を進めていくこととしております。 今後とも、沿線市等の意向も踏まえながら、議員御指摘の上越妙高駅と長岡駅間の優先的な整備も含め、さまざまな可能性を視野に入れて、国やJRへの働きかけ等を行ってまいりたいと考えております。 次に、妙高市における新空港構想についてですが、妙高高原等の著名な観光地の近傍に空港が立地することは、インバウンドの取り込みにも効果を発揮し、地域の活性化にもつながるものと思っております。 一方で、空港整備に係る国の基本方針においては、配置的側面からの整備は全国的に見れば概成し、離島を除き新設を抑制することや、航空輸送需要への対応は、既存空港の有効活用を基本とすることなどが明記されているところであります。 いずれにいたしましても、構想の具現化、具体化に向けては、地権者からの用地提供の同意取得や、就航する航空路線の確保、採算性のある需要見込みなども必要であり、議員の御認識のとおり、相当ハードルが高いものと考えております。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) お答えいたします。 少子化対策の具体の取り組みについてですが、大学生等の若い世代にみずからのライフデザインを考える機会を提供し、結婚や子育てと向き合うきっかけづくりを進めるほか、市町村や企業等による広域的な出会いの場の創出への支援や、にいがた出会いサポートセンターによるマッチングに取り組んでまいります。 また、市町村はもとより、地域で活動するNPOや事業者等とも課題を共有し、おのおのの取り組みを後押しすることで地域の子育て力を高めるとともに、新たに、幅広い世代で子育てを応援する機運が醸成されるよう働きかけを進めてまいります。 加えて、従業員の子育て支援に取り組む企業の一層の拡大に向け、関連する企業登録制度をハッピー・パートナー企業に一本化し、企業に対する優遇措置を拡充するなど、子育てしやすい職場環境の実現にも力を入れてまいります。   〔産業労働観光部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働観光部長(橋本一浩君) 3点についてお答えいたします。 他県との観光連携についてですが、現状の取り組みにつきましては、長野県との連携によるオーストラリアをターゲットとしたスキー観光のプロモーションを初め、北陸新幹線沿線県や東北6県、東京都などとの連携体制を構築し、主にタイや香港などをターゲットとした、広域周遊ルートの開発や情報発信などに取り組んでいるところです。 また、地域が取り組む他県との連携事業への支援につきましては、これまで、複数の県内市町村が一体となり、他県と連携して取り組むプロモーション活動に対して支援を行ってきたところです。 今後は、宿泊施設など民間事業者が県内市町村と他県との連携事業に参画し、海外旅行博に出展する際の支援を行うなど、官民一体による広域的な誘客活動を促進してまいりたいと考えております。 次に、後継者不足への対応等についてですが、県では、NICOに設置する事業引継ぎ支援センターを中心とした事業承継の推進のほか、企業情報の発信とU・Iターンの促進、能力開発や産地における技術・技能の伝承の支援に取り組むことにより、経営者、従業者の両面から後継者不足に対応してまいりました。 そうした中、昨年度は、事業引継ぎ支援センターでの相談件数が232件で、全国12位となる19件の事業承継が成立したほか、地場産業の技術・技能の承継への支援や、技能習得のための職業訓練の実施などにより、277人が県内のものづくり企業に就職したところであります。 今後、多様な主体がかかわりながら親族以外の第三者承継を一層進めるとともに、後継人材となり得る若年従業者の確保に力を入れていくことが必要と考えております。あわせて、イノベーションの推進や設備導入の支援などにより生産性を向上することも、人材不足に対応する重要な課題と考えております。 次に、AIやIoTなどの先進技術を学べる環境についてですが、データの利活用が進む時代の変化に対応して、より付加価値の高い産業構造に転換していくためには、議員御指摘のとおり、技術革新に対応できる人材の確保・育成が必要と考えております。 県といたしましては、工業技術総合研究所にAIやIoTに関連する機器を整備し、県内企業の活用に供するとともに、にいがた産業創造機構と連携し、高度IT人材の育成や試作開発に対する支援などを行っているところであり、引き続き、先進技術を学べる環境の整備に努めてまいります。   〔交通政策局長水口幸司君登壇〕 ◎交通政策局長(水口幸司君) お答えいたします。 高齢者等に対する移動手段確保の具体的な対策についてですが、県では、従来のバス路線維持のための支援に加え、今年度から、地域の実情に応じた新たな乗り合いタクシーコミュニティーバス等の導入に対する支援を始めたところであり、これまで4市町がデマンド型の乗り合いタクシー等を導入しております。 また、来年度は、複数市町村が新たに連携するバス運行や需要開拓のためのバス路線の延伸に対しても、先進地視察や専門家派遣、実証運行等の支援を行うこととしております。 今後も市町村や民間事業者と連携し、それぞれの地域にふさわしい移動手段の確保に取り組んでまいりたいと考えております。   〔教育長池田幸博君登壇〕
    ◎教育長(池田幸博君) 3点お答えいたします。 伝統文化の保存・継承についてですが、県では、歴史上または芸術上価値の高い文化財を保存・活用し継承するため、市町村と連携して調査を行い、所有者の理解を得ながら文化財指定を進めており、件数は10年間で32件増の375件となっております。 国・県指定文化財につきましては、巡視や保護団体などの活動状況調査に基づく文化財の現状把握、保存修理や伝承者養成等に対する補助、各種支援制度の周知など、保存・継承に必要な取り組みを支援してきたところです。 県といたしましては、引き続き指定による保存・継承を進めるとともに、ことし4月に施行される改正文化財保護法に基づき、地域と一体となって文化財の保存・活用を図る市町村の取り組みを支援してまいります。 次に、伝統文化の記録保存についてですが、議員御指摘のとおり、貴重な伝統文化が保存や継承が行われずに消滅することが危惧されることから、指定文化財については、指定に当たり、県や市町村において調査を行い、報告書などの作成をしてまいりました。 また、指定されたもの以外でも、県文化財保護条例などに基づき、無形民俗文化財などで後世に記録を残す必要のあるものを選択し、民俗芸能や風俗慣習など、これまでに県や市町村で35件の記録を作成し、刊行してきたところです。 県といたしましては、後世に記録を残す必要のある文化財については、市町村や保存団体と連携しながら、引き続き記録保存に努めてまいります。 次に、AIやIoTなどに対応するための教育についてですが、議員御指摘のとおり、AIやIoTなどが急速に進化する中、学校教育で情報や情報技術を主体的に活用する力を育成することは重要であると認識をしております。 県教育委員会といたしましては、科学の甲子園新潟県大会の拡充などにより、中高生の科学技術への関心・意欲を高めるとともに、論理的思考力を育むプログラミング教育を推進するための教員研修に取り組むほか、学校のICT環境の整備促進などにも努めてまいります。 また、市町村に対しましても、情報教育に関する実践例紹介や、教育の情報化に関する国の補助事業等の周知などにより、教育環境整備が進められるよう働きかけてまいります。 ○議長(沢野修君) 横尾幸秀君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午後0時4分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時 開議 ○副議長(岩村良一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、青柳正司君の発言を許します。青柳正司君。   〔青柳正司君登壇〕(拍手) ◆青柳正司君 自由民主党の青柳正司であります。通告に従い、順次質問いたしますので、よろしくお願いいたします。 昨年の9月定例会における私の一般質問の中で、洋上風力発電の導入への取り組みについて、知事にお伺いしたところ、知事は、風力発電の導入促進と県内産業振興に向けた機運醸成を図ってきたところであり、今後、洋上風力に対する受容性の向上などに向けた研究会の開催や、風力発電メンテナンス業務への参入支援等により風力発電の受け入れ体制の整備に取り組むとともに、発電事業者に対し、洋上風力発電の本県への立地を働きかけてまいりたいという前向きな御答弁をいただきました。 そこで、さらに一歩前進することに期待することから、お尋ねいたします。 県では、先月、洋上風力発電の導入の可能性や課題について関係者間で情報を共有する洋上風力発電情報連絡会議を開催しました。報道によると、知事は、この連絡会議からさらに一歩進んで、具体的な課題解決を目指す研究会を立ち上げる方針を示されたとのことですが、洋上風力発電に対する知事の期待についてお伺いいたします。 二酸化炭素を出さない脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一つとして考えられる水素の活用に関し、本県でも水素ステーションの設置に向けた取り組みを進めているとのことでありますが、資源を大切にする循環型の地域社会づくりの推進を加速させる取り組みの一つとして、廃プラスチック処理により水素を製造し、水素ステーション等に供給する取り組みが注目されています。 近年、中国が廃プラスチックの受け入れを規制したことなどを受け、昨年初めごろから国内での処理需要が急増したそうです。川崎市では、廃プラスチックを高温で分解して水素を製造し、パイプラインでホテルの燃料電池へ供給する実験も始まったとの報道もありました。 本県においては、廃棄物処理を手がける県内企業が、県内初となる燃料電池フォークリフト専用水素ステーションを設置し、運用を始めました。将来的には、自社の廃棄物発電施設の余剰電力を活用して水素を製造し、社外向けにも提供するとのことですが、採算に見合うだけの需要を確保できるかどうかが課題と考えます。 水素社会の実現に向けて、こうした民間企業の先進的な取り組みを県から後押ししてもらいたいと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 知事は、洋上風力発電や太陽光発電等の取り組みに強い思いをお持ちなのだと私は勝手ながら感じております。本県が、自然エネルギー、再生可能エネルギー、またはメタンハイドレート等の本県資源の有効活用を強力に推進しようとの姿勢に強く賛同し、その思いを改めてお伺いしたく、お尋ねいたします。 県は、今月、離島での再生可能エネルギー導入促進に取り組む自然エネルギーの島構想を公表しました。東北電力などと協力して、再生可能エネルギー関連のさまざまな試みを進めるとのことでありますが、こうした取り組みによりエネルギーの地産地消を進めることで、佐渡や粟島のイメージが向上し、交流人口の増加にもつながるのではないかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 私は、かつて一般質問で、小中学校の屋上に太陽光発電設備を設置したい企業等に貸与する取り組みについてお尋ねしたことがありました。学校等の公共施設の屋上利活用は、もったいない精神と再生可能エネルギー活用の推進が重要と思ったからであります。 文部科学省も、そのことに注目したのだと思いますが、全国の公立小中学校での太陽光発電設備について調査したとの報道がありました。 文部科学省の調査によると、太陽光発電設備がある公立小中学校は、昨年5月1日時点で全体の31%に当たる9,022校に上り、調査を始めた平成21年度から7倍以上に増加しています。 地球温暖化対策の推進や、災害時における空調利用の観点からも、積極的に取り組む必要があると考えますが、本県の公立小中学校における設置率をお伺いするとともに、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 下水処理場から発生するメタンガスや処理水の熱利用等に関して、私は一般質問の中で、またかと思われるほどに繰り返してお尋ねしておりますが、このたびは、下水管内部の下水熱の利活用についてお尋ねいたします。 今冬、新潟市は昨冬と違い少雪で、雪による大きな支障は少ないようでありますが、車道の融雪対策は今後においても重要な課題でもあり、また、下水熱の利活用の点からも有効とされる取り組みが紹介されていました。地中の下水管内部に入れた管に不凍液を流して熱を取り込み、管を張りめぐらせる舗装下の放熱パネルまで循環させて融雪を行う仕組みであります。 このように下水熱を車道融雪に活用する実証実験が、国土交通省の支援を受け、新潟市と十日町市で行われています。特に、新潟市の実証実験は、ヒートポンプを用いない車道融雪として全国初の試みで、電気代などの運用費や設備費の抑制が見込めることから、注目すべき取り組みであると考えますが、知事の所見をお伺いするとともに、県として今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 農業経営者や農業従事者の所得向上を図るため、国を初め、本県の農業施策の充実強化に向けた取り組みは、既存農業者等はもとより、今後、農業参入に期待が寄せられる若者等にも大きな影響があることから、重要であります。米価の下落を防ぐことにつながる生産調整等の役割や、米の輸出拡大もその大きな施策目標となりますが、一方、米の消費拡大に向けて、多面的な使い方の取り組みが行われていることも理解、認識しているところであります。 農林水産省では、米粉用米の安定確保を図るため、JA等の生産者側と製粉企業等の実需者側が出席する情報交換会を先月開催しました。会議では、米粉用米は、国の補助金があっても主食用米に比べ安価で農家が取り組みにくいため、生産をさらに促す仕組みづくりが必要との意見が出されたとのことですが、全国シェアトップの本県として、こうした現状をどう受けとめ、今後どのように対応していくのか、お伺いいたします。 本県では、農業分野における障害者の福祉的就労の機会の創出・拡大により、障害福祉サービス事業所で働く障害者の工賃向上を図るため、農家等と障害福祉サービス事業の間に入り、農業の受注開拓や調整、作業支援を行う農作業受託サポーターを配置する事業を実施しております。本県での福祉事業所等や農業生産法人等が取り組みに効果を上げられていることも伺っておりますが、今後ますますこの事業の推進等を通して農福連携が充実拡大していくことに期待しております。 農林水産省では、障害者が農作業に携わったことを証明する新たな規格、ノウフクJASを設けることとし、早ければ本年6月にも認証事業を始めるとの報道がありました。 農福連携をさらに促進する有意義な取り組みであることから、県でも、農業関係者に対し、認証取得の支援を検討すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 本県の森林経営は依然として厳しい環境下に置かれていることは、周知のとおりであります。農林水産業就業者の高齢化や担い手不足の問題は共通課題でありますが、中山間地域での林業経営は、その作業実態を初め、境界問題等も含め課題が山積し、林業経営者の努力だけでは限界があるのではとの思いから、お尋ねいたします。 本年4月から、新たな森林経営管理制度が始まり、そのための財源として、森林環境譲与税が市町村を中心に譲与されます。本制度は、適切な経営管理が行われていない森林を、意欲と能力のある林業経営者に集積するとともに、それができない森林の経営管理を市町村から担ってもらうものでありますが、市町村における課題をお伺いするとともに、県としてどう対応していくのか、お伺いいたします。 県産木材の供給及び利用の促進は、本県にとりましても重要な課題であります。県産ブランド杉関連の問題で県産材のイメージ低下に懸念が生じているのは私だけではないと思います。私は、建築にかかわってきた者として、よく聞く業界の話の中で、地域で育った材は地域の気候状況に沿っているので、地域産のよさが発揮されるものだとの説がありました。そうした思いから、地場産の県産材の供給及び利用の推進に知事の強いリーダーシップを求めたい立場でお尋ねいたします。 昨年12月定例会で議員提案により成立した新潟県県産木材の供給及び利用の推進に関する条例には、県は、県産木材に対する需要の増進に資するため、みずから率先してその整備する建築物等における県産木材の利用に努めなければならないとの規定があります。 木材需要の拡大と林業の活性化に向け、県が率先して木材を利用することは重要と考えますが、利用拡大に向けた知事の決意をお伺いいたします。 東日本大震災では、未曽有の人命が失われた中、インフラ整備等や自然環境にも大きな被害が生じたことは、周知のとおりであります。田畑を初め、水産資源においても多大な損失により、水産関係者には大きなダメージがあったことは想像の域を超えているものと思われます。 一方、震災後数年を経過した中、海中には徐々に自然の復活がなされているとの報道もありました。川上である山からの恩恵と考えられる、豊かなミネラル等が海中の環境に大きな役割があることが証明されたようでもあります。川上から川中、川下の関係は大切であって、今後もその理解、認識を活用することは、まさに農林水産業は関連産業として発展するとの思いから、お尋ねいたします。 宮城県漁業協同組合が、養殖ギンザケにJA全農みやぎが提供する米を使った飼料を与え、ブランド化しているとの報道がありました。 こうした漁業と農業の連携は、付加価値の高い商品の開発や、新たな販売ルートの開拓にもつながり、双方にメリットが生じることから、積極的に推進すべきと考えますが、本県における現状と、今後の取り組みについてお尋ねいたします。 新潟港開港150周年を迎え、さまざまな記念事業等が本年開催予定とされております。花角知事は、こうした機会の中で、新潟市の中原市長と、新潟港の役割の重要性について、防災や物流の拠点を初め、観光施策など、さまざまな視点や角度からの意見交換を通じて、知事の思い描く新潟港の将来的構想と中原市長の構想の接点に関して、再確認等がなされたと思います。 この開港150周年を機に、新潟港の発展は本県、新潟市の発展に大きな影響があると思われるところから、お尋ねいたします。 新潟港は、本年1月に開港150周年を迎えましたが、港湾管理者である県と地元新潟市は、これまで以上に力を合わせて取り組んでいく必要があると考えます。 昨年来、知事と中原市長が意見交換する機会もあったと思いますが、知事は、今後、新潟港の活性化に向けて、新潟市とどのような連携を進めていこうと考えておられるのか、所見をお伺いいたします。 港は、国を初め、各県にとりまして重要な拠点であることは論をまたないわけでありますが、新潟西港の発展は港町新潟に重要でありますとともに、新潟東港は世界に通ずる物流拠点港として、ますますその存在価値が高まっていくものと考えております。 特に新潟東港のオン・ドック・レール構想は、まさに、北東アジアを含め、将来的には北アメリカ大陸との物流拠点としての役割を担う重要港としてのポテンシャルを所有していると思います。この構想については、さまざまな課題があることは認識をしているところでありますが、非常に重要な取り組みであることから、お尋ねいたします。 新潟東港のオン・ドック・レール構想は、トラック運転手の不足やCO2削減の観点からも有効であり、何よりも新潟東港の活性化に向けてインパクトのある施策と考えますが、JR貨物との協議や、貨物の掘り起こし状況についてお伺いいたします。 新潟空港は、利用者を増加させるべく、来年度の予算案の中で駐車場の無料化実験の取り組みが計上されております。新潟空港の拠点性の向上は、新潟の位置、すなわち地政学的にも重要な課題であると思われますことから、お尋ねいたします。 新潟空港沖の土砂処分場の整備で生まれる土地を活用して、新潟空港を沖合展開すれば、新潟空港周辺の騒音対策や、住民の安全・安心面での不安の解消に資するものと考えます。 このため、国に対して、土砂処分場の整備促進と、新潟空港の沖合展開用地としての有効活用の検討を働きかけるべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 人口減少問題対策の取り組みの一つとして、若者の県内定着とU・Iターンの促進の取り組みは重要でありますが、移住者の受け入れ体制支援等の充実強化は、全国的にも競争的に打ち出されています。他県との比較だけに議論を重ねるだけでなく、やはり思い切った施策の取り組みが重要との思いから、お尋ねいたします。 京都府では、条例に基づき、移住者を受け入れて地域活性化につなげる集落などを移住促進特別区域に指定し、移住者に対する不動産取得税の軽減や、空き家の改修費助成等の支援を行っています。指定された地域では、指定前と比べて移住者が約2倍に拡大しており、本県でも同様な取り組みを検討してはどうかと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 知事は、住んでよし、訪れてよしの新潟県を基本理念としておりますが、人間誰しも、健康で長生きをして、幸せに暮らしたいと思うものであります。まさに健康第一は何事にもまさるものであり、そのため、健康保持につながる取り組みは、本県が住んでよしの新潟県となるための施策として重要と思います。 しかし、本県の健康度を見てみますと、残念ながら、依然として、寒い地方の食生活との関連性が懸念されていることの一つに挙げられている、胃がんの罹患の割合が高いことが指摘されています。近年、医療の発達により胃がん患者の治癒率は向上しているとはいえ、やはり恐ろしい病気と感じる人は多いと実感しております。そこで、お尋ねいたします。 胃がんの人口10万人当たりの罹患率は、本県が全国トップとのデータが先月公表されましたが、このことについて知事の所見をお伺いいたします。 また、県ではこれまで、にいがた減塩ルネサンス運動を展開してきており、県内市町村においても減塩を促す取り組みが広がってきていますが、今後、健康立県を目指す上で、胃がん予防にどのように取り組んでいくのか、あわせてお伺いいたします。 子育て支援の充実強化は重要であります。子供を産み育てやすい環境の整備には、本県も本気を出して取り組みがなされておりますが、女性の働きやすい環境や男性の育児休業取得促進事業等も有効な施策と思います。 一方、やはりそのためには、保育環境の整備が重要であり、国も本腰を入れ始めました。思い切った子育て支援施策として、幼児教育・保育の無償化を始める予定でありますが、吉報と受けとめる一方、懸念が生じたことも事実であり、全国の自治体調査においても不安視する結果が出たとの報道がありました。 政府は、今月、幼児教育・保育を無償化する子ども・子育て支援法改正案を閣議決定しました。ことし10月以降、保育料が無償化されれば、保育園等を利用する家庭が増加し、待機児童の増加が懸念されますが、県では無償化による影響をどう捉え、どのような対策を講じていくのか、お伺いいたします。 知事は、活力のある新潟を目指す施策の一つとして、起業・創業などに挑戦する人を積極的に支援することを重点施策として打ち出されました。若者たちが県内で夢に向かって力強く立ち上がることができる環境整備は重要であります。 一方、本県産業は、経営規模が小さく、十分な付加価値や利益が得にくい産業構造になっております。県の産業育成策は、中小企業を支える補助制度が中心で、予算や制度上の制約も多いところから、一歩踏み出して頑張る企業を押し上げる役割を担ってきたにいがた産業創造機構、NICOの役割は今後ますます重要になってくるものと思います。そこで、お尋ねいたします。 NICOの設立から15年が経過し、企業に寄り添う伴走型支援や、産学連携の推進等により、これまで15万件以上企業から利用してもらうなど成果を上げてきましたが、最近は、発足時の進取の精神が失われつつあるとの声や、企業の現場に頻繁に足を運ぶ熱心な職員が減ったとの声も漏れてくるとの報道がありました。 NICOの理事長でもある知事は、こうした課題に対して、今後どのように対応していくのか、お伺いいたします。 群馬県長野原の八ツ場ダムに多くの観光客が集まっているそうです。ここ数年間、観光客は約16万人とのことで、建設をめぐってかつて対立した当時のどこかの政権による国政から変わって、国と、現政権と地元が協力し、観光地化に取り組んできた成果があらわれてきたようです。 こうした例を初め、全国的に、ダムなどのインフラを地域の観光資源とするインフラツーリズムの振興に力を入れている中で、国土交通省では、その活用を促し、ツアーを拡大させるための方法を議論する有識者懇談会を昨年11月に設置したそうです。 知事は、防災・減災対策を来年度予算の中で一丁目一番地と表明されていますが、防災・減災の役割だけでなく、観光振興や交流人口の増加にも寄与することを含め、意義深いインフラツーリズムについてお尋ねいたします。 巨大な建造物を解説つきで見学できるインフラツーリズムが全国的に人気を集めています。ダムや河川の堤防等の大規模な土木施設や工事現場を見学する企画は、観光の振興に寄与するだけでなく、公共事業の効果・必要性への理解を深めるとともに、防災意識の啓発にもつながるものであることから、本県でも一層推進すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 東京電力福島第一原発事故の影響で発生した放射性セシウムを含む大量の浄水汚泥が県内で保管され続けている問題をめぐり、県から全量の引き取り要請を受けていた東京電力が、直接的な引き取りは困難と判断したとの回答を受け、知事が先頭に立ち、早期の処分をとして、地域環境の整備に力強い姿勢を示してくれました。北区在住の一人として、頼もしく、また、ありがたく、敬意を表したいと思います。そこで、お尋ねいたします。 放射性物質を含む汚泥に関し、その処理費用が新年度当初予算案に計上されていますが、早期の処理に向けた課題についてお伺いします。 加えて、放射性物質を含む汚泥の保管場所は、新潟東港物流団地の敷地であり、処理完了後、速やかに民間企業へ売却できるよう、早期に誘致活動を開始すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 小中学校は、地域の中心的、中核となる施設であったとの認識は論をまたないと思います。とりわけ中山間地域では、子供たちとともに地域住民一体となって、運動会を初め、さまざまな行事を共有して、地域コミュニティーの深まりに大きく貢献してきたことと思います。 しかし、各地において、急速な少子化に伴って統廃合が進められており、地域の活性化において重要な問題と捉えますことから、お伺いいたします。 少子化の進行による児童数の減少を背景に、小中学校の統廃合が進んでおり、地域においては、廃校を活用して地域活性化につなげようと知恵を絞っております。県としても、関係部局が連携して、市町村等の取り組みを支援すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 地球温暖化の影響なのかどうかでありますが、昨今の夏の異常高温は、高齢者を初め、子供たちでも体調に支障が生じるおそれがあるものと思います。このことを受け、政府は今年度、公立の小中学校へのエアコンの設置を急ぐ方針を固め、今国会の補正予算に計上、成立しました。子供たちはもちろん、保護者もほっとしたのではと思います。 一方、近年の災害が続く中、災害時には避難所としての利用も想定される体育館へのエアコン設置についてお尋ねいたします。 国においては、児童生徒の熱中症対策として、全国の公立小中学校へのエアコン整備を推進していますが、普通教室への整備が優先され、体育館への設置はなかなか進まないのではないかと考えます。 体育館は、体育の授業だけでなく、部活動や全校集会等でも利用されること、さらに災害時には避難所としての利用も考えられることから、公立小中学校の普通教室への整備後は、体育館への整備を進める必要があると考えますが、県としてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 以上で私の一般質問は終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 青柳議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、洋上風力発電に対する期待についてでありますが、本県経済がさらに飛躍していく上で、エネルギーは重要なテーマですが、本県では太陽光発電が伸び悩み、再生可能エネルギー全体の導入量は、全国下位にとどまっております。 その中で、本県沖に一定のポテンシャルを有することが確認された洋上風力発電は、導入促進が期待される再生可能エネルギーであると考えております。 洋上風力発電の導入には、漁業や環境への影響等の課題があり、地元の合意形成が不可欠でありますが、そのため、今後、課題を具体的に検討する研究会を設置し、洋上風力発電と環境保全等が両立可能な候補地を絞り込むとともに、再エネ海域利用法に規定されている洋上風力発電の促進区域の指定を目指してまいりたいと考えております。 次に、廃棄物発電施設を活用した水素製造の取り組みに対する支援についてでありますが、廃棄物発電施設の余剰電力を活用して水素を製造する取り組みについては、水素の利活用はもとより、省エネや地球温暖化防止などを促進する観点からも意義あることと考えております。 今後とも、こうした取り組みが進むよう、県といたしましても先進的な取り組み事例の発信や、国・県の補助事業の情報提供等により、事業者の取り組みを支援してまいります。 加えて、今後行う水素サプライチェーン構想策定などにおいて、水素のさまざまな利活用方策を検討してまいりたいと考えております。 次に、自然エネルギーの島構想についてですが、この構想は、離島の環境負荷の低減とエネルギー供給源の多様化を図ることを目的としております。 その目的の実現に向け、再生可能エネルギーの導入促進に取り組むことにより、産業振興や生活環境の向上を図るとともに、議員御指摘のとおり、佐渡や粟島のイメージが向上し、交流人口が増加することで、離島振興にもつながることを期待しております。 次に、下水熱の利活用の取り組みについてですが、議員御指摘のとおり、新潟市における下水熱を活用した車道融雪の実証実験は、積雪地である本県にとって、注目すべき取り組みであると考えており、その効果などについて情報の収集に努めてまいります。 なお、本県の下水熱の利活用については、既に西川浄化センターで産学官が連携し、植物栽培技術の実証実験を行っており、今後とも、下水道から発生する未利用資源・エネルギーの利活用の取り組みを進めてまいります。 次に、農林水産施策についてお答えいたします。 まず、農福連携についてですが、農福連携は、障害者の方々が地域に根差した農業での活躍を通じて、地域社会に参画していく重要な取り組みであると考えております。 新たなノウフクJAS規格は、認証を受けた食品を通して、農福連携の趣旨や農業者の経営理念が、広く認知される有意義なものと考えております。 県といたしましては、農業者への制度の周知に努めるとともに、制度の運用開始後は、認証を受けた食品と生産する農業者を広く県民の皆様にお知らせする取り組みを検討してまいりたいと考えております。 次に、県における木材利用についてですが、議員御指摘のとおり、県産木材に対する需要の増進に向け、県が率先して県産木材を利用することは重要であると考えております。 このため、木造の構造を取り入れやすい低層の県施設を中心に県産木材を積極的に活用するとともに、新たな需要開拓の観点から、新技術であるCLT工法の導入にも率先して取り組んでいるところです。 今後も、本県の林業の活性化のため、新たに制定された条例の趣旨を踏まえ、県が率先して県産木材の利用を推進してまいります。 次に、港湾・空港関連施策についてお答えします。 まず、新潟港の活性化に向けた新潟市との連携についてですが、現在、県と新潟市の交通・観光部門の部局長クラス及び実務担当者レベルで定期的に会議等を開催し、その中で、新潟港の活性化に向けた課題の共有や連携した取り組みを検討するとともに、外貿コンテナ貨物の集貨やクルーズ船の誘致にかかわるポートセールス活動を、県市一体となって展開しております。 また、中心市街地に近接した、新潟西港万代島地区のさらなるにぎわい創出を図るため、新潟市と協働で将来ビジョンの策定を進めているところであります。 今後とも、新潟港のさらなる活性化を図るため、こうした取り組みを効果的・効率的に進めるなど、新潟市との連携をより一層強化してまいります。 次に、新潟空港沖の土砂処分場の整備等に係る国への働きかけについてですが、当該処分場は、新潟西港における航行安全のために行うしゅんせつで発生する土砂を、適切に処分するためのものであって、国の直轄事業により整備が行われています。 県といたしましては、現在使用している既存の処分場が近々満杯になることから、新たな処分先として整備が必要と考えており、これからも機会を捉え、計画的な事業の実施を国に要望してまいります。 また、土砂投入完了後に出現する土地を活用した空港の沖合展開は、議員御指摘のとおり、空港周辺の環境問題の解決等にも資することから、これまでも国に要望してまいりましたが、引き続き、国へ働きかけてまいります。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、移住促進特別区域指定の取り組みについてですが、京都府では移住支援策として、特別区域を指定し、本県では実施していない税負担の軽減や住宅新築への補助を行っていますが、議員御指摘の約2倍に拡大した移住者には京都府内の移動も含まれていることから、こうした取り組みを本県が行った場合に県全体の人口減少対策として有効かどうかは、さまざまなケースも想定しながら見きわめていく必要があると考えています。 いずれにいたしましても、御指摘の事例について、本県における地域の実情や既存施策を踏まえ、研究してみたいと考えております。 次に、胃がん予防についてですが、本県の胃がんの罹患率が全国トップであることは深刻な課題であり、今後とも対策が必要なものと認識しております。 胃がんの罹患率が高い一因として、塩分の多い食生活が挙げられており、これまで、にいがた減塩ルネサンス運動の取り組みを進めてまいりました。また、議員御指摘のとおり、各市町村においても減塩を促すさまざまな取り組みが広がってきているところです。 県といたしましては、健康立県の実現を目指し、今後も引き続き減塩も含めた生活習慣改善に取り組むとともに、早期発見、早期治療によるがん死亡者の減少のため、がん検診受診率の一層の向上を図るなど、胃がん対策に取り組んでまいります。 次に、NICOの課題と対応についてですが、NICOは、これまで延べ15万件を超える企業から御利用いただき、外部有識者で構成するNICO業績評価委員会において、各期で順調との評価をいただいております。 他方、業績評価委員会では、支援した数字にとどまらず、具体的な成功例に結びつけることを求める意見などをいただいております。これとあわせて、御指摘の報道記事の御意見でも、NICOが企業の成長に貢献できるための課題について、御示唆をいただいたものと受けとめております。 今後、NICOにおいて、組織内の人材育成に力を入れるとともに、外部の人的資源も取り入れながら、企業ニーズに機動的かつ的確に応えられるよう、機能の充実を図ることが重要であると考えています。県といたしましても、NICOがその役割を果たせるようバックアップしてまいります。 次に、インフラツーリズムについてですが、県では、観光の振興のみならず、公共事業の重要性や必要性を理解してもらうための現地見学会等をこれまでも実施しており、大地の芸術祭の作品として、形状が個性的な砂防ダムをPRする取り組みや、新潟市内を水害から守る排水機場を、周辺のまち歩きコースとあわせて紹介する取り組みなどを行っているところです。 今後とも、さまざまな手法で多くの方々から、防災などに資するインフラ施設の役割について御理解いただくよう努めてまいります。 次に、新潟東港物流団地の企業の誘致活動についてですが、当団地は、新潟東港に近く、新新バイパスに直結するなど、すぐれた立地環境にあることから、議員御指摘のとおり、汚泥処理完了後、速やかに民間企業へ売却できるよう、誘致活動に取り組んでまいります。 そのため、立地可能性のある企業の動向把握に努めるとともに、当該企業に対して、立地環境や支援制度等に加え、汚泥処理の進捗状況など、企業の立地計画の検討に必要な情報をタイムリーに提供するなど、誘致に努めてまいります。 次に、小中学校の廃校活用に向けた県の支援についてですが、小中学校は、地域住民にとって身近な公共施設であることから、廃校後も、地域活性化にもつながる有効活用が期待されます。 廃校舎の利活用に当たっては、市町村や地域住民が主体となって、地域の実情を踏まえた検討を進めることが望まれますが、県といたしましても、これを後押しするため、地域振興局のサポートチームによる地域づくりの支援とあわせて、参考となる先進事例の紹介、活用できる補助・支援制度の周知などを関係部局が連携して行い、市町村等の創意工夫を生かした取り組みを支援してまいりたいと考えております。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) お答えいたします。 幼児教育・保育の無償化に伴う影響と対策についてですが、無償化の具体的な制度設計は国において現在も進められており、現時点でその影響を見きわめることは困難であります。 制度の実施主体である市町村からは、無償化に伴う保育需要拡大への影響を見据え、人材の確保などに対する財政措置を国に求める意見が表明されていると承知しております。 県といたしましては、人材の確保を初めとした保育の量的拡充に加え、質の高い保育の実施に向けた取り組みへの一層の財政措置を講ずるよう、国に要望してきたところです。 今後とも国の動向を注視しながら、無償化による影響を見きわめるとともに、市町村や関係団体と連携しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) 3点についてお答えいたします。 米粉用米の生産拡大についてですが、県産米粉用米へのニーズが拡大している中で、主食用米に比べ収入面で米粉用米のインセンティブが弱いことから、需要と供給のミスマッチが生じていると認識しております。 県といたしましては、多収性品種による複数年契約の取り組みを産地交付金で新たに支援するなど、米粉用米への支援を強化することにより、生産拡大と県内米粉関連企業への安定供給を推進してまいりたいと考えております。 また、31年産に向けては、企業の需要調査を行い、産地への情報提供や企業と産地のマッチングに取り組んでいるところです。 次に、新たな森林経営管理制度に関する市町村における課題と県の対応についてですが、市町村においては、森林・林業部門の専門職員が不足し、実施体制の強化が喫緊の課題であると認識しております。 このため、県に譲与される森林環境譲与税を活用し、市町村職員の資質向上に向けた研修会の開催や専門知識を有するアドバイザーを派遣するなど、重点的に支援してまいりたいと考えております。 今後も継続して、市町村と情報共有や意見交換等を行いながら、市町村においてこの制度が円滑に実施され、森林の公益的機能の発揮につながる森林整備が進むよう、効果的な支援に取り組んでまいります。 次に、漁業と農業の連携についてですが、本県では、養殖適地が限られ規模も小さいため、議員御指摘のような農産物を餌として利用する事例は承知しておりませんが、漁業と農業の連携を視点とした取り組みは重要であると考えております。 これまでも、水産海洋研究所が開発した、こうじと県産水産物を用いた魚しょうゆの製造技術は、海洋高校の最後の一滴を初めとした多くの商品で実用化され、販売されております。 また、平成29年度に、水産海洋研究所の加工課業務の一部を食品研究センターに移管し、農産物と水産物を融合させた新たな技術開発と実用化に取り組んでいるところです。 今後も両分野の連携強化を図り、付加価値の高い商品の開発や新たな販路開拓につなげてまいりたいと考えております。   〔交通政策局長水口幸司君登壇〕 ◎交通政策局長(水口幸司君) お答えいたします。 新潟東港のオン・ドック・レールについてですが、議員御指摘のとおり、本事業は、新潟東港の機能強化、リダンダンシーの確保に加えて、トラック運転手不足への対応やCO2削減の観点からも有効と認識しております。 しかしながら、トラック運賃と鉄道運賃の価格差などにより、鉄道運行委託が想定されるJR貨物の収支のめどが立つための十分な貨物量の確保が見通せていない状態であります。 このため、ポートセールス活動として、荷主等を訪問する際の情報交換や、鉄道輸送に関心を持つ可能性のある荷主へのヒアリング等を実施するとともに、JR貨物などの関係機関と実務者レベルで、必要な設備や運営スキーム、課題等について検討を行っております。 今後とも、関係機関と連携し、貨物の掘り起こしや事業化に向けた調整に努めてまいります。   〔企業局長稲荷善之君登壇〕 ◎企業局長(稲荷善之君) お答えいたします。 放射性物質を含む汚泥の早期処理に向けた課題についてですが、膨大な量の汚泥を処理しなければならない一方、委託業者の処理容量にも限界があると聞いていることから、現時点で完了時期を見通すことは難しいという課題があります。 まずは早急に処理開始できるよう、予算成立後速やかに一般競争入札の手続を行ってまいります。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) 2点お答えいたします。 公立小中学校における太陽光発電設備設置についてですが、本県の設置率は、平成30年5月1日時点で14.5%となっており、全国平均を下回っていますが、これは、積雪対策による割高な整備費や、日照時間が少ないイメージが先行していることが要因ではないかと考えております。 一方、公立小中学校の太陽光発電設備設置については、議員御指摘のとおり地球温暖化対策の推進や、防災・減災等の観点からは有効であり、国においても補助事業を設けているところです。 県といたしましては、本県初め積雪地域における太陽光発電の導入事例や、活用可能な補助事業等に係る情報をきめ細かく提供するなど、市町村が取り組みやすいよう、支援してまいりたいと考えております。 次に、公立小中学校体育館へのエアコン設置についてですが、現在、体育館のエアコン整備については、多額の設置費や維持管理費などが見込まれることから、県内では、武道場に設置した数例にとどまっています。 体育館のエアコン整備も含め、学校の教育環境改善については、議員御指摘の災害時の避難所として活用するための観点など、さまざまな面から検討し、優先度を踏まえ、市町村において判断されるものと考えております。 県といたしましては、エアコンを初めとした教育環境の整備について、引き続き、市町村に対し補助制度等の情報提供を行うとともに、国に対し十分な予算確保や補助制度の拡充等を働きかけてまいります。   〔青柳正司君登壇〕 ◆青柳正司君 1点ほど再質問させていただきます。 オン・ドック・レールの関係なのですが、大体答弁はそうだろうと思っていたのですけれども。せっかく交通政策局が、もう大分たつと思いますけれども、いい構想をして、取り組んでいることはよくわかるのです。熱意を持って、また、JR貨物等といろいろ協議もされていると思いますが、やはりもう少し。せっかくいい構想にかけるのであれば、年数は言えないかもしれませんけれども、具体的にこうだとか、今、言葉に出ませんけれども、気持ちを強く、強いといいますか、思いを答弁に込めていただければ。今の答弁ですと、今までのままであるということで、私もそれは承知しているのですけれども。あと何年とか、何年とは言えなくとも、もう少し強い答弁が欲しかったなという思いなのですけれども。ありましたら、よろしくお願いいたします。   〔交通政策局長水口幸司君登壇〕 ◎交通政策局長(水口幸司君) 再質問にお答えいたします。 議員御指摘のオン・ドック・レールでございますけれども、我々といたしましても、やはりコンテナの貨物の効率的な物流と、あと陸上輸送の連結という意味では、非常に新潟港にとっても大事なプロジェクトだと認識しております。 我々といたしましても貨物の掘り起こしに、今、精いっぱい努力しているところでございますけれども、やはりその見通しができない中で、我々としてはその見通しが立った段階で速やかに事業化が図れるように、そういった事業化の課題についても、今、並行して関係者と調整しているところでございますので、今後とも引き続き、そういった取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(岩村良一君) 青柳正司君の質問は終わりました。 次に、笠原義宗君の発言を許します。笠原義宗君。   〔笠原義宗君登壇〕(拍手) ◆笠原義宗君 自由民主党の笠原義宗でございます。順次質問させていただきます。 今議会は、花角知事就任以降初めての予算編成となります。この8カ月間でも、知事のリーダーシップや政治決断によって、停滞していた県政が動き始めたことを感じています。低レベルの放射能汚泥の処理や、稲作から園芸への大幅な政策転換、一段加速した防災・減災、観光局の設立など、時代を捉えた知事の政治決断に敬意を表するところでありますし、私も応援をさせていただきます。 また、今回、財政運営計画に当たっては、2021年度に基金が枯渇し、起債許可団体への移行基準に近づいていて財政的には苦しい状況であることが示されました。知事も苦しいところであると思いますが、よいものは伸ばすため予算措置をすべきと考えますし、また、時代に合わせ、悪い部分は今後改善、淘汰していかなければなりませんが、今予算においては、未来の元気な新潟県のために、決断すべきところは決断することが重要と考えますので、31年度予算は高く評価をいたします。 行政は、時代の変化に合わせてさまざまな課題に対応するため、県民ニーズに合わせる必要がありますが、職員数と財源に限りがあるため、減らす部分も必要であると考えます。県には、民間ではやりにくい高度医療や僻地医療などの県立病院や、佐渡汽船などの県出資法人があり、県の役割も理解できますが、なるべく民間でできることは民間に変えていく必要もあると思います。 現状の財政や今後の人口減少を見据えれば、県行政全般でのスクラップ・アンド・ビルドの必要性があると思いますが、特にどの分野においてスクラップの余地があると考えているのか、所見を伺います。 知事は、年頭の挨拶で、住んでよし、訪れてよしの新潟を目指すため、発想は大胆かつ柔軟に、実行は緻密に、そして失敗を恐れずに、やるときはやるという心構えで仕事に取り組んでいただきたいと述べたとお聞きをいたしました。職員の皆さんは、よし、頑張ろうと感じたのではないかと思います。 少し違いますが、京セラの創業やJALの経営改善で有名な稲盛和夫氏は、仕事の結果イコール考え方掛ける能力掛ける熱意と言われていて、その考え方がマイナスであれば大きなマイナスになり、プラスになれば大きなプラスになると言われています。県職員の皆さんも、ぜひプラスの考え方で、県のために仕事をしていただきたいと思います。 知事が官僚として経験されてきたことを踏まえて挨拶に込めた思いを伺うとともに、その思いを平成31年度予算にどのように反映させたのかを伺います。 本県の人口の社会減少は昨年6,900人と深刻な状況であり、28市町村が減少しています。 特に問題視されるのが、政令市新潟の人口の社会減少であると考えます。新潟市は、2018年でマイナス555人となっており、大幅なダウンとは言えない状況であると思いますが、全国では20の政令市があり、その半分の10市が社会増となっていることから考えると、人口のダムになっていない状況であります。 新潟市は、空港、港、新幹線、高速道路が整備されていてインフラ環境は有利な状況でありますが、人口の流出がとまらない状況であります。進学により首都圏に行くことは必要と考えますが、若い世代のニーズに合わせた魅力ある雇用の場をつくり、就職によって戻れる環境を早急に創出することが必要であると思います。 全国の中でも福岡市は、人口増加率では全国1位で、起業率も1位であり、その理由はサービス業が多いことだと言われています。また、アジアナンバーワンの空港アクセス、まちがコンパクトで通勤時間が短く、オフィスコストが低いなど挙げられますが、行政と民間企業が同じ方向を向いて施策を進めてきたことが要因であると言われていて、今の結果は先人たちが選択、決断をしてきた成長戦略の結果であるとのことです。 平成31年度予算においては、起業・創業に対する知事の思いが反映されている予算となっておりますので、1つ提案いたしたいと思います。福岡市の開業率の高さの理由の一つに、外部からのIT企業誘致を積極的に行うことで、ITコミュニティーが盛んで、さまざまな勉強会でエンジニア同士が知識交流を図ることによりイノベーション関連企業の雇用がふえ、こうした動きが他産業にも波及し、活気あふれる産業の好循環を生み出していると言われています。 また、最近では、首都圏の企業からシステム開発や保守などの業務を地方でIT業務を引き受けるニアショアの流れが業界で加速してきていて、全国の地方都市から注目されており、経済団体が旗振り役になったり、業界を挙げてPRに取り組んだりと、地域間競争は今後さらに強まると言われています。 本県でも新潟駅周辺にIT企業が集まりつつあるので、さらに大きなものにしていくことが必要であると思います。 県でIT企業などのベンチャー企業を集約できる、電気料無料等の低コストのオフィスを提供するなど、戦略的にイノベーションに結びつく環境づくりをすることが、起業率を上げ、若い世代の雇用をつくることにつながり、人口の社会減対策につながるのではないかと考えますが、所見を伺います。 次に、小規模企業の支援体制について伺います。 国の小規模基本法の策定に伴い、本県も小規模企業の振興に関する基本条例を策定いたしました。そのことにより、各地域の小規模企業の皆様への支援体制の強化につながっていると考えています。 平成31年度予算においても販路の拡大、技術支援、事業承継の施策が提案されていますが、現場では、書類が難しく、もう少し簡単に支援を受けられないかという声や、国のものづくり補助金においてはコンサルなどの書類作成のコストの高さも指摘されています。行政から見れば、税金を投入するのだから、当たり前だとの考えも理解できますが、もう少し簡単に、わかりやすい書類にしていただくことで、小規模事業者が支援を受けやすくなるのではないかと思います。 各地域の雇用と社会を幅広く支えていただいている小規模企業を存続させ発展させることが地域の存続につながると考えますが、小規模企業の重要性と支援のあり方について知事に所見を伺うとともに、支援体制の現状を伺います。 次に、小規模高校の支援体制について伺います。 少子化により高校に入学する人数が減少しているため、県内各地で小規模の公立高校がふえています。地域で学ぶ場として大切な高校でありますが、年々、大規模校と小規模校の施設を含めた支援体制に格差が生じてきていると考えます。 平成31年度から県でエアコンを設置、管理していただくことになり、格差は少し埋まったところもありますが、タブレットや電子黒板や教員の配置、部活動など、大中規模校と小規模校の格差が生じないよう対応するべきと考えますが、県の所見を伺います。 県では、少子化対策でさまざまな事業を進めています。その一つに、ハートマッチにいがたによる男女のマッチング支援があります。イベントなどでの出会いの場は市町村でやっていただき、広域自治体である県では、全県の市町村を取りまとめる形で成婚につなげる事業をすることが有効であると考えます。 現在3年目となり、26組の成婚につながったとお聞きをいたしますが、女性の登録の伸び悩みがあるともお聞きをいたします。 他の結婚支援会社との連携をするなど、結婚を希望する人が幅広く多くの選択肢を持てる状況をつくることによって、さらなる成婚につなげられると考えますが、ハートマッチにいがたの現状と課題、今後の取り組みについて伺います。 九州の魅力の一つに、九州全域でバスが乗り放題になるサンキューパスがあります。近年では、外国人観光客が家族旅行で来るケースが多く、その移動にバスを利用する人の割合が高くなっているそうです。現在、海外だけでも年間16万枚を販売し、九州全域に経済効果を及ぼすものとなっているそうです。 その背景には、12年前に、あるバス会社が声を上げ、経済効果を上げるために九州全域のバス会社が協力し合って発売を開始したということです。民間の熱意が経済を動かすことにつながっている事例であると思います。 本県でも新潟県全域で乗り放題ができるパスや、福島や山形、富山など近隣県と連携した乗り放題パスをつくることがインバウンド振興につながると考えますが、その所見を伺います。 次に、バス交通の考え方について伺います。 来年度予算で高速バスや地方バスの運行継続に向けた対策費が計上されていますが、今後、人口減少に伴う利用者数の減少が進み、公共交通機関の赤字が各地でさらに拡大することが懸念され、特に地方路線バスの廃止が進んでいる状況があります。 今後は、効率的なバス路線への組みかえや、先ほど質問した乗り放題パスによる観光振興での利用、私の地元では小学校の通学に路線バスを利用しておりますので、路線バスと通学バスが連携するなど、知恵を出し合い、維持をしていかなければならないと考えます。 一定の公的支援はやむを得ないにしても、全てを公費で補うのは現実的ではないため、基本は民間主体であるべきと考えますが、今後の公共交通の考え方について伺います。 次に、タクシーの規制緩和について伺います。 人口減少により路線バス等が縮小する中で、今後、タクシーの役割も大きくなっていくと考えられます。私の地元では、朝、病院に行くためのタクシーが予約できないことや、夜の飲食店でタクシーが予約できないなど不都合が多くあり、地域の方からの不満が多く上がっています。スクールバスが生徒の減少によりタクシーにかわるなど需要があるものの、タクシー会社が減少し、運転手不足も重なり、タクシー過疎地になっています。 一方で、タクシー営業は、定められた営業区域内でのみ実施できるものとされているため、営業区域が小さいところは営業所が少なくなるのは当然であります。タクシー事業者が少ない地域ではタクシーの手配が難しく、不都合が生じております。 タクシー業界の深刻な運転手不足を考えれば、交通過疎地だけでも営業区域の規制を緩和する等柔軟な対応が必要と考えますが、所見を伺います。 次に、ライドシェアについて伺います。 世界的にウーバーによるライドシェアが進んでいますが、我が党においても安全性などの課題があるため慎重な姿勢であり、ライドシェアサービスの事実上の禁止が続いています。全国では、京都府京丹後市や福岡市で、ウーバーのアプリを使い、交通空白地でのみ実施可能の自家用有償旅客運送の仕組みを使い実験がされた経過もありますが、違法行為などの指摘により、進んでいません。 今後、中山間地や離島とともに交通過疎地での対策として、安全性をどう担保するかを含めて知恵を出し合い、交通過疎地におけるライドシェアによって交通弱者への対応を図るべきと考えますが、あわせて所見を伺います。 次に、障害者に関係するマークについて伺います。 どんなに財政が苦しくても、社会福祉が切り捨てられることはあってはなりません。社会的に弱い立場になりがちな、障害などがあり、支援や介助を必要とされている方への支援は拡充されていくべきと考えますし、政治の重要なところであると考えています。 昨年、手話条例の策定により手話通訳者の派遣などが拡充されていますし、要約筆記も重要であると考えます。また、肢体不自由者や盲聾者、難聴者や難病など、外見からわからなくても援助や配慮を必要としている方々が周囲に知らせることが重要です。 平成31年度予算ではヘルプマークの配布を進めると聞いていますが、ヘルプマークだけではなく、補助犬マークや耳マークなど多くのマークがあるので、県民の理解促進を進める必要があると考えます。 広報や教育の中に取り入れるなど、障害者への配慮の理解促進と普及に向けた取り組みについて所見を伺います。 全国的に生活保護受給者がふえ、65歳以上の高齢者が多い状況であり、今後も増加する傾向であると伺います。生活保護は、国が生活に困窮する全ての国民に対して最低限度の生活を保障するとともに自立を促すことを目的とされていて、住宅扶助や医療扶助もあり、手厚いため、適正に扱われる必要があると考えます。 特に自営業者等の国民年金受給者からは、厚生年金との金額の差があり、生活が苦しいとも伺いますし、生活保護受給者よりも支給額が低いことも不満であるとの声が上がっています。また、子供がいるのに親の面倒を見ない世帯もあり、生活保護をもらうほうが支給額が多いので、生活保護に行ってしまう方もいらっしゃるのではないかと思います。 知事は、起業・創業を促すと言われていますが、国民年金の現状では自営業者がふえないのではないかと思います。懸命に働いてきた方が恵まれない社会ではいけないと思いますが、こうした現状と課題についてどのように受けとめ、是正に向けて県はどう対応していくのか伺います。 先日、厚生労働省が、全国の人口や診療需要に対して適正な医師数を確保できていない、医師少数県を示し、本県は下から2番目の全国46位であり、地域格差が鮮明になりました。今後、一定期間地元で働く大学医学部の地域枠を重点配分するなど、2036年度までに問題を解消すると言われ、早急な対応を願うところであります。 医師の充足度を見れば医師不足は明らかで、長時間労働になることは予測されます。新潟市民病院では、長時間労働により自殺に追い込まれたケースを契機に医師の働き方改革が行われる一方で、医師不足によって救急患者を受けられないケースも出てきているとお聞きをいたします。 県内病院において、医師の働き方の見直しと救急搬送の受け入れ拒否の状況を伺います。 水泳の池江選手が白血病を患ったことが報道され、全国に激震が走りました。今後、治療に専念いただき、一日も早い回復を願うところであります。 私も4年前に骨髄バンクのドナーとして3泊4日の骨髄採取をいたしましたが、現在も、患者に対する骨髄の適合率は9割ですが、同意が得られず、移植まで最終的にたどり着くのは6割と低い状況となっており、4年前と変わらず理解が低い状況に、残念な気持ちになりました。 私の経験からいえば、ドナーの理解よりも、社会や職場、何よりも家族の理解と同意を得ることが難しいと思いますので、特に家族の理解を得られるような説明と理解を促すべきと考えます。 骨髄採取に係るドナーへの職場を含めた社会的な理解促進についての現状と今後の取り組みについて伺います。 先般公表されました財政運営計画では、県立病院全体に対する一般会計繰出金は、2014年以降、大幅に増加し、今後さらに県央基幹病院の開設が予定されており、さらなる負担の増加が見込まれる状況にあると書かれています。 県央エリアには赤字体制である県立吉田病院と加茂病院があり、経営改善に取り組むことが求められます。 今後さらに、燕労災病院と三条総合病院が統合され、県央基幹病院が開院される状況でありますが、県の財政状況を見れば、県立病院への繰出金に係る県の負担がこれ以上増嵩しないよう、県央基幹病院の医師・看護師を確保し、黒字体制にすることができるのか、県の所見を伺います。 次に、児童生徒の自殺者ゼロについて伺います。 教育委員会主要概要の中で、児童生徒が安全に安心して学べる学校づくり、教職員が児童と向き合える環境づくりなどを推進するとありますが、近年の児童生徒の自殺者数は、平成27年度及び28年度が4人、平成29年度は10人とふえています。平成30年度はわかりませんが、いじめを理由とした自殺だけではなく、家庭との連携を含めた幅広い視点からのいじめ見逃しゼロ運動とともに、自殺者ゼロ運動が必要であると考えます。 平成31年度予算ではいじめ対策に多くの予算が計上されていますが、自殺者ゼロを重要視する必要があると考えますが、現状の取り組みと平成31年度の施策について伺います。 先週、全国の報道に本県の私立高校のいじめ動画が流れ、いじめの残虐性を改めて感じたところです。 平成31年度予算においても、いじめ防止の体制や不登校児童などの対応に対してスクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、電話相談、SNSなど幅広く対応がされており、教員の加配や生徒指導課を新設するなど対応していただいていますが、担任の先生だけでなく、校長、教頭、学校全体で対応する学校のマネジメント体制が重要であると考えますが、県の所見を伺います。 教員の多忙化が問題視され、文部科学省では教員の働き方改革を示したガイドラインでは、残業時間は月45時間を超えないようにすることとなっています。 若い教員は、翌日の授業の対応だけでも時間がかかり、余裕がないとお聞きをいたします。そこにいじめや配慮を必要とする児童生徒や父兄への対応が重なると長時間労働につながり、授業の低下につながるのではないかと危惧をいたします。 若い教員の多忙化に配慮しながら、授業力を向上させるための施策について伺います。 次に、スポーツ健全化について伺います。 来年の東京オリンピック・パラリンピック開催により、スポーツへの注目が高まっています。しかし、スポーツ団体等のパワハラや体罰などが報道され、健全化を求める声が多くあります。 スポーツは、年齢、性別及び障害の有無にかかわらず、心身の健全な発達、健康の維持増進、健康で豊かな生活を営むことや地域経済の発展にも寄与するなど、多大な恩恵を享受することができるものです。 我が党は、今定例会で新潟県スポーツの推進に関する条例案を提案させていただいている中に、安全で安心なスポーツの推進を掲げていますが、体罰やパワハラの防止に向けて県はどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、農業問題について5問、質問させていただきます。 知事のリーダーシップの一つに、稲作から園芸へ大きくかじを切っていただいたことは大変ありがたく思っています。米山前知事は、新潟は米だけ勝てばいいと言っていたことを思い出すと、ぞっといたしますが、稲作だけでは農業は守れないと考えます。 農林水産業を取り巻く環境は、TPPやEPAの経済連携に加え、人手不足や高齢化の進展が課題であると思います。 これから若い担い手が所得を確保できる環境をつくらなければ、担い手は不足すると思いますので、担い手をターゲットにした施策を進めることが重要であると考えます。その一つが付加価値の高い園芸生産の拡大であると思います。 今後、園芸戦略を示されると聞いていますが、ただ農業従事者の背中を押すだけでは今と変わりませんので、米戦略のように園芸品目の産出額の目標等を設定し、戦略的に取り組んでいくことが必要と考えますが、園芸生産拡大戦略の方向性を伺います。 次に、園芸の販売戦略について伺います。 適地適作を進めることにより農作物の作付技術を高めることは必要であると考えますが、最も重要なことは出口戦略が重要であると考えております。 新之助は、テレビCMを中心とした広報を昨年度は1億9,000万円、平成31年度は1億2,000万円程度で、新之助を市場に出すのに10億円程度かかっていると言われていて、その手厚さがうかがえます。 園芸の生産をふやすのであれば、新潟独自の園芸の販売戦略を強くしなければ伸びないと思います。生産したものが売れずに安ければ所得は上がりませんし、需要と供給のバランスが重要であると考えます。 国内と国外への輸出品目も、売り出す品目を分けて考え、県が公費を投入して誘導すれば、園芸に取り組む農業従事者がふえると考えますが、販売戦略についての所見を伺います。 園芸品目の中に魅力ある果樹生産があります。本県では、日本一の生産量を誇るルレクチエや、柿や梨、ブドウなど、魅力ある果樹が多くあります。今後さらに生産拡大を進めることが、本県農業の魅力を高めていくことにつながると考えます。 しかし、果樹の生産量をふやす上で剪定枝の処分が課題となっていて、野焼きが禁止のため、膨大な剪定枝を細かく切り、焼却場で燃やすことが必要でありますが、現状では、迷惑のかからないように野焼きをしているところもあります。 なるべくであれば病気抑制のため焼却処分することが求められますが、剪定枝を資源と捉え、再生可能エネルギーとしての有効利用につなげることについてさまざまな提案があります。 実験的なものになりますが、積極的に県が支援し、有効利用につなげることが処分にもつながるので、広域自治体である県の役割と考えますが、知事の所見を伺います。 オランダなどの世界の農業のあり方を見ても、ベースは家族農業が基本であると考えます。 現在では、法人化や大規模化により、低コストで通年雇用などを目的に増加傾向でありますが、特に面積が小さくても施設園芸などの付加価値の高いものであれば家族農業として続けられると考えますが、今後の家族農業のあり方について、知事の所見を伺います。 平成31年度予算では農業のチャレンジや挑戦する方を支援すると言われていますが、支援体制が弱いと感じます。担い手をふやすことは重要であり、農業を守ることにつながります。青年就農給付金の枠組みも来年度から45歳から50歳へ変わるため、多くの担い手が、この制度を使い、農業に就農していただきたいと考えております。 近年の新規就農者の就農先は、農業法人への就職が50%程度と多くなっており、チャレンジよりも安定した雇用が求められている傾向があると思いますが、農業も他産業のように新たな品目へのチャレンジや加工販売をしたい若い方も多くいますが、県は産地化や量を求め過ぎる傾向があり、小規模な生産に対しては日の当たらないところを感じます。 生産規模の大小にかかわらず、新しい品目にチャレンジする施策を強化すべきと考えますが、所見を伺いまして、私の一般質問を終わらせていただきます。大変どうもありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 笠原議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、県行財政のスクラップ・アンド・ビルドについてですが、今後、持続可能で安定的な財政運営を行うためには、本県の人口動態や歳入規模に見合った歳出構造への転換を早急に進め、収支均衡を図る必要があり、これまで以上の歳入歳出改革が急務であります。 歳入歳出改革の実施に当たっては、スクラップ・アンド・ビルドも含めた効果的・効率的な事業の実施を初め、県の組織体制、県有施設の運営や県出資法人の見直しなど、聖域なき改革として、あらゆる手段を講じて進めなければならないと考えております。 そのため、財政改革推進会議を設置し、外部有識者の御意見も伺いながら、どのような分野を重点的に見直すのかも含め、具体的な歳入歳出改革について検討を進めてまいりたいと思います。 次に、年頭の挨拶に込めた思いと当初予算案への反映についてですが、本県が直面する人口減少問題を初めとした、複雑かつ困難な課題に対しては、今までどおりの発想や、やり方では対応できなくなってきていることから、職員には前例にとらわれることなく、大胆かつ柔軟な発想で政策を立案する一方で、県民の期待に応え、その効果が最大となるよう、緻密に、かつ決断力を持って実行してほしいとの思いを伝えたものであります。 新年度予算編成においても、そうした観点で、各部局と政策議論を重ね、より効果的な施策等の立案や構築を行った上で、重点的な取り組みを政策パッケージとして取りまとめ、新年度予算案に盛り込んだところであります。 次に、開業率を上げるための環境づくりについてですが、2017年版中小企業白書によれば、起業家等が起業に関心を持つきっかけとして、周囲の起業家・経営者の影響を挙げる方の割合が最も多いとされています。議員御指摘の起業家等が交流できる場は、IT企業はもとより、さまざまな業種の起業家にとって、ビジネスアイデアや人脈が広がるとともに、互いに刺激し、不安が解消されるなど、起業の後押しに有効であると考えております。 県といたしましては、これまで創業準備オフィスや起業化センターなど、事業化までの場を提供していることに加え、新年度では、民間事業者による創業希望者等の交流の場の設置を支援することとしています。こうした施策にも取り組みながら、起業家を志す方がより多く生まれ育つ環境づくりを進め、起業の活発化と魅力ある多様な雇用の場の創出を図ってまいります。 次に、小規模企業の重要性と支援のあり方についてですが、小規模企業は、住民の生活に必要な商品・サービスの提供や、地域の雇用確保、にぎわいとコミュニティーの維持などに大きな役割を果たしており、議員御指摘のとおり、小規模企業の持続的発展は地域の維持と深い関係があるものと考えております。 県といたしましては、そうしたことを踏まえて平成26年に制定された新潟県小規模企業の振興に関する基本条例に基づき、小規模企業の経営規模や形態に十分配慮しつつ、国や市町村、商工会・商工会議所などの支援機関と連携することにより、成長と持続の双方の観点から、きめ細かな支援を行ってまいりたいと考えております。 なお、小規模企業への支援体制の現状につきましては、産業労働観光部長から答弁いたします。 次に、外国人旅行者向けのバス乗り放題パスについてですが、議員御指摘の九州全域のバス乗り放題パスは、域内の交通事業者が連携を図り、外国人旅行者のバス移動における利便性確保と、広域的な観光周遊を促進する取り組みであると認識しております。 県内におきましても、近年、外国人旅行者を対象とした、佐渡などにおけるバス等の乗り放題パスが販売されたところですが、利用できるエリアは、佐渡全域と、新潟や上越の一部に限定されているところです。 議員御指摘のとおり、県内全域や近隣県と連携した乗り放題パスは、インバウンドの促進に有効と考えております。 導入に当たっては、複数の交通事業者の合意形成が必要となりますので、まずは、県内交通事業者と乗り放題パスのエリア拡大などについて意見交換を行ってまいります。 次に、今後の公共交通の考え方についてですが、路線バス等の地域公共交通は、地域住民の日常生活等に必要不可欠であり、これを確保・維持していくことが必要だと考えておりますが、人口減少等によるバス利用者の減少により、民間事業者による独立採算ベースでの輸送サービスの提供が難しい路線については、現に廃止や減便が生じている状況にあります。 このような中、議員御指摘のとおり、バスの運行は基本的には民間主体であるべきと考えますが、今後は、地方公共団体が中心となり、関係者の合意形成を図りながら、地域の実情に合った移動手段への転換等により、持続可能な公共交通を構築することも重要になっていくものと考えております。 県といたしましては、従来のバス路線維持のための支援に加え、地域の実情に応じた乗り合いタクシーコミュニティーバス等の導入に対する支援を行っており、来年度は、複数市町村が新たに連携するバス運行や需要開拓のためのバス路線の延伸といった取り組みに対しても支援を行うこととしております。 次に、タクシーの営業区域の規制緩和についてですが、タクシーの営業区域については、道路運送法に基づき、国の地方運輸局長が輸送の安全や利用者の利便等を勘案して定められております。 議員御指摘のとおり、交通過疎地を対象に営業区域の規制を緩和するなど、柔軟に対応することも考えられますが、まずはタクシー事業者や地元市町村等が、利用者の需要に応じた適切なサービス水準などを踏まえ、営業区域の見直しを含めた公共交通体系のあり方等について検討することが必要であると考えております。 県といたしましては、そうした検討状況を踏まえ、必要に応じて国に営業区域の見直し等を働きかけてまいりたいと考えております。 次に、ライドシェアによる交通弱者への対応についてですが、バスやタクシー等が運行されていない過疎地域等において、有償で旅客運送を行う場合、市町村やNPO等が行う自家用有償旅客運送は例外として認められておりますが、一般ドライバー等が行うライドシェアについては、現在、道路運送法に抵触する、いわゆる白タク行為として禁止されており、タクシー業界もその導入に反対しているものと聞いております。 ライドシェアは、過疎地域等の住民の足を確保する新たな移動手段の一つとなる可能性もありますが、一方で、事故時の責任の所在など安全の確保や利用者の保護などの課題があるものと認識しております。 ライドシェアの導入に当たっては、こうした課題を慎重に検討することが必要であると考えており、現在、政府の規制改革推進会議等においてライドシェアを含めたタクシー関連の規制緩和について議論が進められていると聞いておりますので、国の動きを見きわめてまいりたいと考えております。 次に、生活保護と国民年金の受給額についてですが、議員御指摘のとおり、現行の生活保護基準では、国民年金の満額受給額よりも生活保護費のほうが多くなるような場合があることは承知しております。 県といたしましては、まずは両制度を所管する国において、生活保護や国民年金の受給額を含めた社会保障制度全体のあり方について十分議論されるべきものと考えており、今後の国の動きを注視しながら、必要に応じて、国に要望してまいります。 次に、スポーツでの体罰やパワハラ防止についてですが、スポーツ界における体罰やパワハラは、スポーツの価値を否定するものであり、決して許されるものではないと考えております。 また、本議会で提案されている、新潟県スポーツの推進に関する条例案においても、指導者その他指導的立場にある者による選手への暴力等の行為の防止が盛り込まれております。 県といたしましては、県スポーツ協会と連携してスポーツ関係団体へのヒアリングを通じ、暴力行為の防止を含めた組織運営のあり方などのガバナンス強化への助言や、指導者等の研修を実施するなど、暴力行為等の根絶に、より一層努めてまいります。 次に、農業問題についてお答えします。 まず、園芸生産拡大に向けた戦略の方向性についてですが、もうかる農業の実現に向け、県や市町村、関係団体、関係機関等が、目指す姿や目標、取り組み期間などを共有し、一体となって園芸生産の導入・拡大を推進してまいりたいと考えております。 先般開催した農業改革基本戦略推進会議において、市場から認知されるような販売額1億円規模の産地を創出していくことなどをお示ししたところですが、県全体の目標設定などについては、今後の会議の中で議論していただくこととしております。 次に、園芸品目の販売戦略についてですが、国内外のニーズや販路の確保も見据えた品目選定がなされることが、今後の園芸産地育成に向けて重要であり、園芸導入の構想段階から、農業者と農業関係機関などのほか、流通関係者なども交えて、品目や販路、生産・出荷体制などを具体的に検討していく必要があると考えております。 県といたしましては、一般品か希少品か、また、家庭用か加工・業務用かなど、それぞれの品目の特性に応じた販路開拓等の支援が必要と考えており、卸・小売等とのマッチングの機会を提供することなどにより、各産地の取り組みを後押ししてまいりたいと考えております。 次に、果樹剪定枝の有効利用についてですが、果樹の剪定枝は、一部は堆肥化やチップ化により活用されているものの、大部分は再利用されず、栽培農家は処理に苦慮しているものと承知しております。 県といたしましては、果樹の剪定枝は事業系一般廃棄物に分類されることから、一義的に市町村が処理するものと考えておりますが、農村の地域資源としてバイオマス利活用を推進する観点から、堆肥化やチップ化を支援しているところです。 また、再生可能エネルギーとして活用するための農業関連機械・施設導入に関する支援策を講じているところであり、取り組みを志向する方への周知や相談への対応に努めてまいりたいと考えております。 次に、家族農業についてですが、本県の農家は、その大半が家族単位で農業を営んでおり、家族農業は本県の重要な担い手であると認識しております。 本県農業の発展には、生産する作物の品目にかかわらず、また、個人や法人などの形態にかかわらず、農業者が企業経営者としての自覚を持って営農に取り組んでいくことが重要と考えております。 県といたしましては、付加価値の高いもうかる農業の実現に向け、経営戦略や組織マネジメントなど、一般企業にも共通する経営スキルを身につけた企業的な農業経営者の育成に努めてまいりたいと思います。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) お答えいたします。 救急搬送の受け入れ状況についてですが、消防本部の救急隊が傷病者に接触後、医療機関に対し受け入れを依頼した際に、患者対応中などの理由で断られることがあるということは承知しておりますが、統計データとして、そうした案件の総数は把握しておりません。 なお、搬送人数のうち、重篤な症状があるなど特に緊急性の高い傷病者等については、医療機関への受け入れを依頼した回数を把握しておりまして、平成29年の1年間で、医療機関から9,996人の傷病者を受け入れていただくために、1万3,164回の受け入れ依頼を行っております。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 5点についてお答えいたします。 まず、ハートマッチにいがたの現状と課題、今後の取り組みについてですが、現時点での会員数は約1,800人で、平成28年10月の運用開始からこれまで約1,500件のマッチングを行い、26件の成婚報告をいただいております。 議員御指摘のとおり、会員数やその男女比・年齢構成の平準化に向けた、女性や20代の登録促進が課題となっており、女性比率の高い業界等への働きかけや、若年層の意識喚起につながる仕組みづくりを進めてまいります。 また、マッチング件数の増加等に対応するため、会員の活動をサポートするボランティアスタッフの確保・育成に向けた取り組みも強化してまいります。 なお、これまでも他の結婚支援会社等が開催するイベント参加者へのハートマッチにいがたの周知などに取り組んでおり、議員の御提案も踏まえながら、さらなる連携強化に努めてまいります。 次に、障害に関するマークについてですが、障害のある人もない人もともに生活できる社会の実現に向けては、障害に対する理解を促進することが重要であり、そのためには、議員御指摘のとおり、多くの方々にさまざまなマークを理解していただくことが必要であると考えております。 このため、県では、これまでホームページによる発信等に取り組んでまいりましたが、今後は障害に関するイベントでの周知や学校でのパンフレット配布などさまざまな方法を通じ、広く県民への普及啓発に努めてまいります。 次に、県内病院における医師の働き方の見直し状況についてですが、新潟市民病院における医師の長時間労働の問題を受け、県では、県医師会と連携の上、県内病院に対し、非公表を前提とした調査を行い、医師の長時間労働の実態を把握したところであります。 この結果を受け、社会保険労務士などによる訪問支援により、医師の労働時間管理の適正化や他職種への業務移管の推進など、医師の働き方の見直しの促進に取り組んでおります。 なお、国が全国の病院に対して医師の働き方改革に係る調査を行っておりますが、都道府県別データは、今後公表されると聞いており、その結果を踏まえてさらなる対策を検討してまいります。 次に、骨髄バンクドナーへの理解促進についてですが、現在、移植を希望する人の約96%にドナー候補が見つかるものの、実際に移植に至るのは60%弱にとどまっております。 移植に結びつかない主な理由として、ドナーの健康上の理由のほか、都合がつかない、家族の同意が得られないなども挙げられており、ドナーに対する社会的な理解、企業の理解を促進することは重要であると認識しております。 県といたしましては、ドナーが骨髄を提供しやすい環境となるよう、引き続き、県民に骨髄バンクへの理解を呼びかけるとともに、企業に対してドナー休暇制度の導入を働きかけてまいります。 次に、県央基幹病院の運営見通しについてですが、県央基幹病院は、県が整備し、指定管理者に運営を委ねる公設民営方式とすることとしており、医師・看護職員等必要な医療スタッフを確保し、効率的な運営を行うことで、安定した経営が可能となると考えております。 医療スタッフの確保には、県央基幹病院の魅力を高めていくことが重要であり、キャリアアップ支援や働きやすい勤務環境を整備しながら、指定管理者とともに確保に取り組んでまいりたいと考えております。 県といたしましては、地域に必要とされる政策的医療を提供し、安定的な病院運営が図られるよう、指定管理者に対して必要な支援を行ってまいります。   〔産業労働観光部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働観光部長(橋本一浩君) お答えいたします。 小規模企業への支援体制の現状についてですが、県では、平成26年に新潟県小規模企業の振興に関する基本条例を制定し、小規模企業の規模や形態に配慮しながら、条例に規定する基本的施策を、関係する支援機関と連携し、推進してまいりました。 県内の主な支援機関といたしましては、企業の日々の経営指導や会計指導などを行う商工会や商工会議所、多様な資金需要に対応する信用保証協会、販路開拓や事業承継、創業の支援を行うNICOなどがあり、定期的にこれらで構成する小規模企業振興連絡会議を開催し、取り組みの課題や成果などの情報共有を図ってきております。 今後とも、地域に密着した金融機関を含めて、関係機関との連携を密にしながら、それぞれの役割に応じて、小規模企業が必要とする支援が提供できるよう努めてまいります。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 新たな園芸品目への取り組み支援についてですが、農業者が新たな園芸品目に取り組むには、技術の習得や初期投資、販路確保などの面での不安から、導入に踏み切りづらいとの課題があると考えております。 先般開催した農業改革基本戦略推進会議の委員からも同様の認識が示され、気軽に相談できる体制などが必要ではないかとの御意見をいただいたところです。 県といたしましては、新年度から、地域振興局や市町村、関係機関・団体等が一体となった推進チームを編成し、ノウハウ習得から本格導入、販路の拡大も含め総合的に支援することとしており、新たな園芸品目にチャレンジする農業者の不安の払拭にも対応してまいりたいと考えております。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) 4点お答えいたします。 小規模校の教育環境の充実についてですが、議員御指摘のとおり、小規模校において、選択科目の展開数や部活動などの教育環境に差が生じることがないよう、教職員の加配や非常勤講師の特別加配を行うとともに、部活動に地域の外部指導者を招くなどして各学校における教育の特色化や学校の活性化を進めております。 また、今年度から県立高校2校を研究指定校とし、ICTを活用した遠隔授業の研究に取り組んでいるところであり、来年度は、実施教科を増加して、評価方法の研究など他校への導入に向けた取り組みを進めるとともに、部活動については、他校との合同部活動や地域スポーツ団体との連携についても検討してまいります。 なお、学校施設の整備については、安全面・教育面などの必要性や緊急性を踏まえて取り組んでおり、要望の多い電子黒板や、普通教室へのエアコンの整備など、規模にかかわらず、教育環境の改善に努めてまいります。 次に、自殺予防についてですが、児童生徒が自殺に追い込まれることのないよう、自殺予防教育の充実と、学校、家庭、地域が連携した自殺のサインの早期発見、状況に応じた支援が重要であると考えております。 これまで、中高生の自殺事案の発生を重く受けとめ、生徒指導に係る校内研修の充実、カウンセラーの配置拡充、メールやSNS相談窓口の開設等を行ってきました。新年度は、全ての公立学校へカウンセラーを配置拡充するとともに、相談窓口を一本化して、新設する生徒指導課の指導主事が対応するなど、相談体制の強化に取り組むこととしております。 また、新たに新潟県版自殺予防教育プログラムを活用して、児童生徒の自己有用感を高める指導、支援の充実を図るほか、自殺予防に資するよう、いじめ見逃しゼロ県民運動を見直すなど、自殺予防対策を推進してまいります。 次に、いじめ対策等における学校のマネジメント体制についてですが、議員御指摘のとおり、学校でのいじめや不登校児童生徒への対応においては、スクールカウンセラーなどの外部人材の活用や関係機関との連携を図りながら、校長のマネジメントのもといじめ対策組織等を中心とした学校の組織強化が重要であると考えております。 そのため、校長のマネジメントがより機能するよう、いじめ対策等検討会議で作成するいじめ対応マニュアルの自校化や各種教育プログラムの校内研修を、いじめ対策推進教員が中心となって実施するとともに、生徒指導課の学校訪問による指導や支援を継続的に行いながら、いじめ等に対する学校の組織的な対応力の向上を図ってまいります。 次に、教員の授業力向上のための施策についてですが、勤務実態調査の結果から、長時間勤務者における若手教員の割合が高いことを踏まえ、学校の内外で無理なく意欲的に学び続けられるよう、経験年数に応じた研修内容の見直しに取り組んでおります。 具体的には、これまで採用1年目で実施していた初任者研修を、校内での研修を重視し採用後3年間の中で行うようにしたり、若手教員を対象とした研修を、悉皆から本人希望により受講できるようにしました。 また、さまざまな授業案や資料を共有できる教育支援システムの改善・充実を図り、活用を促すことで、若手教員が授業準備を効果的・効率的に進められるよう支援しております。 加えて、新たに教科リーダー育成講座を開設し、若手教員を指導・支援する地域の中核となる教員を計画的に育成するなど、それぞれの地域で相互に学び合い、授業力向上に主体的に取り組める環境整備を進めることとしております。   〔笠原義宗君登壇〕 ◆笠原義宗君 1点再質問させていただきたいと思います。 私が聞き落としていたら申しわけないのですけれども、3番目の社会減対策の開業率を上げるために、集約できるオフィスをつくるべきではないかという点に対しましての答弁が、少し私はわからなかったので、そこを伺えればと思います。 知事の答弁では、いろいろな企業の皆さんが、交流できるものをつくると。それが非常に重要だというところがわかったのですが、私はハード面の整備も重要ではないかという点で、オフィスの点を入れさせていただきました。 今までのようにソフトの事業だけで、全国から企業誘致をやっていくということ、また、若い方の雇用の場をつくっていくことでは少し弱いのではないかということで、オフィスをつくりという点を入れさせていただきましたので、ハード面の整備も答弁がございましたら伺えればと思います。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) お答えします。 先ほどの答弁の中で、若干触れたのですけれども、これまでも創業準備オフィスや起業化センターなど、事業化までの場を提供してきているところでございます。例えば、NICOプラザの中にあるオフィスですとか、長岡ですと、NICOテクノプラザの中に一部設けられておりますので、そういったオフィス的なものも支援してきているところではあります。 それに加えて、交流の場づくりなどもまた支援してまいりたいと、そのように答弁したところです。 ○副議長(岩村良一君) 笠原義宗君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時46分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時5分 開議 ○議長(沢野修君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、中村康司君の発言を許します。中村康司君。   〔中村康司君登壇〕(拍手) ◆中村康司君 自由民主党の中村でございます。一般質問をいたします。 早いもので、私にとって1期目最後の質問となりました。4年間で、今まででは得られなかった貴重な経験をいたしました。 その間、特に、糸魚川市大火という大変つらい体験もいたしました。平成28年12月定例会の最終日のことでありました。議会を中断してもらい、米山前知事に自衛隊出動の要請をし、すぐに現場に駆けつけましたが、そこには、にわかに信じがたい光景が広がっておりました。 ようやく鎮火した後、すぐに復旧・復興への歩みが始まりました。自民党県議団の皆様を初め、国、県の手厚い支援を得て、火災では初めて被災者生活再建支援法の適用を受けました。これがその後の復興の大きな力となったことは言うまでもありません。 また、被災者の住宅再建には、県産材使用に対する補助制度を設けていただき、心から感謝をしております。 これらのことで、政治の重要性について身をもって感じ取りました。 その後、被災地に戻ってきた住宅、商店は現在のところ60%ほどと、非常に厳しい現実も突きつけられておりますが、今後は、にぎわいをどう創出していくか、中心市街地活性化とも重なり、非常に困難な課題ではありますが、頑張ってまいりたいと思っております。 最初に、本県の経済情勢及び財政について伺います。 我が国の景気回復は、戦後のいざなぎ景気を超えたとの見方です。しかしながら、中小企業の現場の実感として、そのような好景気の認識はとても持てず、労働力不足も相まって、厳しい状況が続いているのではないでしょうか。 中小企業、また下請が多いと言われる本県企業には好景気の波が来ていないように私は実感をしております。なかなか上昇しない販売価格、原油価格など上昇するコストに圧迫され、利益が上がらないという声を多く聞きます。 2018年末の日経平均株価は、前年末に比べマイナス12%と7年ぶりの下落となり、アメリカと中国が相互に追加関税措置を発動する米中貿易摩擦が世界経済に影を落とし、国内景気も不透明感が増しています。 このような状況の中、県経済の状況についてどう捉えられているか、知事の所見を伺います。 先般、日本とEUの経済連携協定、日欧EPAが発効しました。GDP合計で世界の約28%、域内人口が6億人を超える世界最大級の自由貿易圏の誕生です。さらに、昨年末に発効したTPP11の参加国とのGDP合計は、日本の重複分を除き、世界の約35%、人口は10億人を超えます。我が国は、この2つの枠組みを通商政策の中心に据えて、自由貿易を一層推進する構えです。 これにより、工業品に対する関税の多くは即時撤廃となりますが、食料品等においても関税が撤廃または削減されることになります。 EPAの発効は、県内の製造業には追い風となる一方で、農林水産業への影響が懸念されるところでありますが、日欧EPAに対する知事の所見を伺うとともに、県の対応を伺います。 ここからは、県財政の質問です。 この13日に発表された県の財政状況を見て、驚いた県民が多いと思います。人口減少があらゆる局面にリスクとなっていることは承知していながらも、我が党の代表質問にもあったとおり、どうして、また、いつからこのように悪化してしまったのか。そして、その少し前に報道された、自然減、社会減を合わせ前年対比2万1,000人の人口減少という具体的な数字と相まって、県の先行きに不安を覚える県民もいると思います。 しかしながら、花角知事が就任され初の編成となる新年度予算は、前年対比1.7%増の1兆2,597億1,000万円と大型予算を組まれました。知事が以前から公約、政策としていました安全に安心して暮らせる新潟、一段加速した防災・減災対策への決意のあらわれであろうと、大変心強く感じました。 そのことを念頭に、以下お伺いをしていきます。 先日、改訂版の財政運営計画が発表されました。それによると、本県の財政状況は非常に厳しい状況です。歳入の大幅な減少により、2016年度から歳出が歳入を上回る状況となっている上、新年度予算では財源対策的基金が昨年度対比でプラス38億円の134億円を取り崩し、今後も取り崩しが見込まれるとのことです。 このため、財源対策的基金が2021年度には枯渇する見込みとのことであり、今後、歳入と歳出の均衡に向け、財政改革推進会議を設置し、持続可能な財政運営に向けた行動計画を策定するとのことであります。 年度平均で160億円の収支改善が必要とのことであり、この目標額は相当にハードルの高いものと考えますが、どのように実現していくのか、所見を伺います。 財政再建は、知事がおっしゃっているとおり、入るをはかりて出るを制す必要があります。そもそもこのような状況に至った要因として、歳入面では人口減少などによる県税や地方交付税等の減少、歳出面では社会保障関係費や県立病院の繰出金の増加が挙げられています。 財政運営計画によりますと、県税収入の基礎となる所得の伸びは、全国平均が2016年度2.2%、2017年度2.5%に対し、本県はそれぞれ1.3%、1.6%と平均を下回り、また、経済成長率の推移も全国平均が2015年度3%、2016年度2.5%に対し、本県は1.9%、0.7%と、こちらも下回っております。やはり全国に比べ景気の改善がなされていないということになります。今までも多様な産業振興策を講じ、付加価値や所得向上に向けて施策の展開をしてきたわけですが、なかなか厳しいのが現状なのでしょうか。 さらに、財政運営計画では、本県は県税収入の伸びが全国に比べ低く、その要因の一つとして、本県では全国に比べて大企業が少なく、企業収益の増加局面でも法人二税が伸びにくいことが挙げられています。 本県経済の構造的問題が県税収入に影響しているわけですが、今後、県税収入を伸ばすための産業振興にどのように取り組んでいくのか伺います。 続いては、公債費の問題です。 本県は、広い県土と長い河川延長、道路延長などの地理的な特性のため、投資事業の必要性が高く、そのために標準財政規模に対する県債残高が2017年度で317%と、全都道府県の中で最も高い状況になっています。 この多額の県債の返済、公債費が県財政に重くのしかかってくるわけですが、公債費に対する交付税措置の見直しなどにより、今後、実質公債費比率が2020年度には18%超となり、起債許可団体となる見通しとのことであります。このことの県の財政運営への影響について伺います。 この厳しい状況下、新年度当初予算では、部局枠に10%のマイナスシーリングを設定し、事業の選択と集中、事業費の削減に取り組まれましたが、その成果について伺うとともに、厳しい財政状況の中、今後も同様の方針で予算編成を行うのか伺います。 かつて、石原東京都知事時代に、銀行税という構想が打ち出されました。結果的には頓挫しましたが、なるほど、そういう考えもあるものかと当時は思ったものです。 現在の大都市圏と地方の地域間財政力格差の拡大や経済社会構造の変化等を踏まえ、県内総生産の分布状況と比較して大都市に税収が集中する構造的な課題に対処すべく、平成31年度税制改正案では、特別法人事業税と特別法人事業譲与税を創設する地方法人課税の偏在是正措置が盛り込まれました。 東京都は一貫して反対姿勢を示していましたが、18歳まで地方で育てた人材が首都圏に流出し、首都圏の企業活動を支え、さらに東京一極集中が加速している実態を踏まえれば、合理的な措置と考えますが、知事の所見を伺います。 さきの12月定例会で、松原議員と石坂議員が宿泊税について質問をされておりました。その際の答弁で、新税に関しては消極的なのかと感じておりましたが、この厳しい財政状況を踏まえ、財政運営計画では県税収入の確保のため、新税の創設等について他県状況等を踏まえ検討するとしておりますが、具体的にはどのような新税を想定しているのか伺います。 県ばかりでなく、新潟市を含め、県内各市町村も総じて基金の減少など、苦しい財政状況との報道がなされました。 平成29年度市町村普通会計決算では、実質収支は県内全市町村で黒字を確保したものの、地方債現在高は1兆5,346億円と9年連続で増加、財政調整基金は786億円で前年度から156億円減少するなど、県内市町村も厳しい財政状況となっていますが、どのように受けとめているか、今後の見通しとあわせて伺います。 続きまして、防災・減災についての質問です。 我が国は、近年、豪雨、豪雪、地震、火山噴火など異常気象に頻繁に見舞われています。昨年の西日本豪雨、北海道胆振東部地震。我が県もこの冬は比較的穏やかですが、昨年冬は豪雪に見舞われ、列車や道路トラブルなどが多く発生いたしました。いわゆる想定外の災害が多く発生したわけですが、もはや想定外というのではなく、あらゆる災害を想定しておかなくてはならなくなってきました。 安心・安全で暮らせるための防災・減災対策は急務だと思います。知事も、一段加速した防災・減災対策の推進とおっしゃっております。このような状況のもと、知事就任初の予算編成でどのような予算を編成し、防災・減災にどのように立ち向かっていくのか注目をしておりました。 国は、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策として、おおむね7兆円程度の事業規模で重要インフラの機能維持等に集中的に取り組むとしています。 本県も、この有利な財源を活用し、一段加速した防災・減災対策を推進するとしていますが、今後どのように防災・減災のハード対策に取り組んでいくか、方針を伺います。 私の地元住民との懇談会で社会資本整備の話題になりますと、決まって出てくるのが河川整備です。しかし、河川数や要望数が多く、なかなか対応できないのが実情だと思われます。このように、地域では、河川整備や河床掘削などの治水対策に関する要望が非常に多いところです。 また、西日本豪雨の際には、土砂に加え、流木や河川内の樹木により被害が拡大したと報道されており、本県においても対応を加速すべきと考えますが、今後の取り組みについて伺います。 防災対策は、ハード整備だけではなく、ソフト面の対策も重要です。県は、有識者等による検討会議を設置して、豪雨災害時における住民目線に立った情報伝達のあり方について検討しています。 先ごろの検討会議で提言骨子案が議論されたと承知しておりますが、その内容を伺うとともに、県の防災行政にどのように反映していくのか伺います。 続いては、火災についてです。 糸魚川市大火を経験している身としては、防火や火災対策が非常に気になっているところです。 ことしに入り、佐渡市や新潟市秋葉区等で死傷者が出る火災が発生しています。糸魚川市大火の経験が生かされなかったのかと残念に思うわけですが、改めて、住宅密集地での防火対策についての取り組み状況と、県内への周知状況について伺います。 続いては、人口減少問題についてです。 先ほどの財政の項目でも取り上げましたが、人口減少は交付税や県税など歳入に大きな影響を及ぼすだけでなく、年金などの社会保障制度の崩壊や人材不足、公共交通機関の減便・廃止、医療機関、小売店などの撤退や地域経済の縮小など、あらゆる面で影響が懸念されます。 しかしながら、全国的に出生数が著しく低下している状況では、根本的な解決は困難であると考えております。 国全体の出生数は、昭和20年代前半のいわゆる第1次ベビーブームのころは年間で300万人近く、40年代の第2次ベビーブームの世代で200万人前後だったものが、平成28年は97万人にとどまっております。それに加えて、首都圏への人口集中が進む現在では、地方の人口は激減して当然と言わざるを得ない状況です。2045年までには2015年比で全国で16.3%の人口が減少するとも言われ、多い市町村では60%を超える減少率が予想されているところもあります。 また、糸魚川の例ですが、これは大火によって明らかになったのですが、中心市街地ですら高齢化、人口減少が進んでいて、市内の中山間地と何ら変わらない状況でした。 地方では、中山間地だけでなく、市街地の人口流出も進んでいて、これはすなわち商業を中心に地域経済の縮小を物語っている現象だと思います。政策を総動員して、何とか打開策を見出していかなければなりません。 自然動態を改善させるのは、合計特殊出生率を上げる必要があり、そのためには婚姻率の上昇、また率だけではなく実数を上げるには、やはり若者の流出を防ぎ、流入を促進する必要があると考えます。 しかしながら、人口転出数が全国3位という実態は非常に悩ましいものです。平成30年新潟県人口移動調査結果によると、本県の県外への転出超過は5,696人とのことであり、自然動態と合わせると2万1,000人もの人口減少となっています。 歯どめが全くかからない状況でありますが、知事の所見と今後の対応方針について伺います。 また、本県の数字は今ほど御紹介した数字ですが、県内での移動もあるわけで、それから推察をしますと、市町村ごとの状況、中山間地や、もとからの過疎地域の減少率はもっと深刻と考えるべきです。例えば、糸魚川市から上越市など、県内他地域への移動もかなり目立っています。 国は、昨年末に、東京一極集中を是正するため、活力ある地域社会を維持するための中心・拠点として、中枢中核都市を選定しました。全国では82市が選定され、本県では新潟市、長岡市、上越市が選定されています。 中枢中核都市には人口流出を抑止するダムの役割が期待されていますが、周辺の小規模自治体は人口が吸い上げられ、過疎地域の人口減少に拍車がかかるのではないかとの懸念もありますが、知事の考えを伺います。 社会減対策について、県としてはさまざまな着眼点、発想で各種施策を展開しており、よく考えられていると感じているところです。 一方で、U・Iターンの促進については、地域の魅力の発信や定住に向けた支援など、各市町村が果たす役割が重要と考えます。 市町村のU・Iターンの取り組みの課題と、県の市町村への支援や市町村との連携について伺います。 糸魚川のような中山間地を多く抱える地域は、その人口減少による集落の維持も非常に重要な問題です。 そのような中、中山間地域等で安心して暮らし続けるため各種生活支援機能を集約した小さな拠点は、大変有効な政策だと思っております。この小さな拠点は、その数が1,000カ所を超え、2020年までに1,000カ所とする目標を前倒しで達成したとのことであります。 その一方で、継続性に不安を持つ住民もいると聞きますが、県内の事例をどう評価しているのか伺うとともに、県の今後の対応方針について伺います。 中高年齢者が地方や町なかに移り住み、健康でアクティブな生活を送るというCCRC構想も、地域の活性化に有効な政策だと思います。この構想が語られ始めた際は、非常に話題になり、各地の事例が紹介され、多くの自治体が取り組まれるものと期待をしておりました。しかし、その後は余り話題に上らなくなってきたように感じます。 この生涯活躍のまち、日本版CCRC構想について、本県では南魚沼市が健康・予防医療をテーマに取り組んでいると承知をしておりますが、南魚沼市を初めとした県内各市町村の取り組み状況とその評価について伺います。 全国的に人口減少が叫ばれている昨今、一部の大都市以外の全国の自治体が対策に苦慮している現状だと思います。しかし、少子化という根本的な問題が解決しない限り、有効な手段はないと言っても過言ではないでしょう。 人口減少問題は本県の最重要課題であり、引き続き対策を講じていくべきものでありますが、一方で、今後の人口減少は避けられない現象であることから、地域経済の縮小や税収減、公共交通機関の減便など、人口減少社会における多くの問題を見据えた対応にも重点を置くべきではないかと考えますが、所見を伺います。 先日、地元紙に粟島浦村の記事が掲載され、多様な形で地域にかかわる方々の様子を興味深く読みました。一年中の定住ではなく、冬場は島を離れる人や、一定期間、島を訪れるような内容であったと記憶をしております。このような多様なかかわり方で活性化を求めるのも有効であると感じておりました。 このように、移住した定住人口でもなく、観光に来た交流人口でもない、地域や地域の人々と多様にかかわる人々である関係人口が注目されています。 人口減少と高齢化による地域づくりの担い手不足、さらに人口減少問題への一つの処方箋となるものと考えますが、県内の関係人口を活用した取り組み状況や今後の県の対応方針について伺います。 続いては、本県の水産業について質問いたします。 適切な資源管理と水産業の成長産業化の両立を目指す、改正漁業法が昨年12月に成立いたしました。資源の維持回復を目的として、個別の漁獲割り当て、IQを基本に漁獲可能量、TACによる資源管理を行うとのことであります。 県としては改正漁業法の課題をどのように認識しているか、また、課題についてどのように対応していくのか、知事の所見を伺います。 改正には、許可、免許制度の見直しも含まれております。改正法では漁業権の地元優先順位を廃し、地域水産業の発展に最も寄与する者に免許を与えるものとされております。企業の新規参入への調整が必要となってくるわけですが、どのように対応するのか、所見を伺います。 この項目の最後に、本県漁業の維持について伺います。 本県漁業は、漁業者の減少や高齢化などが進むとともに、個人の漁業者が多く生産性が低い形態となっています。 本県漁業の維持・発展のためには、担い手を確保するとともに、法人化や水産加工の促進などにより所得の向上を図る必要がありますが、知事の所見を伺うとともに、来年度予算での対応を伺います。 最後の項目です。その他の県政の諸課題について伺います。 かつて、私が県議に就任したころ、北陸新幹線沿線の近隣県とコミュニケーションがとりづらい時期があり、非常にやりにくく、苦労した記憶があります。最近は改善され、昨年夏に、富山県との県境部、親不知地区の国道8号バイパス建設の陳情に国土交通省を訪問した際は、お隣の黒部市の経済界の方と同行いたしました。 富山県や長野県と隣接している糸魚川地域では、道路、鉄道などの課題解決に向けた要望活動等において、地元市や県のみではなく、他県との協調が不可欠であると考えます。 道路、鉄道などの広域的な問題について、積極的に近隣県と協調して対応すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 糸魚川と長野県松本市を結ぶ大糸線、正式に申し上げますと、糸魚川から南小谷までがJR西日本、南小谷から松本まではJR東日本です。この大糸線は、沿線人口の減少により生活利用が激減し、また平成7年豪雨災害、地元では7.11水害と言っていますが、この水害により約2年間の不通期間が拍車をかけ、長野県南小谷から糸魚川間の利用者は平成29年度で1日当たり104人と、ピークの平成4年度の1,283人の9割減と非常に厳しい状況にあります。 しかし、山岳観光のメッカ、白馬と糸魚川の海を結び、景色も雄大で、観光利用にはかなりのポテンシャルがあると思っております。 先日、新潟県や長野県、大糸線沿線市村、JR西日本などによる大糸線活性化協議会が設立されました。大糸線の生活利用の促進や観光利用の強化などの取り組みを進めるとのことであります。 デスティネーションキャンペーンとの連動など県の積極的な取り組みが必要と考えますが、所見を伺います。 また、白馬周辺を訪れるインバウンドのサイクリストを海岸地域へ誘導するためにも、サイクルトレーンの継続的な運行を目指していくべきと思いますが、所見を伺います。 最後の質問は、新潟の魅力についてです。 私自身も、新潟の魅力とは何であろうとよく考えますが、なかなか一言で言いあらわせる言葉は持ち合わせておりません。 先日、知事が所信表明で、県内各地域の多様な魅力と述べられましたが、これには共鳴をいたします。私のように富山県、長野県と隣接している地域に住んでおりますと、他県との比較ができますが、他県とはもちろん違うし、本県の中でも同じ県とは思えないような文化や言語、歴史、地形の違いを感ずることが多いです。この多様性こそが新潟県の特徴であるのかもしれませんが、だとしますと、多様な魅力の県民による共有と知事が述べられましたが、こういうことを推進していかなければならないのではないかと思います。 住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現に向け、新潟の魅力とは何かを考える懇談会を開催するとのことでありますが、開催の狙いを伺うとともに、懇談会の成果をどのように施策に反映していくのか伺いまして、私の一般質問を終わりといたします。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 中村議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、本県の経済状況についてですが、生産活動が持ち直している中、設備投資は回復し、企業収益なども改善しております。また、個人消費も持ち直すなど、全体として県内経済は緩やかに回復しております。 その一方で、議員御指摘のとおり、米中貿易摩擦の影響による中国経済の減速懸念などから、企業の景況感は先行きについて下振れが見込まれているほか、依然として幅広い分野で人手不足感が高まっているなど、本県経済を取り巻く状況についてはさまざまな懸念材料があるものと認識しております。 県といたしましては、引き続き県経済の動向を注視してまいりたいと考えております。 次に、日欧EPAに対する所見と対応についてですが、EUとの経済連携協定が機能を発揮し、自由な貿易が促進されていくことは、県内企業にとって輸出拡大の好機となり得るものと考えております。そのため、県内企業の海外展開支援とあわせ、パリにある県産品専門店などとも連携しながら、日本酒を初めとした県産品のプロモーションや販路拡大に取り組んでまいりたいと考えております。 一方で、県内の農林水産物については、牛肉、豚肉等を中心に、輸入価格の低下による影響などが懸念されることから、国産市場の動向を注視していく必要があると考えております。 県といたしましては、新年度予算案において、国が実施する国内対策を活用するとともに、にいがた和牛のブランド力強化や酪農の生産性向上のための支援策を講じるなど、畜産経営の基盤強化を図ってまいりたいと考えております。 次に、持続可能な財政運営に向けた収支改善についてですが、今後、持続可能で安定的な財政運営を行うためには、本県の人口動態や歳入規模に見合った歳出構造への転換を早急に進め、収支均衡を図る必要があり、これまで以上の歳入歳出改革が急務であります。 そのため、自主財源である県税収入等の財源確保に向けた歳入対策に取り組むとともに、歳出全体で選択と集中をさらに徹底していく必要があり、今後設置する財政改革推進会議を中心に、庁内一丸となって、改革の具体的な取り組みについて検討してまいります。 また、こうした改革を実現するためには、県民の皆様から県の財政状況や改革の取り組みについて十分に御理解いただく必要があることから、議会の場も含め、さまざまな機会を捉えて丁寧に説明しながら進めてまいりたいと考えております。 次に、県税収入を伸ばすための産業振興についてですが、本県産業は、経営規模が小さく、経営面で他律的な企業が多いことから、十分な付加価値や利益が得にくい構造にあると認識しており、税源涵養を図っていく観点からも、より付加価値の高い産業構造に転換していくことが必要と考えております。 そのため、県内企業の高付加価値化と競争力の強化につながる挑戦を後押しすることで、企画提案力を持って、みずから価格決定ができる企業、あるいは、より大きな市場を獲得するような企業の創出・育成を進め、稼ぐ企業を一社でも多く輩出できるよう取り組んでまいりたいと考えております。 あわせて、良質な雇用を生み出すとともに、地域経済を牽引する企業の県内投資を促進することで、税収増につながる県民所得の向上を図ってまいります。 次に、10%マイナスシーリングの成果と今後の取り組みについてですが、新年度予算編成では、厳しい財政状況を踏まえ、事業の選択と集中をさらに徹底するため、部局枠に10%のマイナスシーリングを設定し、捻出された財源をより効果的な事業に活用できるようにいたしました。 このマイナスシーリングによる事業の見直しの結果、約20億円の財源を捻出するとともに、内部管理経費の縮減による事務の効率化やより効果的な事業への重点化が図られたものと考えております。 今後も、持続可能な財政運営の実現に向けては、マイナスシーリングを含め、さらなる歳入歳出改革が必要であると考えております。 次に、地方法人課税の偏在是正措置についてですが、近年の状況を見ますと、法人二税の税収が大都市に集中しやすい中で、さらに人口、大企業などの首都圏への集中が継続するとともに、財政力格差が拡大しています。 こうした状況を踏まえ、地方法人課税の新たな偏在是正措置として、2019年10月から、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税が創設されることとなりましたが、これは大都市に税収が集中する構造的な課題に対処し、地方における安定的な税財政基盤の確立に配慮した適切な措置であると考えております。 次に、新税の創設等についてですが、県として必要な行政サービスを継続的に提供するためには、収入の安定的な確保が不可欠であり、厳しい財政状況のもと、自主財源である県税収入等の財源確保に向けた対策が必要であると考えております。 新税の創設等については、現時点で、具体的に特定の税目を想定しているわけではありませんが、他県で導入実績があり、本県で導入していない税としては、県民税の超過課税である森林環境税や、法定外目的税である宿泊税などがあると承知しています。 いずれにしましても、他県状況を踏まえて検討してまいりたいと思います。 次に、県内市町村の財政状況についてですが、税収の伸び悩みや高齢化の進行等による扶助費の増加等により、議員御指摘のとおり、市町村財政は厳しい状況にあるものと認識しております。 今後も、大幅な税収増は望めず、その一方で、公共施設の老朽化対策に要する経費の増加も見込まれることから、厳しい状況が続くものと考えております。 県といたしましては、住民サービスの維持・向上と財政健全化の両立が図られるよう、今後も市町村に対し、必要な助言を行ってまいりたいと考えております。 次に、防災・減災についてお答えします。 まず、今後の防災・減災のハード対策についてですが、県といたしましては、施設整備により被害発生リスクを低減させる対策や、施設能力を超える事象が発生しても、被害を最小化する対策、さらには、施設が持つ能力を十分発揮させる対策を組み合わせ、人命被害や社会経済活動への深刻な被害を回避するための河川や農業用ため池の改修、土砂災害対策などを集中的に実施してまいります。 こうした事前対応の対策と、速やかな復旧・復興に資する事前復興の対策を両輪で取り組み、県民の命と暮らしを守る一段加速した防災・減災対策を推進してまいります。 次に、人口減少問題についてお答えします。 まず、現状に対する所見と今後の対応方針についてですが、人口減少は、本県にとって極めて深刻な課題であり、一方で特効薬のない構造的な問題でもあると認識しており、歯どめがかからない状況を危機感を持って重く受けとめております。 人口の減少幅を縮小し歯どめをかけるためには、中長期的な観点から、県民の所得水準や暮らしやすさの向上に取り組み、若者が魅力を感じる多様な教育や就労の場、そして、安心して子供を産み育てられる環境をつくり出すことが基本であり、本質的な解決策につながる近道ではないかと考えております。 人口減少が続くことに伴うさまざまな影響などについて、県全体で危機感を共有し、市町村はもちろん、各界の皆様と連携・協力しながら、県政のあらゆる分野での政策を総動員して、全力で取り組んでまいります。 次に、中枢中核都市についてですが、中枢中核都市は、活力ある地域社会を維持するための中心・拠点として、近隣市町村を含めた圏域全体の経済、生活を支え、圏域から東京圏への人口流出を抑止する機能を発揮することが期待されているものと承知しております。 一方で、報道を通じて、議員御指摘のような、周辺市町村の人口吸い上げを懸念する声が聞かれることもあり、国が今後示すとしている中枢中核都市に対する支援策の具体的内容や、周辺市町村の反応など、関連する動向を注視してまいりたいと考えております。 次に、生涯活躍のまち構想の県内市町村の取り組み状況とその評価についてですが、国の調査によりますと、平成30年10月1日現在で、既に取り組みを開始していると回答した市町村は、新潟市、妙高市、南魚沼市、聖籠町の4市町となっております。 各市町の取り組み状況は、県内で一番早くから取り組みを開始している南魚沼市では移住者向け居住施設建設候補地がおおむね決定した段階であり、新潟市では平成29年3月に基本方針を策定して民間事業者による取り組みを促進する方向を示しているほか、妙高市や聖籠町では昨年度に基本計画、構想をそれぞれ策定した段階と聞いております。 いずれの市町とも、中長期的な取り組みであり、評価については、今後の人口動態や地域活性化への効果などを見きわめる必要があると考えております。 次に、人口減少社会を見据えた対応についてですが、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、今後も本県の人口は減少し続けることが見込まれており、当面は避けることができない状況にあるものと認識しております。 まさに、こうした状況に正面から向き合い、県民生活に大きな影響が生じないよう、また地域社会の機能が失われることがないよう対策を講じていく必要があります。 このため、中長期的な観点から、県政のあらゆる分野での取り組みを総動員し、人口の減少幅を縮小し歯どめをかけるための施策に全力で取り組むと同時に、人口減少の局面で生じるさまざまな課題に対しても、市町村や各界の皆様とも連携し、知恵を出し合いながら、しっかりと対応し、活力ある地域社会の実現に努めてまいりたいと考えております。 次に、関係人口への取り組み状況と今後の対応方針についてですが、議員御指摘のとおり、人口減少・高齢化により地域づくりの担い手が不足している地域においては、関係人口と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手として期待できるものと考えております。また、人口減少対策の面でも、将来的な移住につながる潜在層になり得るものと捉えております。 大地の芸術祭など、地域外の人材が継続的にかかわっている事例は県内でも見られるところです。また、関係人口そのものに着目した事業としては、今年度、総務省の関係人口創出モデル事業に当県と柏崎市が採択されており、県内地域を深く学ぶセミナーの首都圏での開催や、現地との交流に重点を置いたモニターツアーの実施等を行っております。 今後は、今年度の事業実施結果やノウハウ等を市町村に提供すること等により、関係人口の創出、拡大に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 次に、本県の水産業についてお答えします。 まず、改正漁業法の課題についてですが、漁船ごとに漁獲量を割り当てる資源管理制度は、資源の維持回復を図る上で有効であると考えておりますが、漁業者になじみのない新しい手法であり、漁獲量を規制することについて、しっかりと理解を得ていくことが課題であると認識しています。 また、県境を越えて移動する魚種も多い中で、漁業者が納得できる精度の高い漁獲可能量を設定する必要もあります。 県といたしましては、漁業の現場に混乱が生じることのないよう、まずは各地区で説明会等を開催し、漁業関係者から理解を深めていただくとともに、国や隣接県などと連携しながら調査体制の充実に努め、資源評価の精度向上を図ってまいりたいと思います。 次に、本県漁業の維持・発展についてですが、議員御指摘のとおり、本県漁業を魅力ある産業として維持・発展させるためには、意欲ある担い手を確保するとともに、法人化等による経営基盤の強化や、魅力ある水産加工品の開発等により県産水産物の販売力を強化することで、漁業所得を向上させることが必要と考えております。 このため、来年度予算案におきましても、本県の漁業生産を支える中核的漁業者を確保するため、新規就業者の受け入れや育成に向けた取り組みを支援するとともに、県産水産物の販売力強化に向けて、生産者と加工事業者などが連携して行う県産水産物の高付加価値化や加工に関する取り組みを支援してまいりたいと思います。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、道路、鉄道などの広域的な問題に対する近隣県との協調についてですが、目的を同じくする県同士が連携してその実現に取り組んでいくことは、地域の思いをより強く届けることができることなどから、地元市町村や本県単独での取り組みと比較して、大きな成果が期待できるものと考えております。 このことから、道路については、産業振興及び災害に強い道路網の形成に向け、糸魚川地域においては国道8号や148号などの整備促進について、近隣県の関係機関などと連携し取り組んでいるところであります。 また、鉄道については、北陸新幹線の大阪までの早期全通や、並行在来線の安定経営のための支援等に向け、近隣県等と連携し、国への要望等に取り組んでいるほか、大糸線について、今月、長野県などとともに協議会を設立し、一層の利用促進に取り組むこととしたところです。 県といたしましては、引き続き、近隣県などとの連携を密にして、道路や鉄道などの広域的な問題の解決に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、大糸線の生活利用の促進や観光利用の強化などの取り組みについてですが、大糸線活性化協議会においては、関係自治体と鉄道事業者が相互に連携することによって、利用促進に関する取り組みを推進することとしており、観光利用の強化を図るため、デスティネーションキャンペーンと連動したPRなど、県としても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 また、インバウンドのサイクリストの海岸地域への誘導も有効であると考えておりますので、議員御指摘のサイクルトレーンの継続的な運行を含めて、大糸線の活性化について、協議会において検討してまいります。 次に、新潟の魅力を考える懇談会についてですが、本県には、多様で魅力的な地域資源があるにもかかわらず、県外の方々はもとより、県民の皆様にも共有されていないことが、新潟の魅力を十分伝え切れていないことにつながっていると考えております。 そのため、県民の皆様が、新潟の魅力を改めて考え、気づき、そして積極的に表現していただける環境づくりに取り組みたいと考えており、その一環として、専門的な観点から御意見等をいただく懇談会を設けることとしたものです。 懇談会では、新潟の魅力・新潟らしさについて、県内外から見た現状の分析や再認識に向けた課題、情報発信の手法などについて御意見をいただく予定であり、そうした内容を県民の皆様と共有するとともに、本県の魅力を的確かつ効果的に発信するという観点で、県の施策に反映すべきものは反映してまいりたいと考えております。   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕 ◎総務管理部長(佐久間寛道君) 2点についてお答えいたします。 起債許可団体となることによる本県の財政運営への影響についてですが、実質公債費比率が18%以上となった場合は、地方債の発行に当たり総務大臣の許可を要する許可団体となり、実質公債費比率の適正化を図るための計画である公債費負担適正化計画の策定と、その着実な実施が求められるところです。 公債費負担の適正化のためには、地方債の発行総額を抑制する必要があることから、今後、公共事業等の地方債を財源とする事業については、その抑制について検討するとともに、これまで以上に事業や箇所の重点化が必要であると考えております。 次に、小さな拠点の県内事例の評価と今後の対応方針についてですが、当県では、12市町村に38カ所の小さな拠点が形成され、買い物や交流などの拠点として活用されており、高齢者の生活支援や農業所得向上の取り組みを組み合わせ、持続可能な地域づくりに貢献している事例もあるものと認識しております。 県では、引き続き、持続可能な地域づくりを推進するため新たに小さな拠点の形成に取り組む地域や、小さな拠点の維持・活性化に取り組む地域に対し、国や市町村と連携して支援してまいりたいと考えております。   〔県民生活・環境部長本間由美子君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(本間由美子君) お答えいたします。 U・Iターン促進に向けた市町村の取り組みについてですが、議員御指摘のとおり、移住検討者のニーズが多様な中で、地域それぞれの特色ある魅力の発信や受け入れ体制づくりなど、移住の現場となる市町村の役割は重要と認識しております。 一方、市町村によって人口規模や抱えている地域課題など、それぞれの状況は異なり、U・Iターン促進上の課題もさまざまであることから、市町村との意見交換を通じ、実情に応じて使いやすい補助制度の構築などに努めてきたところです。 また、広域自治体の立場から、市町村や関係団体等と連携した大規模フェアの開催や首都圏における相談窓口の設置など、市町村単独では実施困難な課題に積極的に対応してまいりました。 引き続き、役割分担を踏まえた連携のもと、市町村や関係団体等と一体となってU・Iターン促進に取り組んでまいります。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) 2点についてお答えいたします。 ソフト対策分野の検討会議の内容と県の防災行政への反映についてですが、会議の中では、ハザードマップを配るだけでなく、住民の皆様に理解していただき、活用いただくことが重要、また、SNSや防災アプリなどで情報を入手するため、スマートフォンの活用が有効、災害時に地域の住民に避難行動を促すリーダーを育成していくことが必要などの御意見をいただいており、出水期前の5月末までに提言として取りまとめていただくこととなっております。 県といたしましては、いただいた提言をもとに、市町村や関係機関などと連携しながら、住民の確実な避難行動につなげる取り組みを進めてまいります。 次に、住宅密集地での防火対策についてですが、糸魚川市では、木造密集地で発生した火災が強風下で延焼し、大規模火災となりました。同様の火災は県内どこでも起こり得るという認識のもと、県と各消防本部では、消火用水確保のためのコンクリートミキサー車の活用など、大規模火災の防止に向けて取り組んでおります。 また、県民の皆様に対しましては、各消防本部とともに、出火防止や住宅用火災警報器の設置・維持管理について、新聞、テレビなどの各種媒体や街頭・イベントでの呼びかけなどを通じて周知を図っております。 さらに、県では本年度から、より迅速な初期消火につながる火元以外の隣家や、屋外と連動する住宅用火災警報器などの普及促進に向けて、補助事業を開始したところであり、市町村にその活用を含め、引き続き働きかけてまいります。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 漁業への企業の新規参入についてですが、漁業者の減少や高齢化に伴い漁業生産量が減少している現状において、企業の新規参入は、漁場の有効利用が図られ、地域水産業の発展に寄与するものと考えております。 一方で、本県の沿岸域は、既にさまざまな漁業で利用されていることから、新規参入に際しては、これまで利用している漁業者との調整が不可欠であると認識しております。 県といたしましては、漁業の現場に混乱が生じることがないよう、地元漁業者の意向を確認した上で、新規参入を希望する企業や関係者と意見交換を行い、合意形成を図ってまいりたいと考えております。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) お答えします。 河川内の土砂・樹木の対応についてですが、平成30年7月豪雨を踏まえ、洪水の流下断面を確保し、河川の本来持つ機能を十分に発揮させるための河床掘削・伐木の取り組みは非常に重要であると考えております。 本県では、人家や重要施設に影響のある箇所について、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策に係る国の支援制度を活用して、河床掘削・伐木に集中的に取り組むなど、もう一段加速した防災・減災対策を推進してまいります。 ○議長(沢野修君) 中村康司君の質問は終わりました。 次に、斎京四郎君の発言を許します。斎京四郎君。   〔斎京四郎君登壇〕(拍手) ◆斎京四郎君 自由民主党、斎京四郎です。通告に従い、順次質問をいたします。 まず、花角県政における4つの政策の柱についてお伺いします。 最初に、一段加速した防災・減災対策についてでありますが、防災・減災対策の推進については、安心・安全な地域の基盤づくりに欠かせない取り組みであり、その集中的な実施は県民からも高い評価と大きな期待が寄せられています。 同時に、一段加速した防災・減災対策については、建設業界の人手不足に拍車がかかることも懸念されますが、建設業界における人手不足についての県の現状認識を伺います。 また、新年度予算では建設産業人材確保・育成緊急対策事業が拡充されています。これらの施策の拡充も含めた建設産業の人材確保・育成に向けた今後の取り組み方針について伺います。 次に、森林環境・中山間地保全と防災・減災対策の関連についてでありますが、先般視察に伺った九州北部豪雨の被災地においては、被害が甚大化した一つの原因として、中山間地の森林の未整備が被害を大きくしたとの指摘もあります。 こうした側面から、防災・減災対策においては、棚田や森林の洪水・土砂災害防止機能も大きな役割を果たしていると考えられますが、知事の認識を伺います。 また、今後、棚田や森林のこれらの機能の維持・保全に向けてどのように取り組もうとしているのか伺います。 続いて、起業・創業などの推進についてお伺いします。 起業家支援は、花角県政の大きな施策となっておりますが、その際に、起業家に情報提供、あるいはコンサルティングなどの支援を行うNICOの役割は大変大きなものと考えられます。しかし、新潟市に設置しているだけでは、広く県内起業家の支援ニーズに応えているとは言いがたい側面があります。 そこで、長岡市や上越市等にも起業・創業を支援する拠点となる分室を設置すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 また、現状において、県が管轄する地域づくり支援制度や助成金は多くの種類があり、効果的に機能していると評価することができると思いますが、どちらかといえば基礎自治体や団体を対象としており、起業家支援に直接結びつくものが少ない感が否めません。 ところで、現在、中山間地でも最も奥まった集落に若者が移住してくるなど、県内各地で新しい動きも生まれつつあります。こうした移住者が中山間地の特性を生かした起業を試みたりすることを支援できれば、さらなる移住者の増加や中山間地の魅力の発信に直結する可能性があります。 中山間地の環境を生かした起業促進のため、こうした支援制度、助成金を支援に直接活用できる制度設計や運用など、柔軟に対応することが必要と思われますが、中山間地活性化施策における起業家支援のあり方について見解を伺います。 次に、健康立県に関する施策についてお伺いします。 健康立県を推進する上で、医療・看護人材の確保が重要であることは言うまでもありませんが、県の示している医療・看護人材の確保・育成についての施策の方向性として、地域の医療・介護連携において中心的な役割を担うリーダーやコーディネーターとなる人材の養成が急務としていますが、一方で、チーム医療の重要な一翼を担う看護師不足が深刻化するとともに、高度医療に対応できる能力を持った看護師の育成も喫緊の課題となっています。 そこで、高度看護人材を育成する上で、人材育成の一翼を担う県立看護大学大学院への長期派遣制度等、医療機関によるキャリアアップへのサポート体制の整備が必要と考えます。 キャリアを中断することなく安心して専門性を高めるための医療機関から県内看護系大学への派遣の現状と、今後の長期派遣制度の充実等専門性の高い看護人材の育成に向けた県の取り組みの方向性について伺います。 次に、食育の推進については、生涯にわたる健康づくりや、学校や家庭における子供への教育を通して、新潟の食の理解と継承にもつながるものであり、健康寿命の延伸による健康立県の基本となる部分を担う施策であると考えます。 第2次新潟県食育推進計画においては、食育活動を県民運動として推進することをうたっておられますが、同計画の進捗状況について、指標の実績に基づく評価を伺います。 また、あわせて、新年度における本県ならではの食育推進の取り組みについて伺います。 続いて、交流人口の増加に関する施策について伺います。 インバウンドの獲得に関しては、西高東低とも言われ、特に関西地方の引きの強さが目立っていますが、必ずしも京都、奈良の神社仏閣に人気が集中しているわけではなく、関西が持つ食や体験などの魅力も大変大きいようです。 インバウンド客にとどまらず、上越地域は歴史的に関西文化圏の影響も強く、現代においては、早くに整備された北陸道や近年開業の北陸新幹線の影響もあって、関西方面と新潟県のつながりを再構築するよい機会と考えることができます。 現在、関西情報発信拠点であるじょんのびにいがたなど、関西方面への積極的な進出を県として推進していると承知していますが、今後、北陸新幹線の延伸も視野に入れ、県として関西方面からの交流人口拡大に向けた取り組みを強化すべきと考えます。ついては、その取り組みの方向性について伺います。 次に、新潟空港の利便性向上について伺います。 海外からの観光客については、パックツアー等の場合、空港からのバス移動が多く、多少の時間的優位性や鉄道交通などの2次交通手段の利便性は余り関係がないとの指摘もあります。 さて、上越方面の外国人スキー客については、その多くが首都圏空港を利用したオーストラリアの訪日観光客であり、県では、花角知事のリーダーシップのもと、上越地域振興局の尽力でスノーシャトルバスが運行されるなど、上越地域の活性化に寄与していただいていることに、この場をおかりして感謝申し上げます。 また、最近では、香港、台湾からのスキー客も大変伸びていると聞いています。そのため、今後、香港、台湾に航空路線を持つ小松空港や富山空港との一層の競合も予想されますが、新潟空港を利用した外国人スキー客を増加させるための取り組みについて伺います。 続いて、観光地づくりを推進するためには、各地の宿泊施設や交通事業者の活躍はもちろんですが、かじ取り役であるDMOなどの役割が重要になると考えられます。 富山県などは、早くから観光人材育成に取り組み、ネットワークの形成も進んでいると聞いていますが、そうした分野において、ネットワークの核となる部分はビジネスとしては成り立ちにくいため、行政の支援が特に必要となると考えられます。 観光立県推進のため、県内各地でのDMOの形成や、既に登録されている法人も含めたDMOにおける人材の確保・育成について、県の方針を伺います。 次に、環境問題について伺います。 環境問題は、グローカルな視点で取り組むべき課題と考えますが、地球規模で問題とされる温暖化対策として、ローカルな視点で温室効果ガスの削減・吸収に取り組むことが可能なカーボン・オフセット制度は、導入後しばらくたっていることから、取り上げられることが少なくなってきていますが、森林環境が話題となる中、再度、注目してよい取り組みであると思われます。 そこで、本県において推進している新潟県版カーボン・オフセットについて、森林整備にどの程度の効果が発揮されているのか伺います。 また、登録された森林プロジェクトは地域的な偏在があるように思われますが、今後の課題と展望を伺います。 続いて、再生可能エネルギー設備導入促進事業補助金について、この補助金の活用状況は太陽光発電に著しく偏っているように思われます。 もちろん設備の普及率や現状での設備費用を考えれば、現時点では有利な方式であるとは考えられますが、地域の自然や環境に応じて多様な再生可能エネルギーの導入を図ることが肝要で、この補助金が多様な発電方法の普及促進につながるように工夫・改善すべきと考えますが、所見を伺います。 また、家庭用地中熱導入支援補助金については見直しが検討されているとのことでしたが、現時点では新エネルギーについては選択と集中を行う段階とは言えず、さまざまな方法をミックスしてエネルギーの地産地消を図るべきと考えます。 地中熱利用の促進について、例えば病院など24時間稼働する公共施設に積極的な導入を図るなどの普及促進策が必要と考えますが、今後の地中熱導入促進の方向性について伺います。 さらに、水資源の豊富な新潟県の水力発電のポテンシャルは極めて高いものと認識しています。また、多くの中小河川が存在していることを考慮すれば、再生可能エネルギーとしての小水力発電の推進を積極的に図るべきと考えますが、現状では、幾つかの実践例を除けば、調査補助程度にとどまっているのが実態であります。 小水力発電の立地環境として適地が数多く存在していると考えられるにもかかわらず導入が進まない原因を、県として、どのような課題によるものと考え、いかに課題解決に向けて取り組んでいく方針か伺います。 続いて、教育問題について何点か質問いたします。 まず、さまざまな教育問題への対応をめぐって、教育の現場は多忙化の一途であると言えますが、その一方で、働き方改革による教員の超過勤務の解消も喫緊の課題となっています。 また、理不尽な要求や学校批判を繰り返す、いわゆるモンスターペアレントへの対応など、以前に比して、学校の抱える課題は多岐にわたっています。 こうした中、残念ながら、きちんと精査することもなく、ステレオタイプな見方で安易に学校や教育委員会を批判して留飲を下げるようなあしき風潮も存在しており、現場の努力や苦労が報われず、批判ばかりが強まっている傾向もあるやに思われます。 しかし、こうした状況にもかかわらず、現場の教職員の多くは教育に情熱を持ち、でき得る限りの時間を使って日々の教育活動に邁進しています。 よい教師とは、児童生徒に向き合う時間を大切にし、温かく、時には厳しく児童生徒を指導・助言することを通して、子供の人間的成長を促すことができる教師です。 もちろん非違行為は論外ですが、多少の失敗を恐れず児童生徒に向き合う勇気を失っては、教師としての感動を味わうことも、教師としての力量をつけることもできません。ひいては教育が次世代を担う人材の育成に寄与することも難しくなるでしょう。 教師を取り巻く環境が厳しさを増す中で、批判されないこと、失敗しないことを優先し、トラブルや課題に対応するための方策ばかりに目が行くのではなく、教育という仕事の魅力ややりがいを大いに感じるような教師教育、研修を実践すべきと考えます。 逆に言えば、教育の魅力とは何か、よい教師とはどうあるべきかという新潟県が求める理想の教育・教師像が曖昧になっていては、現場の教師が教育の本質を見失い、教職の魅力が色あせ、やる気を失い、結果的に教育の質の低下を招くことになりかねません。 現場の教師が前向きに児童や生徒に向き合い、志とやりがいを持って日々の教育活動に臨めるように支援するとともに、新たに教育の道を志す若者が意欲を持って新潟県の教職を目指すよう、県教育委員会が教育の魅力について積極的に発信すべきと考えますが、教育長の所見を伺います。 続いて、県独自の給付型奨学金について伺います。 給付型奨学金は、大学等への進学を志す生徒の家庭を支援するものであり、将来的にも学ぶ学生に負担を課すことがない、大変意義深いものだと認識しています。 しかし、教育の機会均等の考えに基づけば、大学等の進学を支援する奨学金については、教育を受ける権利を保障すべく、どこの県出身であろうが進学の機会均等、平等性を担保するために、本来、国が責任を持って制度設計をするものであると考えています。 本県のように県単独で行うのであれば、国の制度を補完するという意味合いだけではなく、本県の発展や人口問題、人手不足などの課題解決に一定の効果が期待できるという前提が必要と思われます。 前回の一般質問の折、新潟県で就職すると希望する学生への支援に比重を置くべきとの質問に対して、県内に就職を希望する学生に対する支援についても研究してみたいとの前向きな答弁をいただきました。 現在、人口減問題に対応することが喫緊の課題として挙げられ、特効薬はないとの分析もある中、あらゆる施策を総動員して人口減少に歯どめをかけることは、今定例会の冒頭でも花角知事も述べられたところです。 そうした観点からいっても、県の単独予算措置で実施されているこの奨学金の制度設計を、人口の社会減の大きな要因となっている若者の県外流出の抑制に対して多少なりとも効果があると思われる制度へ変更することについて、積極的に取り組むべきと考えますが、現在の検討の状況と今後の展望を伺います。 続いて、高校再編整備計画について伺います。 平成14年度に発表された高等学校中長期再編整備計画では、今後、分校は平成20年度までに原則的に募集停止との方針が示されましたが、その後、安塚高校が高田高校の分校になるなどしました。地域コミュニティーの核である高校を時代に合った形にする中での英断だったと高く評価されるべきことと思います。 面積が広く、また多くの中山間地域を抱える新潟県として、県立高校を再編整備するに当たり、地域コミュニティーの核である県立高校を、例えば学校の名称、校歌、校章などシンボル的なものを残しながら分校として存続させるなど、新潟モデルと呼ばれるような制度を創出すべきと考えますが、所見を伺います。 最後に、上越地域の諸課題について質問します。 来年度予算においては、一段加速した防災・減災対策の推進に関する予算が大きく増額して計上されていることは、冒頭申し上げたとおり、まことに喜ばしいことであります。 さて、上越市の場合は保倉川水域の氾濫危険性が高いことは、本議会においてもたびたび指摘されているところでありますが、放水路完成に向けて関係各位が努力されているものの、まだまだ時間がかかることが予想される現状です。 県では、新規事業である豪雨時の主体的な避難行動支援事業や重要水防箇所施設機能保全費のソフト・ハード面での対策を進めているとしていますが、関川・姫川大規模氾濫に関する減災対策協議会などで地域の防災・減災対策について議論を深めているようであります。 この地域の対策として、今後、どのような方針で取り組んでいくのか伺います。 続いて、県産米の輸出について伺います。 先般、大きく報道されましたように、新潟県産米の中国輸出解禁が実現したことはまことに喜ばしいことであり、花角知事でなければ、こうした成果を速やかに上げることはできなかっただろうと思います。 安全・安心な食品として大変高く評価され、非常に高価な値段で取引されていると聞く日本の米の中国における需要拡大は、今後も大いに期待できるところであります。その中で、我が米どころ新潟米の輸出解禁は、稲作農家のみならず、広く県民に大きな期待を抱かせるものと認識しています。 一方で、残念なことに、新潟県の港から直接的な輸出は、植物検疫条件の関係から、不可能な状態であります。全国一の米生産県である本県が、この絶好の機に当たり自分の県から輸出できないなどということは、高速交通網が発達している本県の戦略的拠点性構築の面からいっても看過できない状況と言ってよいと思います。 今後、新潟港、直江津港の両港から輸出できるような体制の整備が急務と考えますが、現状の認識と今後の方針について、知事の所見を伺います。 続いて、直江津港ターミナルの有効利用について伺います。 上越市では、新水族博物館うみがたりのオープンに伴い、多くの観光客が訪れていますが、市内の回遊性についてはまだまだ課題が多く、まちのにぎわいをもたらすには至っていないというのが現状です。その理由の一つとして、もう一つ寄っていこうという場所の宣伝や整備が立ちおくれているということが挙げられます。 こうした状況を改善するためには、もちろん民間の努力や地域の知恵の結集が前提であることは言うまでもありませんが、そのための環境整備について公的機関が積極的に関与して支援することも大切です。 本県も既にさまざまな支援や相談業務を行っており、その努力には大いに敬意を表するところでありますが、財政状況も厳しい折、既存の施設設備の有効活用について、いま一度、知恵をめぐらすことも大切かと思います。 例えば、直江津港の佐渡汽船ターミナルビルにおいては、ジェットフォイルの運航の休止等の影響で、一部利用頻度が低いスペースがあると聞いています。 思い起こせば、かつて旧運輸省は、総合的港湾整備事業であるポートルネッサンス21計画を掲げ、総合的な港湾空間を創造するべく熱心に取り組んでいましたが、直江津港においても同計画が推進され、現ターミナルを初めさまざまな港湾機能の新設、整備が行われた歴史があります。そのときのビジョンを振り返れば、現在のターミナルの活用・利用状況は、その理念の実現からは、かなり乖離した状況と言えるでしょう。 そこで、県が最大の出資者である佐渡汽船株式会社とも連携して、飲食・物販など観光施設化や賃貸等の有効活用を、民間の知恵も生かすなどして模索すべきと考えますが、この施設の活用の現状の認識と今後の方向性について伺います。 続いて、漁港の有効活用について伺います。 本県は、長い海岸線や地形の影響で、上越地域のみならず、多くの漁港が存在しています。我が地域におきましても、漁港は水産資源の供給基地や漁村集落の拠点として重要な役割を担ってきましたが、漁業法の改正などを挙げるまでもなく、水産業を取り巻く環境の変化により、その機能の見直しが必要となっています。 こうした状況をむしろ好機と捉え、漁港の立地や歴史を踏まえつつ、観光など新しい観点に立って有効利用し、地域のにぎわい創出につなげることを模索すべきと考えますが、所見を伺います。 次に、北陸新幹線の速達型の停車問題について伺います。 先日報道されたように、本県の医師不足は深刻な状況が続いています。前回の一般質問でも取り上げましたが、医師法の改正などで状況が少しでも好転することを願っておりますが、すぐに状況が好転するとも思えないことから、関係部局の一層の御努力が求められる状況であると認識しています。 こうした状況を打開すべく医療機関もさまざまな努力を重ねていることは承知しているところでありますが、例えば医師不足に悩む上越地域では、特定診療科の専門医を東京などから招聘しているケースがあります。 しかしながら、北陸新幹線の速達型「かがやき」が停車しない現行のダイヤでは日帰りの診療時間が極端に短くなり、受診が必要な多くの患者に大きな不都合が生じているのが現状です。 何も全ての「かがやき」の停車を求めているわけではありません。朝夕1本ずつでも停車すれば、多少なりとも状況は改善される見込みがあるのです。 医師不足に悩む地方の地方である上越地域においては、速達型の停車問題は、観光やビジネスバリューだけではなく、医療を保障するという人道的観点からも議論されるべき問題と思います。 こうした面から、地域医療確保の観点からも速達型の停車実現に向けた取り組みを強化すべきと考えますが、所見を伺います。 最後に、市街地交差点の安全確保について伺います。 上越市は、全国でも有数の広域合併を行いましたが、合併後から旧上越市内への若者世代の流出が起こっており、それに伴い、旧上越市内近郊のショッピングセンターの周辺などに新しい住宅地が形成されています。こうした新興住宅地では、市街地形成に伴う道路整備により、新たな道路交差点が発生している箇所が散見されます。 最近の住宅地の道路幅は一昔前の住宅地よりも広く、結果的に優先道路がわかりにくくなっている場合もあるため、こうした場所の中には一時停止違反による交通事故が多発している箇所があります。 新興住宅街は若い世代の夫婦が多く、必然的に通学する児童生徒も多いことから、安全対策は喫緊の課題と言えます。しかしながら、基準に該当せず、信号機設置が難しい交差点も多いのが現状です。 このような交差点では、例えば自発光式の標識を設置するなど、信号機設置以外の方法での安全確保対策が求められると思いますが、こうした箇所の安全対策について、県警本部の取り組みを伺います。 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 斎京議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、建設産業の人材確保・育成の取り組み方針についてですが、建設産業は、他産業と比べて就業者の高齢化が進行しており、地域の建設企業が必要な技術・技能を維持するためにも、将来を担う人材の確保・育成が喫緊の課題と認識しております。 県といたしましては、就業者の処遇改善につながる週休2日等による休日確保の取り組みの推進に加え、新たに、新規入職者の早期定着を図るための職業訓練を支援対象に追加するとともに、ICT活用工事の普及促進に向けた専門的な研修を実施するなど、建設業の人材確保・育成に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。 次に、防災・減災における棚田や森林の機能についてですが、議員御指摘のとおり、棚田や森林は洪水・土砂災害防止機能などを有しており、県民の安全・安心な暮らしにとって重要な役割を果たしていると認識しております。 県といたしましては、これらの機能が十分に発揮されるよう、棚田の整備や保全管理を支援するとともに、国の緊急対策も最大限に活用しながら、治山施設の設置や間伐などの森林整備を集中的に実施してまいります。 次に、起業・創業支援のためのNICOの分室設置についてですが、NICOの強みである、ワンストップでの専門的で多様な支援機能は、組織のリソースを集中させることにより、効率的・効果的に発揮できるものと考えております。 起業を志す方への支援に際しては、起業に必要な支援がタイムリーに、かつさまざまな地域で提供できることが重要なことから、NICOが県内各地での出張相談を実施しているほか、各地域の商工団体や金融機関などの支援機関が、ニーズに応じてNICOにつなぐなどの対応を行っております。 今後、創業希望者等の交流の場が各地で設置されるよう支援するほか、市町村との連携を密にするなど、官民一体となったサポート体制の拡充・強化を図り、県全域に支援が行き渡るよう努めてまいります。 次に、中山間地活性化施策における起業家支援のあり方についてですが、中山間地域において、豊かな自然環境や農産品などの地域資源を生かし、地域住民や移住者がビジネスを立ち上げることは、地域課題の解決や移住者のなりわいの確保のために重要な手段であり、積極的に支援すべきであると考えております。 このため、地域づくり支援制度においても、農産加工品の販売や農家レストランの経営など地域資源を活用した経済活動を行う場合には、コミュニティービジネスの立ち上げや運営への支援、クラウドファンディング等を活用した資金確保の支援を行うこととしております。 また、個々の起業については、起業家を支援する制度を活用し、中山間地域で起業している事例も存在しております。 引き続き、関係部局で連携しながら、地域や起業家の実情に合わせた支援を行ってまいります。 次に、食育推進計画の評価と新年度における取り組み方針についてですが、本計画において指標としている、減塩に取り組む人の割合や食育への関心は着実に高まってきており、これまでのにいがた減塩ルネサンス運動等の取り組みによる成果と考えております。 県としましては、これらの取り組みを踏まえ、引き続き減塩等に取り組むとともに、健康立県の実現を目指して、新たに市町村や医療、教育、産業等のさまざまな分野の関係機関と連携・協働した県民運動を展開する中で、食育を推進してまいりたいと考えております。 なお、新潟県食育推進計画の指標の実績などについては、福祉保健部長から答弁いたします。 次に、関西方面からの交流人口拡大に向けた取り組みの方向性についてでありますが、これまで、北陸新幹線開業効果を生かし、鉄道事業者、関西旅行エージェントなどと連携し、旅行商品の造成・販売促進の支援や交通媒体を活用した情報発信などに取り組んできました。また、LCC就航を踏まえ、航空会社とも連携し、若い女性層等を新たなターゲットとして、SNSの活用などによるプロモーションを強化しているところであります。 こうした取り組みに加え、新年度では、ことし秋のデスティネーションキャンペーンも契機としながら、県を代表するキラーコンテンツの創出や発信力の強化に取り組むこととしており、北陸新幹線延伸も見据え、本県観光のブランド化を進める中で、関西方面からの交流人口の拡大を図ってまいります。 次に、新潟空港を利用した上越方面の外国人スキー客を増加させるための取り組みについてですが、現在進めている路線の拡充や2次交通の充実を図るとともに、香港、台湾などへの観光プロモーションの強化が必要であると認識しております。 そのため、県といたしましては、台北線の増便や香港線の新規就航に向けたセールス活動に取り組むとともに、現在、冬期に運行している新潟空港と妙高地域を結ぶシャトルバスの周知に努めてまいります。 また、新潟空港を活用したスキー商品の造成を促進するため、海外旅行会社に対するプロモーションを強化するとともに、富山県や石川県などの近隣県と連携し、スキーを中心とした周遊ルートの情報発信に努めてまいります。 いずれにいたしましても、市町村などと連携を図りながら、新潟空港を利用した上越地域への誘客促進に向けて全力で取り組んでまいります。 次に、DMO法人の形成等に係る県の方針についてですが、議員御指摘のとおり、観光形態が変化する中、多様な関係者との合意形成や各種データ等の収集・分析による観光戦略の策定など、観光地づくりのかじ取り役としてのDMO法人の役割が高まっていることから、法人の形成促進やマネジメントを担う人材の確保・育成が課題となっております。 このため、県では、DMO法人の形成に向け、候補法人を対象に、組織の合意形成や必要な調査・分析等への支援に取り組んでいるところであり、国では、DMO法人への外部専門人材の登用や中核人材の育成など各種支援を行っているところであります。 県といたしましては、より多くの意欲ある日本版DMOが県内で形成・確立されるよう積極的に取り組むとともに、国の制度も活用し、DMO法人の戦略的な観光地づくりや人材の確保・育成を支援してまいります。 次に、環境問題についてお答えします。 まず、地中熱導入促進にかかわる今後の方向性についてですが、県では、これまで、家庭用地中熱利用設備の導入費用を支援するとともに、民間企業等を主体とした地中熱に関する研究会と連携し、地中熱エネルギーの有効性を発信するなど、普及啓発に努めてきたところであり、魚沼基幹病院など県施設を含め、県内の公共施設や事業所においても、徐々に導入が進んできております。 来年度は、新たに建築事業者などを対象としたセミナーやビジネスマッチングの開催、展示会・商談会等への出展などの取り組みを行い、引き続き、広く導入促進を図ってまいります。 次に、小水力発電導入の課題とその対応についてですが、小水力発電の導入につきましては、県内では今後も、ダム放流水などを活用した小水力発電が計画されているところでありますが、一般的には、調査や関係者との調整に期間を要することや、建設、維持管理のコストが高いために採算をいかに確保するかが主な課題であると認識しております。 県といたしましては、小水力発電導入促進にかかわる調査研究等を進める民間企業を主体とした協議会と連携しながら普及啓発に努めるとともに、小水力発電施設の導入や県内企業による小水力発電設備の製品化に向けた取り組みに対する支援を通じて、小水力発電の導入を促進してまいります。 次に、上越地域の諸課題についてお答えします。 まず、県産米の中国向け輸出解禁を踏まえた対応についてですが、中国向けの米輸出については、指定された精米工場で精米し、登録された薫蒸倉庫で薫蒸処理することが、条件とされております。 そのため、県内港からの米の輸出を実現するためには、こうした施設を県内に確保することが望ましいと考えております。 現在、県内には指定・登録を受けている精米工場、薫蒸倉庫はないものの、必要に応じて改修等を行い、所定の手続を踏めば、指定・登録が可能となる施設は複数あることから、県といたしましては、まずは、意欲ある県内関係者に対して、指定・登録に向けた手続や中国向け精米の需要見込みなどの情報提供を行うなど、機運醸成に努めてまいりたいと考えております。 次に、漁港の有効活用と地域のにぎわい創出についてですが、本県の漁港には、多くの観光客が訪れている直売所等もあることから、漁港を有効に活用し、地域のにぎわい創出につなげていくことは重要であると考えております。 漁港の有効活用を図るには、漁業関係者や市町村が中心となり、観光・物産等の民間事業者と連携して取り組むことが有効と考えられることから、まずは、漁業協同組合等の機運の醸成を図るため、昨年10月に漁港の有効活用に関する研修会を開催したところです。 今後も漁港が有効に活用され、にぎわいが創出されるよう、広く関係者と連携して取り組んでまいります。 次に、北陸新幹線の速達型「かがやき」の県内駅停車の実現に向けた取り組みについてですが、議員御指摘の地域医療確保の観点を含め、観光やビジネスにおける交流人口の拡大に向けて、速達型の県内駅停車の実現は重要と考えております。 その実現のためには、JRと地元の双方にメリットがあるよう、乗降客を増加させることが課題と考えており、県といたしましては、これまでも沿線市などと連携し、モニターツアーの実施などによる利用促進や機運醸成に取り組むとともに、ダイヤ設定を行うJRに対し、利用客の動向を踏まえた要望を行ってきたところです。 今後とも、停車の実現に向け、沿線市などと密接に連携して利用促進等に取り組むとともに、JRに対し、より一層積極的に働きかけを行ってまいりたいと考えております。   〔県民生活・環境部長本間由美子君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(本間由美子君) お答えいたします。 新潟県版カーボン・オフセットの森林整備への効果と今後についてですが、カーボン・オフセットの取り組みにより、県内の642ヘクタールの森林整備が行われ、森林が吸収した約1万9,000トンのCO2をクレジットとして発行しました。 クレジットは、県内外の200を超える企業等から活用いただいており、その販売代金で、森林整備事業者の負担が軽減されていることから、適切な森林整備の推進に効果を発揮しているものと考えております。 また、今年度、新たに十日町市の森林プロジェクトが追加され、現在6つの森林プロジェクトが登録されていますが、より広く多くの森林整備事業者から参加いただくことが課題と考えており、市町村や森林組合に対し、セミナーや相談会を開催するなど、働きかけを行ってまいります。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 2点についてお答えいたします。 専門性の高い看護人材の育成についてですが、現在、県内の看護系大学大学院には、県内の医療機関から36名が入学しており、そのうち、23名が派遣によるものとなっております。 県といたしましては、これまで、修学資金の貸与による大学院入学の支援や認定看護師資格取得のための受講料補助、看護管理者への意識啓発等を行ってきたところです。 専門性の高い看護人材の育成は、看護の質の向上や、職員のキャリアアップの観点からも重要であることから、引き続き、医療機関や看護系大学などと連携しながら、これらの取り組みを推進してまいります。 次に、新潟県食育推進計画の指標の実績等についてですが、本計画の指標であるふだんの食事において減塩に取り組んでいる人の割合は、平成28年には65.2%と、前年に比べ3.5ポイント上昇し、また、食育に関心を持っている県民の割合についても、平成28年は68.9%と、前年に比べ12.3ポイント上昇いたしました。 しかしながら、食育に関心を持つ人の割合は、全国に比べ約10ポイント低いことから、引き続き、県民の関心を高め、理解を深める取り組みが必要と認識しております。   〔産業労働観光部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働観光部長(橋本一浩君) お答えいたします。 再生可能エネルギー設備導入促進事業補助金についてですが、この補助金は、太陽光発電に限らず、再生可能エネルギーの自家消費を目的とした発電や蓄電設備の導入促進を図るものですが、今年度5件の採択事業につきましては、結果的に、いずれも太陽光発電設備に係るものでした。 議員御指摘のとおり、再生可能エネルギーの導入促進を図る上で、本県の多様な地域資源を活用していくことは重要であると認識しております。新年度予算案におきましては、この補助金の予算を増額するとともに、風力発電に係る補助額を引き上げることとしており、この補助金が多様な発電に活用されるよう事業のPRに努めてまいります。   〔土木部長中田一男君登壇〕 ◎土木部長(中田一男君) お答えします。 上越地域の防災・減災対策についてですが、近年の豪雨災害を踏まえ、地域の防災関係機関で構成する関川・姫川大規模氾濫に関する減災対策協議会などにおいて、地域の水害リスク情報や対策の目標を共有し、関係機関で連携しながら対策を実施してきております。 県といたしましては、ハザードマップ作成促進によるリスク情報空白地帯の解消や、地域特性に応じた防災教育の支援に加え、治水安全上特に重要な箇所の点検及び、施設整備や機能維持の対策など、ハード・ソフト一体となった取り組みを強化することにより、関係機関と密接に連携し、上越地域の防災・減災対策をより一層推進してまいります。   〔交通政策局長水口幸司君登壇〕 ◎交通政策局長(水口幸司君) お答えいたします。 直江津港の佐渡汽船ターミナルビルにおける施設活用の現状認識と今後の方向性についてですが、ターミナルビルの中にある旧ジェットフォイル待合室については、現在、施設を所有する県から貸与を受けている佐渡汽船が、会議室等として貸し出しております。平成30年度においては、会議や地元のイベントなどの会場として年10回程度の利用となっており、議員御指摘のとおり、十分に利用されていないものと認識しております。 このため、まずは、佐渡汽船とともに、地域の方々から観光施設やオフィスとしてのニーズや活用のためのアイデアをお聞きしながら、施設の有効活用に向け検討してまいります。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) 3点お答えいたします。 教員への支援と教育の魅力の発信についてですが、議員御指摘のとおり、教員がさまざまな状況の中で志や意欲を持ち続けるためには、研修を充実するとともに、互いに支え合うことができるような学校づくりが重要であると認識しております。 県教育委員会では、専門分野の研修を拡充するとともに、互いの実践について交流ができる教育支援システムを運用し、教員が他とかかわりながら主体的にみずからの力を高められるように支援しております。あわせて、ワーク・ライフ・バランスを実現できるよう職場環境の改善に努めているところです。 また、教員の志望者が減少している中、さまざまな自然や文化等を有する県内各地において、特色ある教育活動を展開する教員の姿やそれによる子供の成長など、議員御指摘の本県教育の魅力を発信していく必要もあると考えております。 そのため、高校生を対象とした教員の魅力を伝える取り組みや、大学と連携して1年生の段階から教員のやりがいを実感できる機会を設けるとともに、県内各地で教員が子供と生き生きとかかわっている実践などを、教員志望者向けにホームページなどで積極的に紹介するなど、教員を志す若者の増加に向けた取り組みを進めてまいります。 次に、県給付型奨学金制度の見直しの検討状況と今後の展望についてですが、国では、大学等の授業料の減免措置、給付型奨学金の対象者の拡大や給付額の増額などの方針が示されました。 県給付型奨学金は、国の奨学金制度を補完するものであることから、新年度の募集状況など国の動向を見きわめながら、県給付型奨学金の見直しについて検討していく必要があると考えております。 現在、他県の奨学金を活用した地元定着の促進策や、国の具体的な制度設計などについて、情報収集を行っており、今後、議員御指摘の県内に就職を希望する学生に対する支援を初め、人口減少問題に対応するための効果的な施策について、庁内関係課によるワーキングチームを設置して検討してまいります。 次に、地域コミュニティーの核である県立高校の分校化についてですが、県教育委員会では、1学年当たり4から8学級を望ましい学校規模としつつも、県立高校は地域コミュニティーにおいて重要な役割を担っていることから、地域の交通事情や地元の生徒の入学状況など、地域の特性に配慮しながら、学校のあり方を検討しているところであります。 また、小規模校の教育の質的向上や学校の活性化を進めるため、新たな分校形態などについても、他県でのキャンパス制や校舎制も参考に研究を進めているところであり、議員御提案のような、前身の高校の校歌や校章を残しながら分校化を図ることについても、地域の意見等を伺いながら、教育効果や学校運営等の面から検討を進めてまいりたいと考えております。   〔警察本部長花岡和道君登壇〕 ◎警察本部長(花岡和道君) お答えいたします。 交通事故多発交差点における信号機設置以外の方法による安全確保対策についてでありますが、県警察では、交通事故が多発しているものの、道路幅員が狭いなど信号機設置の基準に該当しない交差点については、これまでも道路環境や交通事故の分析結果に基づき、議員御指摘の自発光式など高輝度で視認性にすぐれた一時停止標識の設置や、停止場所を強調した段差停止線を標示するなどの安全対策を実施しております。 また、交差点の明確化を図るため、道路管理者に対し、交差点のカラー舗装化や減速マークの標示を働きかけるなど信号機以外の対策により交差点事故の抑止に努めているところであります。 県警察では、引き続き交通事故の実態を踏まえた効果的な交通安全対策に努めてまいります。 ○議長(沢野修君) 斎京四郎君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(沢野修君) これにて本日の一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(沢野修君) お諮りいたします。 次会は、明2月27日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(沢野修君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(沢野修君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 △午後4時59分散会...